12月県議会一般質問
竹内久幸
1999/12/10

介護保険制度について

竹内質問
 まず、介護保険制度についてお尋ね致します。
 来年4月からスタートする介護保険制度について、政府は「介護保健法の円滑な実施のための特別対策」として、半年間の保険料徴収延期やその後も高齢者の保険料を一年間半額にすること。介護保険のサービスを利用しない場合に家族介護慰労金として重度で低所得世帯の介護者を慰労するために、年額10万円相当の金品を渡す等の方針転換を打ち出しました。
 しかし、このことは全国の自治体が来年4月からの導入に向けて血のにじむような努力を重ね準備作業を行って来ただけに、「制度そのものの根幹が揺らぎかねない。」「負担とサービス給付の関係が曖昧になる。」「住民に何度も説明をして来たのに、また、説明会をやり直す必要がある。」「凍結や軽減の期間後に、きちんと保険料を徴収出来るか不安。」などの不信と混乱を与えているとお聞きしております。
 また、この他にも今回の方針転換は、半年間保険料を徴収しないで、所得要件が一切考慮されなくなり、公平性を著しくそこなうこと。保険者にとっては、あらたな業務が増え、市町村や医療保険者に混乱を持ち込むことになると思います。 まず、今回の措置で不信に思うことは、介護保険制度の実施主体は市町村であると決めたのは政府であるにもかかわらず、与党3党合意によって突如として方針転換が行われたことであります。一方で地方分権を言いながら、本音は自らの保身である選挙目当てと言われても当然だと思います。
 しかし、考えなければならないことは、その保身によって国の深刻な財政状況にもかかわらず、安易に約1兆円の国債発行に財源を求め、結局は将来、国民負担を増加させているということです。 「介護慰労金」については、「与えられる福祉から選択する福祉」に転換するはずの保険制度の趣旨に逆行するばかりか「子が親を介護する美風を大事にすべき」と言った本音は、「介護の社会化」を理解していないところから出る発言だと思います。
 もし低所得世帯が「慰労金」を選択したとすれば保険料を支払っても給付が受けれくなり、要介護度4及び5の対象者であれば年間400万円前後の現物支給を受ける権利があるにもかかわらず、10万円の金品に置き換えられしまうことになります。このことは、弱者切り捨ての何者でもありません。
 さらに、介護基盤整備の遅れている自治体ほど「慰労金」を選択する可能性が高いといわれ、「慰労金」を実施する自治体は基盤整備に不熱心となり自治体間の格差をますます拡大する恐れがあると言われています。
 本来、約一兆円とされる財源があれば、これらの基盤整備に当てるべきと思います。 そこでまず、「慰労金」に対する考えも含め、政府が出した「介護保健法の円滑な実施のための特別対策」について吉村知事のご所見をお伺い致します。

知事答弁
 非常に困惑を致しました。この様な変革は制度の実施に、不安や信頼を失うということで、知事会挙げて強く反対の要望書を渡した。今後そういう事のないようにということで政府に釘を差してある。慰労金の考え方はだいぶ変わって来た。重度で低所得者が介護保険を受ければ4・5百万のサービスを受けるので、慰労金は10万なので、どちらを選択するかは個人個人の遺志によるので、私どもの判断ではそういうことはないのではないかなあ、と思いますので一定の方向で決着したと考えている。
 半年間の一号保険料徴収猶予、それから一年間の半額措置については、保険給付に対する信頼感を失うということで、今後また変わるんではないかという不安を持っことが懸念されるんですが、これはあくまでも同意のための経過措置と政府は説明しています。市町村によっていろいろ意見があるので、そういうことをなだめ円滑に制度を導入する措置、と理解しており、保険制度そのものは4月から発足する。今県・市町村そのために努力しておりまして、長野県ではいろいろ問題がありますが、あまり大きな問題はおきない、1号から4号までの保険サービスが受けられないという方々は非常に少ないと思っておりますし、そのための努力を関係団体と一層努力して行きたいと考えている。

