9月定例議会一般質問    2002.10.4(持ち時間20分)


 私は、先の知事選で田中知事が示した公約を拝見して、多くのことが掲げられていますが、どのような県政の方向と姿を模索して行くのか、その基本的な柱は何にか、考えました。
 この点、田中知事は、議案説明の中で「県政運営に関する基本的な考え方を、今後の施策展開に反映し、具体的でわかりやすい長野県の将来像、あるべき姿として提示すべく、経済学者である宇沢弘文氏ら有識者のご意見を求めながら、現行の長期構想、中期計画に代わる中長期的なビジョンを策定してまいります。」と述べています。
 おそらく、この中で「あるべき姿」が具体的になってくるものと思いますが、私も、何かのヒントがつかめるのではないかと思い、知事の推薦する宇沢・東大名誉教授の「社会的共通資本」を拝見しました。
 この本には、「新しい21世紀への展望を開こうとするとき、もっとも中心的な役割を果たすのが、制度主義の考え方である。」「制度主義は、資本主義と社会主義を超えて、すべての人々の人間的尊厳が守られ、魂の自立が保たれ、市民的権利が最大限に享受できるような経済体制を実現しようとするものである。」とした上で「ゆたかな社会とは何か」と問い、それは「各人が、その多様な夢とアスピレーションに相応しい職業につき、それぞれの私的、社会的貢献に相応しい所得を得て、幸福で、安定的な家庭を営み、安らかで、文化的水準の高い一生をおくることができるような社会を意味する。それはまた、すべての人々の人間的尊厳と魂の自立が守られ、市民の基本的権利が最大限に確保できるという、本来的な意味でリベラリズムの理想が実現される社会である。」このような社会は「どのようにすれば具現化できるのであろうか。社会的共通資本を中心とした制度主義の考え方によって理想的な経済体制を特徴づけることができる。」としています。
 宇沢氏はこの理念に基づき、農業と農村、都市、学校教育、医療、金融制度、地球環境等について具体的に分析しているのですが、農業と農村の分析では牧歌的なイメージが沸き思わずトマス・モアの「ユートピア」を思い出しましたが、地球環境の分析では、高い市民意識(成熟した市民意識)を前提として「環境税」を提言していることに私も同感しました。
 しかし、制度主義は、職員の皆さんや議員の理解、そして実行する強い行政力、そのことを支持する住民、がいなければ成り立ちません。また、何よりも重要なことは、県内でも製造拠点が海外へ転出し多くの県民がリストラされている状況に見られる様に、現実の資本主義経済の中での国際的寡頭競争の原理をどう克服するのかという課題が残ると思うのであります。
 私は、この本を拝見し、そして田中知事の公約から感じたことは、その理想郷に向かって、どの様な施策を行い、どの様なプロセスで進むのか、県民に確かで安心出来る道筋を示すということです。
 この点、私は、当面、徹底した分権時代の行政と県民の役割の明確化など、市民自治を柱とした、基本的な自治の「あるべき姿」を示すことが一番の課題と思います。

 現在の日本の自治の在るべき姿を、従来の中央集権的な慣習から改革し、真剣に模索しながら確実に推進しているのは、田中知事誕生以前に改革を行ってきた知事であり、その改革の実績は評価され全国の自治体に広がり、今や、国政も自らその手法を取り入れなければならない、状況を作り出しております。
 そして、これらの知事に共通する視点は、地方分権は明治維新以来の改革であり、生き生きととした市民自治を確立するには、一番住民に身近な地方に財源も含め、さらに権限を移譲すべきであるということです。さらに、これらの知事は、そのために連携を図り、徹底した国への働き掛けを行い、しかも、独自の税や近隣県と共同した税の模索、あるべき地方分権のシュミレーション、代替案まで示しております。
 私は、国の改革を視野に入れ、着実に改革を行っている、これらの知事の視点と姿勢を支持します。なぜかと言えば、分権時代の「市民自治」の確立に向かって徹底して改革をし、挑戦している姿が分かるからです。
 その意味で田中知事が公約で、県民憲章条例の制定や住民投票条例の制定を掲げたことは、今後、長野県も市民自治の在るべき姿を模索する姿勢わ示したと思い評価するものです。 

