『楽笑会』 
2002.11.07


『第21回楽笑会』(2002.11.07、19:00、小平市・美園地域センター)にお邪魔してきました。商店街を中心に地元の若い人たちが寄ってたかって運営している会だそうです。お席亭は小平市議でもいらっしゃる永田政弘さん。3ヶ月に1度の開催で、もう8年目に入ったとのこと。

【名 称】楽笑会(第21回)
【日 時】2002.11.07火 19:00〜21:00
【会 場】小平市・美園地域センター
【木戸銭】木戸無料

番組は次の通りです。

1、神田ひまわり:野狐三次〜木っ端売り
2、春風亭昇乃進:ザ・漫才
   -中入り-
3、桂うらら:強情灸
4、春風亭柳之助:宿屋の富

とても雰囲気の良い会でした。スタッフの人たちが楽しそうに働いてらっしゃるし、お客さんの感度もとても良い。美園地域センターは新しい施設らしく、とてもきれいでした。客席は畳で、ちゃんと舞台があります。学芸会や踊りの発表会などにも使える構造になっているんでしょう。お客さんは70人入りました。前回より多かったそうです。

ひまわりさんは、やはり馴染みのお客さんの前だからでしょうか、いつになくリラックスして高座をつとめていて、乗っている感じが伝わってきました。お客さんにもとてもよく受けていました。「木っ端売り」は何度か聞いていますが、聞く度に細部が彫琢されていくように思えます。それに会うたびにきれいになって…。

昇乃進さんの「ザ・漫才」は、新作ネタ下ろしだそうです。ぼくは昇乃進さんの才能を高く買っている一人ですが、この一席は大いに気に入りました。とても面白かった。劇中劇風に落語の中に漫才が入っているんです。その漫才の部分がよくできていて、そこだけでもきちんと笑える。それをさらにひとひねりしてあるんです。「お前は、お笑いタレントになりたいのか、芸人になりたいのか」という台詞は、リアルでいいなァ〜。枕は、元speedのヒロのコンサートの話題と「間違ったまま覚えていること」という話題。これも面白かったです。

うららさんの高座は久しぶりに見ました。前座時代、気を遣いすぎて神経を減らすのではないかと心配したほど、人当たりのよい好青年でしたが、その良い印象はそのままに、ひとまわりたくましくなっていました。演目は「強情灸」でしたが、実はその前に抱腹絶倒の漫談がついていました。漫談だけでやるときのタイトルを聞いたのですが……えー、忘れてしまいました(^_^;)。運転免許の試験問題をスケッチブックを使いながら紹介するというものです。実によくできていました。これまでに余程数をこなしてきたんでしょうね。東北弁っぽい訛りを巧みに採り入れながらの爆笑落語…という方向性が見えてきたように思います。人当たりの柔らかな感じは、萩本欽一や小堺一機をちょっと思わせました。うららさんが欽ちゃんファミリーに入ったら何の違和感もないだろうなァ。

柳之助さんは、ほとんど枕を振らずに古典落語の世界に入っていきました。前の高座の雰囲気を消して、自分の空気を作ろうということでしょう。相変わらずバリトンの良い声です。噺の安定感は抜群。お客さんにもよく受けていました。「子の、子の、千、千、三百、三百…」というところ、普通は「…三百、三百、六十、六十…」とやるんですが、「…三、三、百、百…」とやっていました。おそらく札には「子千三百六十五番」と書いてあるんでしょうから、なるほどと思いました。

お客さんには大いに受けていましたし、ぼくも悪い出来とは思わなかったのですが、柳之助さん自身は出来が大変不満だったらしく、放送辞退を申し出て来られました。ご本人の強い要望なので、今回は放送しないことにしました。その代わり、別のところでまた柳之助さんの取材をさせていただくことを約束しました(^_^)。柳之助ファンはしばらくお待ちください。

事務局長の鈴木さんはじめ、スタッフの皆さんにも大変お世話になりました。またぜひお邪魔させてください。ありがとうございました。

写真は、会場から近くの某お店での打ち上げ。撮影は川崎さんです。皆さんのお邪魔にならないように、この写真を撮ってすぐにぼくと川崎さんは失礼しました。