竹内質問
 次に、厚生省は11月29日開催した全国老人福祉・介護保険担当者会議で、要介護認定で制度の対象外となる高齢者に対して、介護保険とは別に市町村が行うサービスに必要な支援を行うため、「介護予防・生活支援事業」を創設し、都道府県、市町村に予算・事務面での適切な対応を指示したと聞いております。
 その主な事業メニューは、現行の事業のほか、住宅改修指導、訪問理容サービス事業など、大綱で5つの事業が創設され、市町村が高齢者のニューズや生活実態にもとずいて選択するこれらのメニューに対し、国が2分の1、県が4分の1の助成を行うとしています。
 県はこれまで、自立と認定された方や高齢者の介護予防施策については、国の動向を見て検討したいとして来ましたが、今回示されたメニューを市町村が選択した場合は4分の1の助成を行うことになりますが、この他に市町村や高齢者のニューズに対応して県単独の新たな事業を実施するお考えはあるか、社会部長にお伺い致します。
 次に、介護保険制度でのショウトスティについてお尋ね致します。
 介護保険制度のもとでは各種のサービスについて要介護度によって利用できるサービスの上限が定められています。この内、ショウトステイについては、当初、6ヶ月あたりのサービスの上限は、要支援・要介護度1及び2の場合が14日間、要介護度3及び4の場合が21日間、要介護度5の場合が42日間となっていますが、この間、さらに要介護認定の更新や変更認定の場合、3ヶ月前と4ヶ月前の在宅サービスの利用実績が限度額の6割未満であれば、その後はさらに限度日数を拡大する方向が出されました。
 このショウトステイについて「さわやか信州高齢者プラン」の進捗状況を見ますと、平成11年度末の整備見込みが目標に対して114.4%であり目標は達成していますが、しかし、現実の状況を見るとき不安を抱いております。
 それはたとえば長野市内では、寒くなる季節に急用が出来て施設利用を申し込んでも、多くの施設が2月・3月まで一杯でキンセル待ちという現状があるからです。その原因は、寒い時期は介護を要する高齢者にとって自宅での健康管理に不安があるため、ミドルスティの様な柔軟な対応によって暖かくなるまで一時避難しているためだと思います。
 しかし、不幸が出来たり、介護者が病気になり入院という事態になった時や、休養を要するため休もうとしても対応が出来ない現実があります。
 介護保険制度のもとではミドルスティの様な対応は禁止となり、その分、特養なとではショウトステイの定員に幅をもたせることになっていますが、報酬単価によって施設が運営される以上、絶えず定員を確保し採算性を重視することが求められ、介護者が必要な時にサービスを受けられるのか疑問視せざるを得ません。
 現状では福祉の中で行われている施策ですから我慢している方も多いと思いますが、保険制度のもとでは「保険あつてサービスなし」という指摘も当然起こると思います。
 そこで、これらの事態がありうるのかどうか、県としての見通しと、介護者が緊急的に短期保護を必要とした場合の対応について、例えば地域的に施設を指定して、ベットの確保について補助をするなどの施策は出来ないものか、社会部長にお尋ね致します。
 次に、要介護者のサービス利用促進策と、介護者の健康管理についてお尋ね致します。
 介護認定が決定し、サービスを利用する世帯は、原則として介護サービスの利用計画の作成が必要となり、このケアプランは自分で作ることもできますが、専門的な居宅介護支援事業者に作成を依頼し、利用される方の要望や状態にあった計画が作成され、総合的なサービスを受けることができるとされています。
 要介護認定の対象外となる方への対応も課題ですが、私はケアプラン作成の過程で要介護と認定された皆さんへの、限度内でのサービス利用の促進も大きな課題だと思います。
 それは、特に老老介護の場合は今でこそ「福祉のお世話になる」ことえの世間体(てい)という風習は減少しつつあると思いますが、特に、ディサービスやショウトステイなどのサービスは、介護者が利用したくとも介護される方が「そんなところへ行きたくない」と言われれば、長年連れ添ったご夫婦に多い例は、介護者の方が「かわいそうだから」とサービス利用をあきらめてしまうという事例が多いこと。
 また、これは私の家や周辺の例ですが、それでもいやがる介護される方をデイサービスに行かせるには、たった半日でも涙ながらの別れのシーンが待っており、「かわいそうだから」と介護者が一緒に付いていっても、次回からは絶対行かないケース。あるいは毎回介護者が一緒に行って、かえって介護者の負担が重くなっているというケースがあるからです。
 特に、これらの頑固者のケースは「現役のころ奥さんに身のまわりのことを全てまかせ、仕事一徹で働いた、公務員とか、校長先生とか、議員をしていた方に多い。」と言われており、その思いは「身のまわりのお世話をしてくれる奥さんが絶えず近くにいないと不安なこと。」「自分が人のお世話になっている、年老いた姿を人に見られたくない。」といった意識から来ているようです。
 「介護保険制度は介護の社会化」であり、デイサービスやショウトステイの役割の一つには介護者の負担を軽くすることがあり、重度の痴呆などの方をかかえている介護者の日常生活は家庭にしばられ、介護の内容なども、人には言うに言えないものがあるだけに、ケアプランを作成しても、現実に利用出来る「心のケア」が問われています。
 この点について居宅介護支援事業者等への徹底はどのような内容で行われておられるか、社会部長にお尋ね致します。
 次に、要介護と認定され各種のサービスを受けたとしても介護者はこれまで家庭にしばられ、健康診断などの健康管理はほとんど行っていない方が多く見受けられます。特に重度の方を抱えている介護者は知らずの内に身体にも負担がかかり、突然心筋梗塞で亡くなってしまったという現実もあります。
 この点について、介護者の健康診断等が具体的に実施出来る施策を行って頂きたいと思いますが、社会部長にお尋ね致します。

