6月定例県議会
竹内久幸
2000/6/27

「長野県版エンゼルプラン」の策定について

竹内質問
まず、「長野県版エンゼルプラン」の策定について、吉村知事にお尋ね致します。
 近年の少子化の進行は、子供の健やかな成長に対する影響、経済への影響、社会保障への影響などが懸念され、深刻な問題となっております。国においては、総合的な少子化対策として、昨年12月、従来のエンゼルプランを改訂し、子供を持ちたい人が安心して出産や育児が出来るような環境設備をするための新エンゼルプランを策定したところであります。
 国は、少子化対策推進基本方針の中で、「地方公共団体においては、少子化対策の計画的な推進を図るなど、地域の特性に応じた施策を推進するものとする」としております。
 この点につきまして、私は2月定例県議会において高齢者対策と並び重要な課題である少子化対策の推進に向けて長野県版エンゼルプランの策定を提案致しました。そして、当面は、第2次中期総合計画の中に国のプランの主要な項目は盛り込んで、課題に取り組みたいということでございました。
 国の新プラン策定時期が12月で新年度予算編成時期であったり、新プランが保育施策を中心とした旧プランに、医療、教育、労働など幅広い分野が加わり総合的なものとなり、関係部局との調整などに時間を要する課題もあり、即対応するこが難しいという意味で理解出来るところであります。
 しかしながら、第二次中期総合計画に盛り込まれたとは言っても、各分野に分散しており、国のエンゼルプランで掲げた医療、教育、労働など全体像が、県民にとって見えにくい点があろうかと思います。
 子育て支援施策は、社会全体で取り組むべき課題でありますので、まとまったプランとして、行政、企業、地域社会を巻き込んで、施策を展開したほうが、より効果的な取り組みが期待出来るのではないかと考えます。
 そして、国のエンゼルプランにただ沿うのではなく、本県の実状にあった子育て支援施策を進めることが重要であると考えますが、長野県版エンゼルプランの策定について知事の所見をお伺い致します。

知事答弁  
エンゼルプランについての、ご質問でございます。
 子供達が健全に育つことは、長野県はもちろん国あげての大きな課題であり、私ども真剣に取り組んでいるところでございます。国におきましてはエンゼルプランという形で、平成7年に策定致しました。今回第2回目のエンゼルプランを、昨年末に作ったということでございます。 
  県としては中期計画の中に子供達のたちのためのそれぞれの施策を盛り込んでおりまして、今回の第2次の中期計画におきましても様々な施策を織り込んでいるところでございます。例えば育児休業制度の普及定着、あるいは雇用環境の整備、保育サービスの充実、児童クラブ活動の支援等、青少年の健全育成、カウンセリング等による教育指導の実施等、というような施策を掲げている訳でございまして、そういった面におきましては国と同様な内容で子供達の健全な育成をはかっているということでございます。 
  いずれにしてもお話ございしたように、この問題は単に社会部というこではなくて商工部あるいわまた教育委員会、様々な分野に渡っておりますので、なかなかおっしゃる様に分かりにくいということもあろうかと思いますので、国でも計画が出来ましたので県としても新しい長野県版のエンゼルプランという形で計画してまいりたいと考えております。 
 この計画策定にあたりましては、中期計画につきましても県民の皆さんから色々なご意見を頂いて作って来た訳でございますが、さらに新しい計画につきましては児童環境作り推進協議会、さういったところから色々な提言を頂くと同時に、ホームページであるとか、あるいはまた県民意識の調査、こういったことをやりまして県民の皆さんのご意見を十分うけたまわって新しいエンゼルプランを県としても作ってまいりたいと考えております。
 