 以上、私の考を申し上げ、質問を致します。

 まず、地方分権について知事に伺います。
 今、述べました様に、長野県の改革に向かって柱に据えるべき方向は、県民に一番身近な市町村において、より住民が生き生きと自らの生活を選択できる「市民自治」を確立することだと思います。そして、そのことを実現するためには、国に対しても批判のみならず、あるべき姿のための代替案を提示して対策を求める時代だと思います。
 この点、市民自治の基本は発達した地方分権の姿であるということについて、また、今後の県政運営において、そのことを中軸に据えて改革を行って行かれるのか伺います。

 ご存じの通り、地方分権推進法が制定されてから、財源の移譲や各種国の既得権の存続、中央集権的な合併推進の国の姿勢に対して、新たな真の改革を求め代替案も含めた、提案を行っている県があります。
 例えば、岩手県の場合、「地方分権を推進する際には、国と地方が同じテーブルに着いて論議を深めていくべきであるとし、地方側の試案の一つとして「あるべき地方の姿」(岩手県からの提言)をまとめています。
 その内容は、地方分権に向けた行政システムの改革、国と地方の役割分担、都道府県の行方、基礎自治体の在り方、広域連携から道州制へ、税財源のあり方、など、正に分権時代に進むべき姿が描かれています。
 また、三重県、千葉県などは地方分権のもとでも県の在るべき姿や県の権限を市町村に移譲するための検討を行い、県独自の「地方分権推進計画」を策定しています。
 長野県においても地方分権のもとで「あるべき姿」を描き県民に示すことは改革を推進する上で極めて重要なことであると私は思います。
 そこで、「中長期ビジョン」策定過程で、現在検討を行っている行財政改革の在り方とあわせ、地方分権を達成する上での県の位置づけと役割、市町村への権限移譲について具体化する、これを言うと各議員にご批判を頂くかも知れませんが、「検討委員会」を市町村長代表も含めて設置するお考えはないか、お尋ね致します。
 また、その検討結果を踏まえ、「長野県地方分権推進化計画」を策定し、今後の在るべき姿を県民に示すべきと思いますが、お考えをお尋ね致します。
 さらに、本県が将来進むべき方向として周辺県との連携を通じた「連邦制」について、知事の個人的見解をお聞かせ下さい。
    
 私は地方分権とともに、本県が進むべき方向を示し、そのための自治の在り方(ルール)を定めることは、今後の地方自治が「市民自治」へと発展して行くために大変重要なことと思います。
 その意味で、知事か公約した「県民参加の在り方を定める」(仮称)「長野県市民憲章条例」の制定を、注目しています。
 知事の言う「県市民憲章条例」とは、私なりに解釈すると、自治体としての憲法に該当する「自治基本条例」的なものであると思っています。
 北海道ではこの9月議会に「行政基本条例」が提案されましたが、その前文には分権時代にふさわしい「道政運営の全般にわたる指針(ししん)として、基本となる理念及び原則を明らかにすることにより、新しい時代に対応した道政運営を確立し、道民及び市町村と一体となって、活力に満ち、ゆとりと豊かさを実感できる北海道を築いていくため、この条例を制定する。」とあります。
 そして、「道政が道民の信託に基づくものである」こと。「道民の参加を推進する」こと。「市町村との対等な関係の下に、市町村と連携協力を図る」こと。「重要な課題に関し、広く道民の意思を直接問う必要があるときは、別に条例で定める、道民による投票を行うことができる」こと。などが規定されています。
 この他にも県や市町村において、それぞれ名称は違いますが、既に制定されたり、広く住民から意見を募りながら策定中の自治体が増えて来ています。
 まず、知事に伺いたいのは、公約した「県市民憲章条例」は、北海道の様な自治基本条例的な性格のものと解釈して良いか。また、この条例には自治の在り方として、県政の目指すべき方向や、県民参加、市町村との連携、情報公開、事業評価などの基本的課題を県民参加のもとに定めて行くべきと思いますが、制定に当たっての基本的な考え方や策定の手法をお尋ね致します。 