 
上原社会部長答弁
 自立と認定された方への支援や高齢者の介護予防施策ですが、国においては介護要望生活支援事業を創設して、介護認定において自立と認定された方も含めた総合的な支援策を実施していくこととしている。事業の内容は、相当に幅広いメニューがそろえてありますので、市町村はその実情に応じて選択実施出来るなっており、県としては市町村の意向を踏まえ、来年度の予算編成に向けて考えてまいりたい。また、県単独の事業は、今申しあげた国庫補助事業との関連も考慮する必要があるが、補助単価や補助対象など詳細が未定であり、具体化の状況を見ながら県としての施策の新たな組立や体系作りを検討してまいりたい。
 次に、シヨウトステイについてですが、介護保険制度のもとで必要となるサービス量につきましては、本年7月に実施した介護保険料の中間試算では、県内全広域圏で需用を賄える状況にある。また、緊急の場合も含め特別養護老人ホームや老人保健施設で一時的に空いたベットを活用したシヨウトステイもご利用頂けるので現段階ではご質問の様な事態はあまり生じないと考えているが、県として今後もと基盤整備に力をそそぐ利用者の要望に応じたサービス供給がさらに進むよう支援をして行きたい。
 介護サービスを気軽に利用できるようにするための、利用者への心のケアについては、居宅介護支援事業者の指定基準によると事業者の基本的な留意点として、利用者や家族にサービスの提供方法等について理解しやすいように説明を行うこととされている。また、介護支援専門員は、ケアプラン作成にあたり利用者や家族の意向にそってプランを作成することになっている。いずれにしてもサービスを気軽に利用していただくことについては、大変重要なことなので、指定事業者の説明会や介護支援専門員の研修で周知徹底しているが、なお、今後ともあらゆる機会を通じて、趣旨の徹底をはかって行く。
 介護者の健康管理については、厚生省では平成12年度からはじまる保健事業第4次計画の中で、家族介護を担う方を対象とした健康教育、健康相談、訪問健康診査といった新たな事業を計画している。ご指摘の通り介護者の健康管理は大変重要なので、今後国における事業の具体化の状況を見ながら実施に向けて市町村を指導して行きたい。