保険サービス利用者と支援事業者への実態調査の実施について

竹内質問
次に、介護保険制度について社会部長に何点かお尋ね致します。
 4月からスタートし3ヶ月が経過しようとしている介護保険制度につきましては、様々な問題点も指摘されておりますが、この制度をより良い制度にして行くためには、現時点での問題点は何かを絶えず整理し、県として改善出来る点は県が、市町村が改善出来る点は市町村が、そして、国に対して改善を求める点は積極的に求めて行くことが問われていると思います。
 そのためには保険者である市町村が現場の実態を把握し、より具体的に問題点を整理することが求められております。
 既に、サービス利用料一割負担から利用を抑制しているケースや、ショートステイ枠への不満、痴呆性老人の介護認定の在り方、特養などの施設不足などが指摘されています。しかし、措置制度から保険サービスとなり要介護者が事業者と直接契約が出来るため、要介護者がどのサービスを希望し、現実には希望通りのサービスを利用しているかの実態把握が出来にくい状況となっています。
 例えば県がまとめた、3月31日現在の県内の要介護認定の状況では、49,611人の方が要支援、要介護1〜5と認定され、内、サービス利用者は42,581人で、その内訳は、施設サービス利用者が11,701人、デイサービスやショートステイなど居宅サービス利用者が30,880人で、サービス未利用者も2,751人となっています。しかし、この数字だけでは何が課題なのかは見えて来ません。
 この点、最近長野市が全国に先駆け、行った調査は大変興味深いものがあります。
 長野市は介護サービスの利用状況、要望などを調査し、今後のサービス基盤整備及び事業者指導の参考とするため、要介護・要支援認定通知者6,824人の内から特別養護老人ホーム入所者を除く1,000人を対象に、5月に調査を行いました。
 調査内容は、
◎要介護度別の介護サービス利用状況。
◎4月以前と以降の介護サービスの利用状況と内容。
◎4月以降の利用回数K変化。
◎サービスの利用回数が減った方の理由。
◎サービスを利用しなかった理由。
◎これから特にどんな介護サービスを利用したいか。
等々で、4月以降の介護サービスの利用状況と内容は、訪問系サービスが36%、通所系サービスが40%となっています。また、サービスを以前から利用していたかについては、90%の方が以前から利用していたと答え、9%の方が4月から初めて利用したと答えており、介護保険制度導入の効果の一面がうかがえます。
 次に、4月以降の利用回数は変わりましたかの問いについては、変わらないが63%、以前より増えたが23%、減ったが13%となっており、差し引きすると10%制度の効果が出ていることになります。 また、一方で以前より介護サービスの利用回数が減ったと答えた方が67人おり、その理由は利用限度額によりサービス量に上限があるが43%と最も多く、次いで利用料を支払うのが困難が16%、サービス事業者が予約で一杯が15%となっており、今後の課題が浮き彫りになっています。
 これから特にどんな介護サービスを利用したいかの問いについては、短期入所18%、通所介護17%、施設入所・入院13%、訪問介護11%、福祉用具の貸与・購入8%、訪問入浴・訪問看護がそれぞれ7%、通所リハビリテーションが6%となっています。
 しかし、この調査だけではどの様なサービスがどの位不足しているのかは分かりません。例えば、特別養護老人ホームは、介護保険制度導入前は措置基準があり、入所が必要と思われる方が市町村等に申請し判定を受けるため、「待機者」が明確になっていました。でも、介護保険制度の基では介護度1〜要介護度5と認定された方全てが特養に入る「権利」がり、しかも、要介護者やその家族が直接、事業者を選択出来るため、「待機者」数が把握出来ない情況となりました。
 そこで、長野市では居宅介護支援事業者やケアマネージャー、各施設の要望や課題の把握とともに、特養や老人保健施設、ショートステイ、デイサービス等の利用状況と、入所要望者数等のアンケート調査を行いました。その結果、介護保険制度導入後の施設入所サービスを希望する方の数字が明らかとなりました。それによると、特別養護老人ホームへの入所を希望している方が600人を越え、老人保健施設や療養型病床群への入所を希望している方を方を含めると1000人を越えるという膨大な数字が出て来ました。
 しかし、一人の方が複数の施設を希望しているケースが想定され、正確な数字を把握するには入所希望者の氏名も把握しないと困難としています。また、この調査では施設によってアンバランスがあり入所を希望して待機している方が少ない施設で6名、多い施設で90名とアンバランスがあることもわかりました。
 長野市の例を参考に申し上げましたが、保険者である市町村は今後のサービス基盤の整備や課題を整理するため様々な取り組みを行っていると思います。しかし、より課題を明確にし、より良い制度に充実していくためには、各市町村バラバラな取り組みでなく、県が統一した様式を作成し、そこに各市町村が必要とする調査事項を追加するなど、県としても現実の状況や課題を把握することが「信州ゴールドプラン21」をより具体的に達成するためにも欠かせない取り組みだと思います。そして、そのことが県の役割である市町村への支援策の一つと考えますが、市町村の調査の実施状況と、要介護認定者や居宅介護支援事業者等への県としての統一した調査の早期実施についてお尋ね致します。