 次に、「住民投票条例」と「市民憲章条例」との関係について知事に伺います。
 私は「住民投票条例」の制定について、直接自治体が民意を反映するとともに、「観客(かんきゃく)民主主義」から「直接民主主義」或いは「間接民主主義」に県民が参加し、「市民自治」を確立していく担保的役割として、賛成致します。
 しかし、議会答弁で、この2月の制定を目指すとしていますが、「住民投票条例」を行政側から提起する場合は、より高い「市民自治」を確立して行くためにも、私は上からの押しつけでなく、「市民憲章条例」と同じく条例作成過程から県民参加のプロセスを重視することこそが問われると考えます。
 この点について、県市民憲章条例の策定過程とともに県民参加の手法で検討し、県民とともに策定すべきと考えますが、お考えをお尋ね致します。

 次に、「住民投票条例」の対象についてですが、これまで全国で市町村も含めて住民投票が行われているテーマは、原発・産廃・市町村合併・米軍のヘリ施設建設・採石場の建設と拡張・可道堰の建設等であり、県的には沖縄県の米軍基地の縮小整理についてであります。
 また、住民が直接請求をしましたが議会等の否決により実施されなかった課題は、今挙げた課題以外に、空港・ゴルフ場・臨海副都心・公園・道路・病院などの公共施設の建設・住民参加条例・絵画の買い取り・場外馬券場売り場設置・議員定数の削減・万博の開催などがあります。
 この課題について、全国で始めて常設型の「条例」を行政側から提案し制定した高浜市は、その目的で「市政運営上の重要事項に係わる意思決定について、市民による直接投票の制度を設ける」とし、定義で、重要事項を「市及び市民全体に直接の利害関係を有するもの」とし、「もっぱら特定の市民又は地域にのみ関係する事項」は除外しています。
 また、その説明文では「投票を行うことが妥当でないと明らかに認められる事項」として、「さまざまな視点で長期的な検討をする必要があり、多くの可能性や選択肢があると考えられるため、すぐに結論を出すことが難しいと認められる事項、」「非常に高度で専門的・技術的な内容であるため、一般市民が賛否を判断することが困難であると認められる事項」など4点をあげています。
 さらに、これは余談ですが、発議については市長、発議請求は市民及び議会としています。
 この投票を行う課題の選択は、高浜市の場合は市長に委ねられる訳ですが、非常に難しいケースも今後ありうるのではないかと私は思います。
 この点、住民投票立法フォーラム事務局長の今井一(はじめ)氏は、知的障害者の施設等の是非を例に、「社会的弱者や少数者を保護するために住民投票に掛けてはいけないテーマを設けるべきなのか、それとも一切限定せずに主権者である市民の叡知(えいち)に全てを委ねたほうがよいのか、議論が分かれる。もし、多くの住民が自分のことだけはなく、他者への思いやりを持ち、社会全体の利益を考慮して一票を投じるというのであれば、基本的にどんなテーマを住民投票にかけても問題はないが、その高みに達していなかった場合には、多数者が少数者を抑圧するための手段になってしまう可能性がある。また、迷惑施設をどこかの町や村に設置するのに、この是非をどの単位で問うのかということも疑問だ。住民投票を実施する単位によっては、出される結論が大きく変わってくる可能性がある。」として、「民主主義の本質は多数決ではなく、ヒューマニズムの確保である。住民投票を実施さえすれば民主主義を実現できるという考えは幻想でしかない。間接民主制において議員が時として民主主義を損なうように、直接民主制においても市民が過ちを犯す可能性は当然ある。」と述べています。
 つまり、住民投票の課題の選択には、社会的弱者や災害弱者などへの影響や、市民自治を高める手法としてのみでなく、その熟度をも見極めなければならない判断もあると私は思うのです。
 その判断は、第3者的機関を作って行うのか、最近合併問題である自治体が行った様に、住民投票になじむ課題であるかどうの住民投票を行うのか、この様なルールづくりは絶対的に必要なことだと、私は思います。
 知事はこの点について「神戸市民投票を実現する会」の代表として「住民の住民による共産党のためでも 社民党のためでもない 新住民投票論」を発表し、その中で神戸空港建設の是非を問う住民投票は「他の自治体の居住者に対して何ら迷惑を掛けない住民投票です。産業廃棄物処理を巡っての住民投票とは、この点で大きく異なるのです。環境問題に多大なる関心を払う向きも、冷蔵庫や自動車を買い換える際、自前での百パーセント処理は不可能です。消費社会に生き続ける限り、産廃処理施設は必要悪なのです。然れど、我が家の近くに出現するのはご遠慮願いたい。日頃、国民の責務を声高に語る向きとして、否定し得ない気持ちでしょう。住民産廃投票とは、少なからず身勝手な玉突きゲームでもあるのです。」と述べています。
 知事は今議会での答弁で「県全域に影響を与える課題」としながら、「迷惑施設も良い方向へ意識が変わって来ている」という様な答弁をしていますが、以上、私の述べた見解と疑問点も踏まえ、具体的にどの様な課題を想定しておられるのか。 また、産廃施設の是非については含まれるのかお尋ね致します。
 