五輪施設の後利用等について

竹内質問
次に、五輪施設の後利用等について、教育長にお伺い致します。
 県民に開催県としての感動をあたえ、世界に「ありがとう長野」の響きをこだまさせ終わった長野オリンピックやパラリピック。今、あれから2年を経過しようとしている時、あの感動は序序に薄れようとしているかも知れません。と同時に、開催前や大会終了時にあれだけ話題となった施設の後利用問題についても、何となく話題が減少して来たような気が致します。
 しかし、施設の後利用については財政運営を伴う課題だけに、県としてもオリンピック開催を生かした街づくりとして、積極的な対応を行うべき施策きであると思います。
 そこで、長野オリンピック競技施設のその後の後利用と運営状況について、収支の状況と今後の見通しをお尋ね致します。
 また、オリンピック開催の感動を後世に伝えるために、県として長野オリンピック開催2周年を記念するイベントを企画しておられるか、市町村の計画も含め尋ね致します。
 さらに、オンリンピック開催を生かした街づくりとして、コンベンション誘致への県としての協力や、冬季スポーツの振興策として、各種冬季大会やイベント等への「長野オリンピック記念基金」からの支援などを、県としても積極的に推進しなければならない課題だと思います。 これらの課題について、現況と今後の取り組みをお尋ね致します。
 エムウェーブの後利用につきましては、スケート人口の減少に対処し、今後国内一流選手や全国の大学生のクラブ、さらには県内の子供達やアイスホッケーのクラブチームが利用促進出来る施策を講じるため、朝陽メディア村の縮小経過も勘案し周辺への宿泊施設の整備も含め、対応を検討することが問われていると思いますが、スパイラルも含め国のナショナルトレーニングセンター構想の現況についてお尋ね致します。
また、エムウェーブにつきましては、すぐ隣に長野東高等学校が存在し、かねてからスケート部の設置について周辺で話題になっております。この点について、教育的分野での位置付けや課外活動でのクラブ等の設置について今後、積極的なご検討を要望致します。

矢島教育長答弁
 オリンピック施設の後利用等について、まず、競技施設の後利用については、それぞれの市町村において施設の有効利用、財政負担の軽減に向けての様々な努力が行われております。特に施設の多い長野市では、エムウェーブやビッグハットを民間に管理委託し民間感覚を取り入れた運営が行われており、収支状況については、エムウーブやスパイラル等それぞれ厳しいものと聞いており、ナショナルトレーニングセンター或るいわ各種コンベンション誘致などを通じ、一層の努力が必要であると考えている。
 長野オリンピック一周年記念イベントについては、長野市では商工会議所や青年会議所などが中心となり、今年の一週年記念に続き来年2月の開催を計画している。まもなく実行委員会が設立されることになっており、県としても実行委員会に参加し、ともに盛り上げて行きたい。
 次に、オリンピック後の長野市内のコンベンションの誘致状況と長野オリンピック記念基金については、長野市では平成10年度度の実績で641の会議や、スポーツイベント等が開催され、173万人余の人々が参加した。この内、エムウェーブビッグハットの利用者が全体の3分の1以上にのぼっており、県としても積極的に支援して来た。
 また、冬季のスポーツ大会の誘致については、オリンピックムーメントの高揚や施設の有効利用をはかる上でも大変重要であり、今年度長野オリンピック記念基金を活用し、25の冬季競技大会等に助成を行っているが、今後も引き続き支援をして行く。ナショナルトレーニングセンター構想については、文部省では平成9年度からセンターのあり方にる関する調査研究に着手し、機能・組織や施設設備に関して検討がされている。来年度も引き続き調査研究が予定され、基本構想の策定は平成12年度以降になる見通し。県としては国の動向に注目しながら、国に対し長野オリンピック競技施設をナショナルトレーニング施設として活用するよう機会をとらえて要望しているが、今後とも引き続き要望を続けて行きたい。


