その6. 1999年8月11日の星見
(栃木県田沼町野上)



今日は海の向こうでは皆既日食のある日。そして、明日の晩はペルセウス座流星群の極大日。もう他の会社ではお盆休みに入ったせいか、仕事をしていても外部からの電話はほとんどありません。私も今日の午後からお盆のための有給休暇をとるつもりで出勤して来ました。天気が良いので、お昼になってすぐ帰宅。途中で薬屋さんに寄り、露対策用に白金カイロの燃料を買い、写真屋さんに寄って、流星撮影用にフジフィルムSGA800の36枚撮りを6本と、レンズが曇ったときに曇りを一気に吹き飛ばせるようエアーブロアのタンクを買いました。そして早速、田舎に帰る準備をし、星見に行くことにしました。

夕方実家に帰ると、北の方には黒い雲がありました。星仲間の鈴木君に電話をして、北に雲があるので粕尾峠に行こうかどうしようか迷ったあげく、近場である隣町の田沼町の山奥で済ますことにしました。どうも明日から天気が崩れそうで、ペルセウス流星群も今日見ておかないと、明日以降、見られるかどうか判らなかったからです。私の家に21時頃集合し、ここから30分で行ける田沼町の野上と閑馬の間の林道に行くことにしました。もちろん、今日の目的は、星雲星団の写真を撮りながら、50mmレンズも一緒に赤道儀に載せて、ペルセウス座群流星を捕らえることです。途中で流星がたくさん流れるようだったら、望遠鏡を外して、5連カメラシステムに載せかえられるよう、他に一眼レフカメラを5台持っていきました。

途中でビールを買って、現地に到着。標高が500m程度しかないためか夜だというのにとても暑く、望遠鏡を組み立てている途中でシャツを脱ぎ捨て、ランニング姿で一晩中過ごしました。ペルセウス座流星群は極大日の前日だというのに、1時間に数個程度、ビール片手に流星を眺めながら、流星撮影の方は、輻射点に近いカシオペア座を中心に狙うことにしました。星雲星団の撮影の方は、、ここは、南は木が茂っており、東から南東にかけては空があまり良くなかったので、高度の高い天頂付近の夏のマイナーな散開星団を狙うことにしました。誠文堂新光社の天体観測ハンドブックに載っている野外星図2000は9.5等より明るい星雲星団が一回り大きく表記されているので、9.5等より明るくて今まで未撮影であった散開星団を捜し、ウラノメトリア星図で正確な位置を読みとって導入することにしました。

最初にわし座方面を撮影することにしました。散開星団NGC6755 (多胡カタログ番号 T482) を狙うと、同写野にNGC6756 (T483) も入りました。次に、同じわし座散開星団NGC6709を狙いました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
No.482 NGC6755 散開星団 わし座
No.483 NGC6756


多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6709 散開星団 わし座


次に、高度を上げ、こぎつね座散開星団を狙うことにしました。NGC6830NGC6885NGC6940と狙い、途中、過去に撮影している惑星状星雲M27-NGC6853 (T494) も狙いました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6830 散開星団 こぎつね座


多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6885 散開星団 こぎつね座


多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6940 散開星団 こぎつね座


参考 (撮影済み)
T494 NGC6853
(M27)
惑星状星雲 こぎつね座


今日は、星雲星団の撮影とペルセウス群流星の撮影の他に、もう一つ目的がありました。明け方に現れるリー彗星を撮影すること。時刻も2時半となり、あと一つ散開星団を撮影してからリー彗星に向けようと、はくちょう座散開星団であるNGC6883を狙いました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6883 散開星団 はくちょう座


時刻も3時を過ぎたので、予報位置を頼りにリー彗星あるぎょしゃ座の方向に向けてみました。カメラを外してアイピースを取り付けると、かなり明るいリ−彗星のコマが入っていました。鈴木君に位置を知らせると、彼の双眼鏡でも捕らえることが出来ました。空が明るくなる4時近くまで、6コマ撮影し、片づけにはいりました。


1999/08/29

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