 次に、独自課税とミニ県債について、知事にお尋ね致します。
 知事は選挙公約で愛県債としての「脱ダム債」を掲げていますが、私は、「地球温暖化対策条例」「森林保全条例」の制定など環境を重視する施策を実行するのであれば、もっと広い視点から、「環境愛県債」などを公約し、その中に「脱ダム」を位置付けるべきではなかったのか。また、県民の足と環境を守るための「公共交通愛県債」などの発想も必要ではないかと思うのです。
 さらに、5月に「信州・地球温暖化対策研究会」が知事に提言した内容にもあります様に、一連の施策を実行する裏付けとして、県独自の環境税導入を公約すべきではなかったのかと思います。この独自課税としの環境税導入は、スウエーデン型社会を目指す知事とすれば、県庁内部で検討した案を住民投票に付するに相応しい課題だと私は思っています。
 これにの課題について、お考えをお尋ね致します。

 次に、県財政の健全化と行財政改革について知事にお尋ね致します。
 県は、財政再建団体への転落を回避するため、近くその「プログラム」を示すとしています。
 しかし、私は、「県財政再建方針」の15年度と16年度の税収見通しが経済諮問会議で国の示した、0.6%と1.5%の数値で試算されており、本県の景気の実態を考えると見通しが甘いのではないかと思っています。
 今後示す、財政再建プログラムでは、最悪の状況も想定し、前年度横並び、或いはマイナスの場合も想定した、試算による収支のケースを示すべきと思いますが、お尋ね致します。
 また、行財政改革は、痛みの伴う課題だけに職員の皆さんの理解と士気を尊重する必要であり、その意味で上からの押しつけでなく、三重県の様に労使の話し合いによる、職員の皆さんの仕事や、県政改革に対する思いなど、アンケート調査を実施して意見を反映すべきと思いますが、お尋ね致します。

 次に、外郭団体の見直しについて、知事にお尋ね致します。
 まず、現在、県からの派遣職員が287名ですが、団体によっては法令で規定する以外でも、多くは派遣職員が大半を占めている団体があり、県直轄で行うべき事業があると思います。
 また、基金により設置された団体で、低金利時代となり基金を一般会計に繰り入れ、或いはそのままにして、県直轄で行っても効果がより有効に維持できる団体もあると思いますが、お尋ね致します。
 また、外郭団体への県職員派遣やOBの天下りは、結果として、プロパー職員のポストを減らすなど、職員の士気に影響を与えている場合もあり、派遣や天下りを削減すべきと思いますが、お尋ね致します。
 さらに、団体によっては派遣職員が管理職ポストを複数兼務し、結果としてプロパー職員のポストを減らす結果となっている場合も見受けられ、見直すべきと思いますが、お尋ね致します。

 最後に、浅川・砥川に関する、「枠組み案」についてお尋ね致します。
 知事の示した「枠組み案」を受けて、対策推進本部を設置して作業をしているところですが、流域対策・利水対策検討の進捗状況について、各班長を担当する企画局長と衛生部長に、それぞれお尋ね致します。
 また、浅川・砥川の代替案が策定され、地元同意と国の認可、そして補助金が得られ、対策が完了するまで多くの年月を要すると思われますが、その間、もし洪水が発生した場合も想定し、早急に浸水想定区域図を作成し流域住民に周知する必要があると思いますが、知事にお尋ね致します。