道路整備について

竹内質問
 次に、道路整備についてお伺い致します。
 長野県は地理的、歴史的な課題として南北の均衡ある発展を課題として来ました。そして吉村知事はじめ、県議会、行政当局のたゆまない努力によって高速交通網の整備が進み、この課題の解消に向かって、積極的な施策が講じるられております。
 また、近年、地域高規格道路の整備に向けた今後の計画も具体化しつつあります。 この現況を踏まえ、私はその後の将来に向けた南北の均衡ある発展に欠かせないものは、中央自動車道あるいは長野自動車道と上信越自動車道を、諏訪方面から小県を通り上田方面へ通じる地域高規格道路の整備、そして佐久方面から小県を通り、松本方面へ通じる地域高規格道路の整備だと思います。 この点につきましては9月議会で、丸子町の下村議員も質問致しましたが、私も武石村の出身でありますので、現在どのような調査を進めておられるか。
 また、今後、事業化に向けてどのような取り組みをして行くお考えか。あらためて土木部長にお尋ね致します。
 次に、東外環状線の整備見通しについてお尋ね致します。
 この課題につきましては6月議会でもお尋ねしましたが、国の予算の確定が間近に迫っておりますことから、その後の取り組みと見通しについて、新ためて土木部長にお伺い致します。

小川土木部長答弁
 地域高企画道路について、県の中央部の上田と諏訪を連絡する道路、及び松本・佐久を連絡する道路については、沿線市町村から地域高企画道路として整備を望む熱い期待が寄せられており、県としても候補路線となりうる道路と考えております。そのためこれまで゜に、この2つの道路につきまして地域高規格道路としての必要性を想定した整備効果等、長期的な検討をしている。今後は候補路線として早期に指定されるよう交通の将来予測、優先整備機関の注出など引き続き所用の調査を進めて行きたい。
 東環状線の整備については、6月以降引き続き国・県・市の関係者からなる「長野環状道路検討連絡会」を開催し、路線の整備の必要性、整備手法、道路の管理区分のありかたなどについて検討している。県としては本路線が長野市における骨格道路等を構成する機能を勘案すると国道18号のバイパスとして国による整備をお願いしている。今後引き続き検討を重ね年度内に方向が出せるよう「連絡会」において協議を重ねたい。