社会部長答弁
  介護保険制度についてのお尋ねでありますが、まずサービス利用状況等につきましては、保険者である市町村等は事業者からの介護報酬の請求によりまして、サービスの種類ごとに給付額、利用日数、利用者数等の基礎数値を把握致します。県ではサービス提供月の3ヶ月後、今年の4月分につきましては、7月15日までに事業月報として市町村等から報告を受けることになっております。
  県といたしましては、この月報の内容を分析・検討することは勿論でございますが、お話にございました様な施設への入所希望数など、この報告内容で把握出来ない批評につきましても必要な調査を市町村や介護保険事業者の協力により進めまして、介護サービス基盤の整備など「信州ゴールドプラン21」の推進や介護保険制度の円滑な運用に最大限努めてまいりたいと考えております。


「WAM NET」の活用について

竹内質問
また、施設の空き状況や待機者の状況が情報ネットワーク化されていれば、わざわざアンケートをとらなくても情報が把握出来るとともに、サービスメニューの作成もスムーズに行くため、自治体によっては独自のシステムを確立しているところもありますが、当面、社会福祉・医療事業団の「WAM NET」の活用が求められていると思います。
  しかし、現実には多くの事業者がデータを入力していないため、余り機能していないようです。そこで事業者へのデータ入力の定着について、もっと強く県が指導すべきと思いますが、取り組みをお尋ね致します。

社会部長答弁
 次に、「WAM NET」についてのお尋ねでございます。
 「WAM NET」は指定事業者の連絡先や、従業者の数、サービス提供地域など、県から基本的な情報を提供するほか事業者自身からもサービスの空き情報や施設の特色などのピーアールも出来るわけて゛ございまして、サービス利用者にとって重要な情報源となるものでございます。
 本県で「WAM NET」登録している事業者等の数は756で全国第8位となっておりますが、この情報提供システムを有効に機能させるためにはご指摘の通り数多くの事業者からの最新情報の入力が必要でありますので、今後圏域ごとの事業者連絡協議会の研修会、あるいは事業者指導の機会などを通じまして周知徹底をはかってまいりたいと考えております。


本県での国への改善事項要望について

竹内質問
次に、岩手県では、介護保険制度の定着に向け、5月に市町村に行った介護保険運営等調査に寄せられた延べ502件の要望をまとめ、「制度を定着するために、問題を現場で抱え込まずに早めに掘り起こして対応することが大事。国に伝えるとともに、県としてやるべきことも検討したい」として、低所得者対策や痴ほうなどの程度が正確に反映されるように一次判定ソフトの改善や訪問通所系の介護サービスと短期入所系サービスの限度額の一本化、短期入所への振り替え利用限度日数の拡大、手続きと事務の簡素化、「要支援」や「要介護1」など要介護度が低い区分の支給限度基準額の引き上げ、市町村の苦情解決に必要な財源措置など。計12項目の改善事項を国の来年度予算編成などに反映させるため要望したということです。 
 この点、本県ではどの様に課題を整理し、どの様な改善事項を国に要望しておられるかお尋ね致します。

社会部長答弁
  次に、国への要望についてでございますが、本県ではこれまで独自に、あるいは知事会等を通じまして国に要望を行って来ております。この7月には厚生省、大蔵省、自治省に対しまして施設整備や人材確保、行政のための措置、保険者である市町村等の制度運営に要する経費に対する財源確保、それから低所得者の負担が過重ににならない対策等について県独自の要望を行うこととしております。
 また、要介護認定や短期入所等の具体的課題につきましては、市町村だけでなく介護の現場の皆さん方の意見も整理致しまして、その都度要望しているところでございます。 介護保険制度をさらに充実したものとするため、今後とも被保険者の利便の向上や、保険者である市町村を支援する観点から国に必要な事項の要望を行ってまいりたいと考えております。


介護保険制度のもとでの市町村の「措置制度」について

竹内質問
  次に、介護保険制度のもとでの市町村の「措置」についてお尋ね致します。
 先日こんな相談を受けました。
 「親戚が夫婦二人で生活していたが、夫は要介護2、妻は自立と認定された。しかし、夫は施設に入所しても妻は入所出来ない。でも妻は痴呆で火を扱ったりすることも危険で、一人で暮らせる生活力がない。再認定を申請し要介護1になったが、こんどは施設がない。本当に困っている。市町村は生活力のない高齢者を国の制度だからといって介護認定という゛ものさし゛だけで判断するのは冷たすぎるのではないか。市町村の判断によって、生活力がないと判断すれば措置する決断が必要ではないか。」というものです。
 この様なケースの場合、介護保険制度のもとでも、「老人福祉法」で「措置」することが出来ると伺っておりますが、市町村での実例と県の市町村への指導についてお尋ね致します。