以上で、私の一回目の質問を終わります。
(質問持ち時間20分中・残り1分45秒)
田中知事
 竹内議員のご質問にお答え致します。
 まず、地方分権に関しての部分でございます。
 改めて申し上げるまでもなく、「地方分権は一つ一つの地域、一人一人の住民が自らの責任のもとに自立的に地域の将来や、政策のあり方を判断して行動していく社会を構築して行くことである」と、このように考えておりまして、これは行政の仕組みのみならず、社会の構造そのものを、正に、中央集権的なものから180度転換していくということであろうと、これが新しい時代においては欠かせない枠組みの構築であると考えております。
 県政においても、分権型社会の理念、あらゆる政策の根底に据えて、県政改革に取り組む訳でございます。
 地方分権の推進を検討するための組織については、県と市町村の行政・財政を巡る様々な課題に関し、市町村会を代表する市町村長の皆様と意見交換を行う場として、本年4月に「地方分権の時代における県と市町村のあり方」懇談会が設置されております。こうした場で権限移譲を含め、県と市町村のあり方というものを忌憚(きたん)なく幅広く検討して参りたいと思います。
長野県地方分権推進計画を策定してはどうかというご提案でございます。
現在、行政改革として検討を進めている県組織の見直し、組織内あるいは市町村への権限移譲(いじょう)、県と市町村の人事交流や職員の意識改革などは地方分権の実現と大きく関わって参ることでございます。これらを一体のものとして、仮称として「新たな行政改革大綱」という形で、体系的に取りまとめて行きたいと思っております。
 現在の行政課題は、環境問題や観光の振興、地域づくりなど、あらゆる面で広域化している訳でありますので、市町村や県の境界を超えた会話は勿論、広く言えば地球規模での対応が求められている課題も少なくない訳でございます。本県は岐阜・山梨・長野の3県が共同して様々な共通課題に取り組む「中央内陸県連合」や、愛知県・静岡県とともに民間の皆さんも参画した三遠南信地域における広域的な地域づくりなど、隣県と連携した取り組みを進めてきております。
 連邦制と呼ばれるものは、各々の邦(国でございます)が、独立した主権を持つ真の意味での地方、地域主権もいえる仕組みでございまして、これは、道州制とは異なる訳でございまして、この場合においては、憲法上の議論というものも行わねばならないところだと考えております。
 仮称としての「長野県市民憲章条例」といわゆる住民投票条例に関しての部分であります。
 本格的な分権型社会を迎えて、分権社会を担うに相応しい自治体として、私は、県政運営の理念や基本原則等を明らかにする仮称としての「長野県市民憲章条例」の制定が必要であると考えているわけであります。
 市民憲章条例とは、日本国憲法がうたう、地方自治の本旨をどのように捉えるのか、長野県として具体化するものでありまして地方自治のあるべき姿を示すものとこのように考えております。
 情報公開・県民参加等のこれまでの取り組みについても条例で明文化・体系化をし、今後の県政運営の指針とできればと考えております。条例に盛り込みます具体的な事項に関しては、これはまさに広範に県民の意見をお聞きし、検討を速やかに行っていくことだと考えております。
 住民投票に関しましては、その対象は一般的に長野県全体に共通し、将来にわたり、長野県全体に影響を及ぼすことが想定される重要な課題でありまして、また、選挙権を持たない18歳以上の県民も含め、直接県民の意向を確認する必要があると認められる案件と、このように考えております。
 現在のところ、特定のテーマというものがありきで考えている住民投票ではございません。住民投票の対象等制度の枠組みについては、長野県における住民自治のあり方を定める、仮称としての先程から申し上げている「長野県市民憲章条例」と合わせて、今後、速やかに検討して参る訳でございます。
 ミニ市場公募債に関しての部分でございます。
 私が、「脱ダム債」の起債対象事業に想定しておりますのは、まさしく、コンクリートのダムによらない水直しのための事業でございまして、当然のことながら、これらの事業は、環境に負荷を与えない事業という側面もあるわけであります。こうした考えのもと、またこれら事業に充当する財源を調達するうえで、広く知られるところとなりました「脱ダム」ということばを関しての「脱ダム債」という名称の住民参加型「ミニ市場公募債」の発行を考えているわけでございます。住民参加型「ミニ市場公募債」については、既に発行されている他県等の例をみましても、対象事業は様々でございます。対象とする事業内容を検討し、その事業により県民の皆さんの県行政への参加、意識の高揚などか図れるのであるならば、今後「脱ダム債」以外のミニ市場公募の発行も可能ではあろうと考えております。また、この「脱ダム債」も含めまして、真に全国の改革をリードする、また、大変美しい場所を有し、すばらしい農作物や、また、すばらしい県民性を有する長野県に関心をお持ちの、また、長野県の改革をご支援下さる、県内外・国内外の方々にもご参加をいただける公募債であろうと考えております。
 環境税に関してでございます。
 本県の独自課税については、既に議場でもお答え致しましておりますように、導入を前提とした検討を行っている訳ではございませんが、地方自治体としても政策目的の達成という観点から、この税のあり方を検討することには、大きな意義があると捉えております。他方、環境税については、地球温暖化対策長野モデルでも提言されているところでございますが、国レベルにおけるエネルギー政策や、既存のエネルギー関連税制との整合性を図ることが必要であります。こうした中では、国の動向を注意しながら、今後、幅広く検討を加えて参りたくと思います。
 中期財政試算の税収見通しに関しての部分でございます。
 4月に策定致しました財政改革基本方針では、国の「経済財政諮問会議」がまとめました構造改革と経済財政の中期展望で想定する経済成長率平成15年度0.6%、16年度以降1.5%を前提として、県税・地方交付税等の歳入の見込み、中期財政試算を行っております。今後の県財政の状況を想定するうえでは、一定の経済社会の姿を前提とする必要がございますので、政府の示したこの経済成長率を前提として試算を行い、発生する財源不足を解消するための財政改革の具体化を検討しております。ご指摘のとおり、今後の経済状況により、経済成長率は変動致しますので、国においては中期展望を毎年度改定することとしております。本県においても、今後、社会経済情勢の変化に対応して、中期財政試算を見直して参る所存です。
職員向けアンケート調査に関してでございますが、
 今回の行政改革・財政改革では、職員の主体的な参画が不可欠と考え、お尋ねの職員アンケートにつきまして実施を予定しております。このアンケート調査により、職員の行政改革や人事制度等に対する問題意識を把握し、行政改革に対する動機付け、自らの業務を振り返る、そうした機会作りの一助とするとともに、また全体としての有効な解決策を共に見い出していく営みにつなげたく思っております。なお、過日開催されました行政機構審議会においても、職員の主体的参加の仕組み作りを行う必要があり、職員アンケートについても積極的に進めるべきとの意見を頂戴しております。
 外郭団体の見直しにつきまして
 団体の事業を県直轄で行うか、外郭団体がその役割を担うのかの前にまず、団体の役割や機能を原点に立ち返って、検証し、その事業が県民益への観点から必要であるかどうかを検討をして参ります。事業が必要であるならば、次のステップとして県・市町村・外郭団体・民間・NOPあるいは県民という、社会を支える多様な主体の中で、どこが役割を担って行くことが効率的であるかという、検討を進めるべきと考えております。法令上、事業によっては特定の団体のみが行う仕組みとなっている場合もございますが、これらの団体も含め、今述べました基本的な視点に立ち、県以外の出資者等にも配慮したうえで、こ提案の県直轄にすることも選択の一つとして検討すべきかと考えております。
 なお、個別具体的にご示唆をいただける場所があれば、忌憚ないご指摘を頂戴するところを望むところでございます。外郭団体への職員派遣・OBの再就職、派遣社員の派遣先団体でのポストについての各々の団体からの要請に基づき、専門的知識や技術力などを持った人材の必要性や一時的な事業量の増大への対応など、団体ごとの個別事情を勘案し、団体への支援の一環として派遣をしてきた経緯がございますが、もとよりプロパーと呼ばれます、生え抜きの職員の方が誇りと意欲を持って働ける職場作りが重要でございまして、県の人的関与は基本的にはできうる限り、縮小する方向が望ましいと考えております。外郭団体の自主性を尊重し、その自立的・効率的な運営を進めることが今後の外郭団体の見直しにおける大きな柱になると考えておりますが、この見直しの中で今後の職員派遣等のあり方についても行政機構審議会や県民の皆さんの意見も充分にお聞きしながら検討をして参りたいと思います。
 この点に関しても、個別具体的なご提言があればお寄せ頂きたいところでございます。
 浅川・砥川の枠組み案に関してのご質問の部分でございます。
 長野県治水利水ダム等検討委員会の浅川・砥川の答申においても、危機管理体制の確立やハザードマップの作成がうたわれているところでございます。洪水ハザードマップの基礎データとなる浸水想定区域図の作成に関しましては、具体案の策定過程において流域対策班が中心となり、検討するところでございます。
 以上でございます。