都市型水害対策等について

竹内質問
 次に、都市型水害対策等についてお尋ね致します。
 近年、都市部においては開発により田畑が失われ、いわゆる都市型水害が発生し、その対策に苦慮しているところであります。 県におかれましては建設省サイドの県管理河川の改修や、松本・上田等での調整池の整備、排水機場の整備、農林省サイドでの緊急防災事業等による河川改修や機場設置等の事業を推進して頂いているところであります。 また、市町村においては、県の指導も頂き建設省の補助事業である下水道事業で、雨水渠の整備事業や雨水調整池等の建設、単独事業による河川改修を行っております。
 しかし、自治体によっては都市型水害は「もぐらたたき」とも言われ「こっち良ければ、あちらが水害」という、上流部における開発に追いつかない現実もあります。
 私のいる長野市の東部地区は、北は浅川をまたぎ豊野町、東は千曲川を挟んで須坂市という地域ですが、この地域に流入する河川は、上流が中心市街地で排水路であり、下流が田園地帯で農業用水という特殊な構造を持っており、昔から千曲川や浅川の氾濫に悩まされ、昭和40年代以降は上流部の開発による中小河川の都市型水害に苦しんで来ました。
 そして、昭和58年の千曲川の氾濫以降も、国の直轄事業で千曲川護岸改修も進み、柳原1号・2号幹線排水路、屋島幹線排水路についても県のお力により用排水分離事業や機場の拡幅・改修などの事業を推進して頂いております。 また、天井川であった浅川につきましても県のご尽力により改修が行われるとともに、浅川ダム計画に着手頂いており、現在検討されている「浅川ダム地滑り等技術検討委員会」において安全性が認められ、早期にダム本体に着手されることを願っております。
 しかし、昔から水害に悩まされ来た地域の皆さんにとっては、これらの一つ一つの事業の推進に感謝することは当然ですが、その苦しみ故に地域に不必要な水は下流に流すとともに、上流の水は必要以外には流入させないということが「国是」となっております。
 このことは大きな視点から千曲川にあてはめて見れば、長野県は飯山などの災害を防止するために新潟県へ不必要な水を流すことであり、長野市や上流の自治体は立ケ花狭窄部(きょうさくぶ)の改修を促進し、流れの良い千曲川を実現し、さらに機場の新設や能力アップをはかると同じ意味になります。
 私はこれらの状況について、都市型水害対策は「そこに降った雨水はそこで処理する原則の確立」を求めてまいりました。そして、長野市においては民間による開発行為に対し宅地開発指導要綱により雨水貯留施設又は、浸透施設設置の指導や、建築確認申請時における浸透桝の設置指導、小中学校グランドやオリンピック施設など公共施設への雨水貯留施設の設置、長野運動公園地下調整池の整備などによる雨水流出抑制施設の整備を行なって来ました。
 しかし、残念ながら都市型水害は依然として解消するには至っておりません。 なぜなら、先に申し上げた特殊な地理的条件と下流に不要な水を流せない「先祖からの国是」があり、抜本的に水害を解消するには、用地買収も含め多額な事業費を要するからであります。
 そこで、都市型水害の解消につきまして何点かお尋ね致します。
 まず、県下における市町村の都市型水害の状況について把握されている内容と県の対策についてお尋ねするととに、これからの時代は、市町村が行う水害の抜本対策として、下流への雨水の流出を抑制する雨水調整施設の整備が欠かせないと思いますが、市町村単独では多額の費用がかかるだけに県事業あるいは補助事業として、例えば公園などの公共施設整備と一体のものとして対策を行うお考えはないか土木部長にお尋ね致します。
 先に申しあげた長野市の東部地区の都市型水害を解消するためには、長野市民病院西側の附近に大規模な調整池を建設するしか手だては無いと思いますが、長野市と連係した今後の検討を要望致します。
 浅川改修につきましては大変なご尽力を頂いておりますが、サンアップル西より下流についての早期改修と、浅川ダム本体の建設着手の見通しについてお尋ね致します。
 さらに、県庁舎や議会棟及び議員公舎、長野地方事務所等の雨水は、県庁南側の北八幡川に流入し、下流市街地での雨水流入もあり、11トンの能力がある平林調整池を経由しても、私ども地域で毎年水害が発生しております。そこで、これらの公共施設の雨水処理はどの様になっておられるかお尋ね致します。もし、対策が不充分であるとすれば、「そこにふった雨は、そこで処理する原則」を確立し、県基準である1時間雨量51ミリ基準により流出時間を抑制する雨水調整施設を整備して頂きたいと思いますが、総務部長のお考えをお尋ね致します。