社会部長答弁
 次に、老人福祉法にもとずく、措置制度についてでございますが、痴呆により意志能力が乏しく、かつ本人を代理するご家族がおられないなど、やむを得ない理由により、介護保険サービスを利用することが著しく困難と認められる高齢者に対しましては、市町村の職権により介護サービスを提供することが出来、特に特別養護老人ホームへの入所の場合は例外的に定員を越えて措置入所出来ることとされております。
  現在までのところ県内市町村での実例は聞いておりませんが、県と致しましては市町村に対し、この制度の適切な運用に努めて頂くよう助言してまいりたいと考えております。


NPO活動の育成と課税問題について

竹内質問
 次に、NPO活動の育成と課税問題について、生活環境部長にお尋ね致します。
 平成10年3月、ボランティア活動などを行う市民団体に法人格を付与し、その活動を促進する「特定非営利活動促進法」・いわゆるNPO法が公布され、県内でもこれまでに27のNPO法人が設立されました。
 この法人の内容を見ますと、活動の主たる目的は、障害者、高齢者、子育て支援を中心とするものが多く、当事者や家族、それに関わるボランティアを中心に、21世紀に向けて「自分達の力で、自分達の生活や地域を良くしていこう」という住民参加型の新しいパワーを感じます。
 しかし、NPO法人の財政状況は、事業費や寄付、会費等で賄っても厳しい現状があるようです。
 しかも、法人税法上、介護保険事業に関係なく障害者、高齢者の介護等の支援サービスを行った場合、収益事業としての「医療保健業」とみなされ、課税対象となるため、収益が上がらなくても、均等割りの県民税、市町村民税を納めなくてはならないという問題点もあります。
 また、介護保険関連ではNPO法人は報酬単価が低く、利益を上げにくい家事援助などを担っているケースが多い様ですが、同じ事業を行う社会福祉法人には課税されず、NPO法人は課税されるという矛盾も指摘されています。
 社会福祉事業法が社会福祉法として改正され、利用者が事業者と対等な関係に基づきサービスを選択する利用制度への転換が進む中で、高齢者や障害者、そしてその家族が福祉サービス活動に自ら参加するようになりつつあり、より小さな単位での生活支援や福祉の街づくりが問われ、県や市町村の支援、連携が求められて時代となりました。その意味でもNPO法人は、行政と相互に補い合いう対等なパートナーとしての役割が大きく、21世紀の「共生・参加型市民社会」を築く原動力になりうるとして期待されております。
 そこで、本県としてNPO法人を育成する具体的支援策をどの様に考えておられるか。
 また、国でのNPO法人の財政基盤充実のための税制優遇措置が期待されるところですが、今のところ大蔵省と厚生省との見解が相違するなど厳しい状況にあるとお聞きしておりますが、その見通しと当面、県での住民税の減免若しくは軽減を含めた支援策や、無利子の融資制度の確立についてお尋ね致します。