企画局長
 浅川・砥川の両河川は2000メートル級の山岳に源を配しまして、山間部を流れ、中下流部には農業地域や土地地域が広がり、それぞれ、千曲川・諏訪湖に流れ込んでおりますが、また、流域の土地利用をみますと、各々に異なった利用形態を示し、地質や土壌にも各々に特性があることから、治水のメカリズムも異なっているようでありますし、また、洪水の歴史も河川ごとの特色がみられます。流域対策はこうした状況の中で新しい領域に含んだ対策でもあります。このため、流域対策の検討事項には上流部の森林整備に始まり、水田での貯留、路面等での地下浸透など広範で多様な対策が、河川ごとに求められています。そこで、実効性のある対策を作成するために現地機関を含め、29の関係箇所により、流域対策案を構成し、更に検討分野ごとに6つの分科会を設けまして、現在、検討を行っているところであります。
 分科会の検討事項について申し上げますと、森林や農地、都市部の雨水を河川に流出させないための流出抑制対策と致しましては、針葉樹と広葉樹の   林の造成,除旱魃や植林の推進、保安林の指定などの、森林整備、2つ目は溜池の活用による貯留や水田での貯留、3つ目は雨水の地下浸透、公共施設等での貯留や雨水調整池の利活用といったところで取り組んでいるところでございます。また、一旦、河川に流出した水を他に流したり、溢れさせたりする、すなわち、今議会で調査費予算をお願いしてあります流水池やバイパス水道の開設による流水等の対策、更には住民への迅速・効果的な情報伝達手段や救急応急活動対策への整備などを行う超過洪水対策の検討を行っているところであります。
 これらに加えまして、総合調整研究の分科会を設けまして、目標達成に向けまして土地利用規制の検討の他、各多方面に提案を求めまして出された新しいアイデアの実現等の可能性を大学の専門家にアドバイスを頂きながら研究を進めておるところであります。こういった検討をできるだけ精力的に進めまして、中には性格上、検討に相当の時間を要するものも予想されますが、特に河川整備計画に反映するような対策につきましては、     
効果や財源なども吟味し、可能な限り、早期に具体案を示したいと考えておるところであります。
 以上です。


