その3. 1999年5月17日の星見
(栃木県粟野町粕尾峠)



翌日が父の命日だったので、休暇をとって田舎に帰っていました。昨日までは、気圧の谷が通過していたので天気が悪かったのですが、今日は晴れになったので、Lee彗星(C/1999H1)を再び撮影しようと、夕方、山に出かけました。

粕尾峠のいつもの駐車場に、20時ちょっと前に到着。空を見上げると、天頂は晴れていて星が出ていましたが、南1/3が曇っていました。Lee彗星(C/1999H1)の撮影は無理そうだったので、のんびりと望遠鏡を組み立てました。そういえば、リニア彗星(C/1998M5)がまだ見えることを思い出し、スカイスカイウォッチャーの位置予報から、しし座のレグルスを基準にして目盛環で導入することにしました。しかし、撮影をしているうちに雲がわいてきてしまい、星が見えなくなってきました。
しばらく待機しましたが、星が出たり消えたりで、撮影ができそうもありません。しかたなく、望遠鏡を分解して、帰宅することにしました。
駐車場を出てすぐ、道路に鹿が1頭いました。さらに過ぎて峠の本道に出る前に、車を停めて空を見ると快晴でした。もしかしたら、晴れてきたのかと、駐車場に戻ることにしました。
ところが駐車場に戻ると、星は見えないどころかガスっていました。駐車場辺りは、山の尾根にあたるので、雲が発生し安いときには、ガスってしまうのです。無理そうなので、再び帰ることにしましたが、再び本道に出る前に空を見ると、やはり快晴です。そこで、道路の広くなっているところで機材を広げることにしました。先週平日に来たとき、一晩中、1台も車が来なかったので、今晩もおそらく1台も来ないとみたからです。

まず、多胡カタログ天体のリストを広げ、撮りやすそうな天体を捜しました。そこで、りょうけん座系外星雲であるNGC4449(T290)を狙いました。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
No.290 NGC4449 系外星雲 りょうけん座


NGC4449をいつものように露出6,7,8分の3枚で撮り終える頃、南には木々の隙間からさそり座アンタレスが綺麗に輝いていました。ちょっと待てば、いて座も南方に来るので、なにか一つ、撮影することにしました。
星雲星団ウォッチング(知人書館)に載っているもので撮り残しているものを捜すと、へびつかい座IC4665がありました。大きな散開星団で、へびつかい座β星のすぐ上にあるので、5センチファインダですぐに入れられます。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGCなし
IC4665
散開星団 へびつかい座


撮影しながら、いて座方面のなにを狙うか考えていると、どうも南方面には薄雲がかかっているようです。そこで、散開星団M23(NGC6494)を狙うことにしました。これは、IC4665と同様、彗星に見間違えることのない散開星団なので、多胡カタログにはないものです。

多胡カタログNo. NGCカタログ 種類 所在 写具合
なし NGC6494 散開星団 いて座


途中から薄雲が濃くなり、その後、M22も狙ってみたのですが、良く写りませんでした。

雲も多くなり、星が見えなくなってきたので、片づけて帰ることにしました。帰りには、鹿が道の真ん中に3頭いたので、デジカメを取り出して撮影しようと思っているうちに逃げられてしまいました。

今月の星見は、これでおしまいです。来月には、夏の銀河いて座も見やすくなるので楽しみです。


1999/05/22

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