生活環境部長答弁
 NPO法人の育成と支援等に関するお尋ねであります。
 具体的な支援策についてでありますけれども、ご案内の通りNPO法人の健全な発展を促進するためには、その自主性を尊重しながら活動が活発に展開出来る環境づくりというものを進める必要があります。こうした面から県ではNPOの活動を推進するための活動報告会を県下各地で開催したり、先進的な活動事例の紹介とか、お互いの情報交換などを行って来ているわけであります。
 一方NPO法人は、団体の規模が小さくて経営基盤が脆弱なものが多いということから、今年度はNPO法人の事業経営の在り方や財務管理等に対して専門的な研修を行いまして、経営能力を持った人材を育成する「NPOマネジメント研修事業」を実施する予定であります。そうしたことから、NPOの活動基盤の強化をはかることにしております。この事業の実施に当たりましては、NPO法人に初めて委託をして、そのノウハフを十分に生かして頂きまして、より効果的な事業と致したいと考えております。
  さらに今年度から新たにリーダー研修交流事業を実施をしまして、NPOの活動を支えるリーダーの能力検査、あるいは相互のネットワークづくりを支援してまいりますほか、NPO法人の活動上の課題等を詳細に把握するための「活動実態調査研究事業」を進めてまいりたいと考えております。
 次に、税制優遇措置の見通し、さらに県での税の軽減、これを含めた支援策、また融資制度についてのお尋ねでございますが、NPO法人制度の見直しにつきましては、法施行の日から2年以内に検討して結論を得るという国会の附帯決議がありまして、これを踏まえまして現在「国民生活審議会」におきまして検討がされまて、この6月21日には中間報告が行われたわけであります。 
  その中では、「税制上の優遇措置を設けることについては、納税義務を免除するものである以上、相当の広域性を有するものに限って行われ、それに相応しい広域性を判断する基準や、みの広域性が担保されるしくみを備えることが必要である。」こう報告がされております。
  今後この中間報告を踏まえまして、広範な論議が行われて本年12月末には最終取りまとめを行うと、この様に予定されているところであります。県と致しましては知事会等あらゆる機会を通じまして税制優遇制度の創設については国に要望してまいったところでございます。これからも年末の審議会の最終取りまとめに向けまして、さらに強力に要望してまいりたいと考えております。
  県における住民税の減免も含めた支援策については、平成10年12月から県税条例を改正しまして収益事業を行わない場合には、県民税の均等割りを減免するという措置を講じたところであります。融資制度については、現在は県としては創設するという考えはございませんけれども、全国労働金庫協会がNPO法人を融資対象に追加するという方針を打ち出したということを聞いておるところでございます。
 いずれに致しましても、今後の審議会の最終報告等、国の動向を期待を致しながら、注視してまいりたいと考えているところでございます。


しなの鉄道のバリアフリー化について

竹内質問
次に、しなの鉄道のバリアフリー化について、企画局長にお尋ね致します。
 5月10日に成立した、国の高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる「交通バリアフリー法」では、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進するため、鉄道駅等の旅客施設及び車両について、公共交通事業者によるバリアフリー化を推進する。鉄道駅等の旅客施設を中心とした一定の地区において、市町村が作成する基本構想に基づき、旅客施設、周辺の道路、駅前広場等のバリアフリー化を重点的・一体的に推進するとしております。
 また、重点整備地区におけるバリアフリー化の重点的・一体的な推進として、一定規模の旅客の例として、鉄道駅については、1日の利用者数が5千人以上であること、又は相当数の高齢者、障害者等の利用が見込まれることとしています。
 さらに、この法律による基準への義務付けは、旅客施設の新設、大改良、車両の新規導入の際とされ、既存の旅客施設や車両は努力義務となっております。 しなの鉄道の場合、1日5千人を越える駅は上田駅と屋代駅、小諸駅であり、他は新駅の設置や新規車両の購入以外は努力義務ということになる訳ですが、大屋駅などはホームと電車の間に段差があり、早期に改善すべきとの声も聞きます。
 そこで、高齢者や障害者はもとより、誰もが安心して行動し、生活するこができるバリアフリー社会の実現をめざしている本県として、しなの鉄道のバリアフリー化をどの様に計画されているか。
  また、経営が大変とは言え、既に危険性が指摘されている電車とホームの大きな段差の解消等については、早期に改善すべきと思いますが、お考えをお伺い致します。

企画局長答弁
 しなの鉄道の、バリアフリー化についてのお尋ねでございますが、いわゆる交通バリアフリー法につきましては、現在運輸省を中心に法の施行に向け基本方針や、設備に関する基準を作成しているところと聞いております。
 しなの鉄道と致しましては、昨年開業致しましたテクノ坂城駅や来春開業する予定の屋代、篠ノ井駅間新駅について、既にバリアフリー化に配慮した取り組みを行っているところでございますが、今後も旅客施設等を新設するさいには、これから示される基本方針や基準に適合した施設整備を行ってまいりたいとしております。
 また、既存施設に対する努力義務にかかるものについては、直ちに全てを改修することは軽費的にも困難でありますが、経営状況を見ながら中長期的な施設改良計画の中で、沿線市町村等と連携を保ちつつバリアフリー化を進めて行く必要があるとしております。当面は今まで以上に車掌や駅員による介助を徹底するとともに、駅で障害者や高齢者の手助けをすることを目的に今後創設される予定の交通ボランティアの活用を検討するなど、ソフト面での対応に努めて行く所存であります。
 次にホームと電車の段差解消についてのお尋ねでございますが、ご指摘の様に大屋駅などについてはホームと電車の間に段差が生じております。現在、乗務員が乗降時の事故防止を促すアナウンスを状況に応じて行っているほか、安全確認や必要に応じた介助を行っているところであります。この段差を解消することは、交通バリアフリー法の精神からしても必要になる訳でございますので、しなの鉄道においては計画的に改善をはかって行く方向で検討しているところでございます。