衛生部長
 お答え申し上げます。
 利水対策の進捗状況につき、一例でございますが、利水班におきましては、7月下旬から「長野県治水利水ダム等検討委員会」、「利水ワーキンググループ」報告書に記載された水利用計画について、認可基準に示された水利用の推計方法等に基づき、精査検証を行ってきたところでございまして、その結果、予測値は概ね妥当であると受け止めております。また、利水対策を検討するためには、水道事業者である関係市・町の協力が必要なことから、水利用の予測値については新たな取水量の整理、新和田トンネル湧水の取水の可能性については、湧水の所有権、砥川の水利権、漁業権の整理、地下水の汚染対策については水源開発、汚染データの資料収集など、関係市・町と協議すべき課題について、利水班に関係課の係長レベルによる作業グループを設置し、現在検討を進めております。更に新和田トンネル湧水の水量・水質については、岡谷市・下諏訪町における利水対策を検討するうえで、必要な事項であることから、「長野県治水・利水ダム等検討委員会」の要請を受けて行った水量・水質調査を昨年度に続き、土木部において、継続して実施しております。今後の見通しについてでございますが、取水量・水源の必要性等の水事情に関する利水対策につきましは、先程も申しあげましたとおり、関係市・町の協力が必要でございます。従いまして、利水班と致しましては、対策推進本部において調整したうえで、関係市・町のご協力をいただきながら、先の代表質問で知事がお答えしましたように可能な限り、早期に具体案をお示しできるよう、努力して参りたいと考えておりますのでお願い致します。
 以上でございます。