小川土木部長答弁
 都市型水害については、まず、県下における都市型水害の状況と対策は、市町村で毎年発生する浸水等による水害は水害統計調査として水害が発生したつど市町村から報告頂き把握しており、都市部の水害もその中に含まれている。この資料は建設省で報告を受けた後、統計処理され全国の都道府県や市町村に資料提供され、河川に係わる各種計画を立てる際の基礎資料として利用されている。県における対策は、県が管理する一級河川の都市部における河川改修や上流部におけるダム、調整池等を計画的に実施している。雨水調整池を公共施設と一体で行う考えは無いかについては、既に学校や公園や地下調整池があるが、この様な場合は公共施設の管理者の専用許可を受けて雨水対策の事業者が建設している。
 したがって雨水調整池の機能を持つ施設を公共施設の管理者として実施することは制度上困難。主に市町村が事業主体となる雨水調整池の施設整備は、準用河川の河川改修事業、公共下水道などの補助事業を組み合わせて総合的な都市における浸水対策の推進となりますので、引き続き県として市町村を指導、支援して行きたいと考えている。
 浅川の早期改修とダム本体の早期建設着手については、浅川の治水対策はダムによる洪水調節と下流の河川改修を合わせた計画として、昭和52年度から実施している。浅川の改修については中小河川改修事業として平成4年までに、計画延長12.2キロメートルの内、下流から3.9キロメートルの改修を行いました。平成5年度からは最大の課題であります中流部の3キロに渡ります天井川部分の改修工事に着手して重点的に進めている。本年度この部分がおおむね完了するので今後はご指摘のサンアップル西の下流2.2キロ区間について改修を計画的に実施して行く。浅川ダム本体建設着手の見通しについては、現在ダム建設に必要な用地取得が完了し、付け替え道路も完了しており、ダム建設のための浅川の水を迂回させる仮排水トンネルもほぼ完成している。
 しかし、一部の方々に貯水池周辺の地滑りやダムの安全性について心配される方もおられるため、県では地滑りや地質、ダム構造の専門家による「浅川ダム地滑り等技術検討委員会」を設置し、委員会は公開をし、県の調査や対策などの計画が十分であるか審議頂いており、ダム建設の見通しはこの委員会での審議を頂いた上で判断してまいりたい。

花岡総務部長
 県庁等の雨水処理については、ご指摘のように県庁等に降った雨は県庁南側の北八幡川に流れこんでいる。県庁の雨水対策は従来から植え込みや花壇の面積を確保し地下浸透をはかっている。昨年完成した西庁舎でもそうした配慮とともに、地下3階に160トンの貯留槽を作りトイレの洗浄水に利用している。さらに本館の北側のいこいの広場の復元にあたり、雨水の地下浸透の構造を実施した。今後も都市型水害を防ぐために、庁者の改修等の祭には雨水対策に十分配慮したい。


コンピュータ西暦2000年問題の内、県内医療機関の対応について

竹内質問
 次に、コンピュータ西暦2000年問題の内、県内医療機関の対応についてお伺い致します。
 政府は、平成10年9月に「高度情報通信社会推進本部」を設置し、「コンピュータ西暦2000年問題に関する行動計画」を決定致しました。
 その概要は、国及び地方公共団体における必要な措置の実施、金融・エネルギー・情報通信・交通及び医療の民間重要5分野を中心とした徹底した対策を推進すると、されております。
 これを受けて、厚生省では本年8月に対策室を設置し、全国の重点医療機関等を中心とした医療機関に対する要請・指導を行うともに、各都道府県に対して医療機関に対する必要な指導の徹底を要請したとお聞きしております。
 2000年まで余すところ僅かとなりましたが、厚生省は12月6日、全国の重点医療機関2、292施設の対応が全て完了したと公表致しましたが、2000年問題について県内の医療機関に対する県の指導状況と医療機関の現状、さらに医療分野における県の越年時体制について衛生部長にお伺い致します。

畑山衛生部長答弁
 医療分野や民間重要5分野の一つに位置付けられている。
患者さんの生命、健康への影響を可能な限り防止することは、医療機関おのずから果たすべき責務であり、県は医療行政の最重要課題として取り組んで来た。昨年10月、県内の全ての医療機関に対し医師会と連係をして2000年問題の周知と模擬テストを含む自主的な総点検の実施を要請した。さらに県内の医療用具製造業者に対して、機器の安全確認等を適切に対応を行うよう要請した。
 また、今年6月には、国の定めた基準により問題が発生した場合に患者の生命、健康への危険度が高い緊急救命センター、災害拠点病院、集中治療室等を有する医療機関などの県立病院を含む県内28を重点医療機関として選定し、機器管理計画の策定などを指示した。その結果本年11月末、県内最重点医療機関の取り組みは全て完了した。
 また、越年次体制については、厚生省の対策本部に合わせて、平成11年12月27日から平成12年1月5日に渡り、本庁各保健所、県立病院に職員を配置するなど医療機関の傷害発生時における情報連絡に備える。


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