浅川の河川改修と浅川ダム建設について

竹内質問
 質問の最後は、浅川の河川改修と浅川ダム建設についてお尋ね致します。
 私どもの地域では、浅川の過去における度重なる水害や、浅川が天井川であることにも起因する周辺の中小河川での水害の発生など、この地域の宿命と言われて来た水害を抜本的に解消するため、平成3年に関係8区で長野市東北部水害問題懇話会を設立し活動を続けております。近年、県のご尽力によりまして浅川の天井川解消など河川改修や、長野市による流域内での雨水調整池の整備も進み、水害解消に向けて一定の進捗を見ておりますが、まだ抜本的解消には至っておりません。
 浅川ダム建設につきましては、ダム計画地上流の地滑りによるダムへの影響や、断層の存在が懸念されるなどの、住民に不安を抱かせる様々な意見があり、どうなってしまうのか心配しながら見守ってまいりました。
 しかし、ダム建設の安全性については、学識経験者による「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」で十分な検討がされ、県の調査・計画は妥当である旨の意見書が出されたことにより、地域住民も安堵したところであります。
 また、一部の方から浅川の治水対策は排水路の設置などで対応できるとの意見もありますが、飯山や中野など下流に生活する皆さんのことを考えると、排水機場の能力アップや長沼1号幹線排水路を直接千曲川へ排水し負担をかける場合は、同じ水害に苦しんで来た住民として、上流部での洪水調整や雨水調整をしっかり行う責務と総合的な対策が問われており、この地域での水害の抜本的解消には、浅川の天井川の解消と護岸整備とともに、浅川ダムによる洪水調節が必要不可欠であります。
 また、このことは、浅川に流入する支川の水害対策に対しても、はかり知れない効果があると考えられるため、浅川流域の総合水害対策になると多くの住民が期待しております。 この件につきましては、5月23日開催しました同懇話会の総会において「これまでも会として要望して来た早期整備について、もっと積極的に県に要望すべき。」とする強い意見が出され、おはかりした結果、全員賛成で、6月15日知事に要望したところであります。
 そこで、あらためて浅川の河川改修と浅川ダム本体工事の見通しについて、土木部長にお尋ね致します。
 なお、事業の実施に当たっては、その概要を十分に住民に説明し、円滑な対応を行うよう要望をしておきたいと思います。

土木部長答弁
 浅川につきまして、お答え申し上げます。
 議員ご指摘の様に、浅川流域につきましては過去から度々洪水の被害を受けておりまして、また、都市化急速に進展しておりまして被害の拡大ということが非常に懸念されている地域でございます。
 県では流域住民約9万人の方がおられますが、そういう方の生命・財産を守るために昭和52年度からダムによる洪水調節、河川改修を合わせた計画を実施してまいりました。議員ご指摘の様に浅川の支川につきましても、洪水の被害が防げますし、また、千曲川の下流に対しましても負担が軽減されるという、副次的効果もある訳でございます。
 今後の見通しにつきましては、ダム本体につきましては去る6月5日に一般競争入札の公告を行ったところでございまして、今後7月27日に入札が予定されております。 その後、議会の承認が得られますれば、本年度に本体工事に着手して頂きまして、平成18年度にはダムが完成する見込みとなっております。
 次に、河川改修につきましては、計画延長12.2キロメートルの内、7.8キロメートルにつきましては昨年度までに完成をさせて頂きました。丁度天井川になっております区間につきましては解消がはかられたことになっております。
 残るところでございますが、本年度から直ノ橋(すぐのはし)から三駒橋(みこまばし)の2.2キロ間につきまして改修を今後計画的に実施しまして、たじから橋から上流につきましても引き続き改修を進めてまいることとしております。
 いずれに致しましても浅川流域につきましては、非常に総合治水対策が重要でございますので、早期に完成する様努めてまいりますが、議員ご指摘の様に工事の実施に当たりましては、関係住民に十分な説明をおこなって行くよう努めてまいります。

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