竹内議員
 3点再質問致します。
 まず、条例制定、県民憲章条例そして投票条例この2つ互いに整合性を保ちながら、一緒に検討していくとことでございました、ただ先の答弁であるいは新聞報道で、2月には投票条例は作りたいと、こういう表現があったわけです。私が先程申し上げましたのは、先程知事の答弁では、広く県民の意見を聞きながら制定していくんだ、という話でした。ただ、県民の参加をうたう条例というものについては、やはり、県民の皆様が作成過程で具体的に関わっていくということが一番前提にあって、私はそのことを尊重することが一番大事だろうと思います。その意味で手法とかやり方についてはどんなことを考えているのか、答弁ございませんでしたので、例えば、県議会で今やっている男女共同参画はフォーラムとか、そういうものを開催して県民の意見を吸収する、そういう手法をとっているわけですけれども、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 それから、浸水区域予想図について、いつごろを目途として対応していくのか、についてもお聞かせいただきたいと思います。
 それから、枠組み案についても検討しているとのことですが、可能な限り、早くという答弁でございました。この対策本部設置のスタート時点で、時期についてはある程度時期を区切っていわゆる論議されて今検討されているのかどうか、それから、推進本部自体は今まで何回開催されてきたのか、そして、今6つの分科会と言われていますけれども、それぞれ班の中の作業についてはですね、どんな頻度で開催されて検討が行われているのか、この点について重ねて質問し、終わりたいと思います。


田中知事
 お答え申し上げます。
 まず、一番目の点の県民のご意見を聞くと、県民のご参加をいただくという形ですが、これは既に県民が意見を述べるあらゆる形というものを前任時代の1年9か月の間もあらゆる形で県民の皆さんの意見をいただくという環境設定に努めてきているわけでありまして、また、それは市町村や議会の方々にも公約に掲げているような様々な機会があるわけでございまして、こうしたあらゆる機会を通じてお伺いをしていくということであります。
 また、ハザードマップの点に関してでございますが、これは基礎データとなる浸水想定区域図の作成について、具体案の作成過程で流域対策班が中心となって検討し、その中においてまた検討されるということであります。私は7月5日に不信任案を出されまして、15日夜をもって失職しておりまが、その間、治水利水の本部会議自体は一度開かれているということでございます。
 以上であります。


企画局長
 進捗状況について、各々分科会・ワーキンググループがどういう調査・検討に入っているかというお尋ねでありますが、推進会議はただいま知事の申しあげたとおりでありますけれども、分科会につきましては、まず、その新しい多彩なものを盛り込んでおりますから、6つの分科会の代表者が集まって、まず、問題点の共通の認識をとるための会議を行いました。それから、次には、期日は正確に申しあげられないですけれども、ワーキンググループの関係者が集まって、これからの作業の考え方についての会議を行いました。私もそれに出席して挨拶等申し上げております。それからその後、今回の予算の中で申しあげておりますが、中でも流域対策の中で定量化が検討されうるものの代表のものと致しましては、湧水、それからバイパス水路の問題につきましては、可能性について今回の予算に計上したところが一つの組み込んだところではなかろうかと思います。
 それから一つは、分科会・ワーキンググループありますけれども、農地、農業の関係についても、既に検討が始まっておりまして、特に浅川の場合には、上流部に溜池がたくさんございまして、溜池の問題について、更に貯水量・流量の可能性があるかどうかの検討に着手している段階であります。更に、これから、ワーキンググループ各々活発な活動を展開していきたいと思っておるところであります。
 以上でございます

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