特集
2003.11.1

県出資等外郭団体見直し専門検討委員会に思う

 11月1日、県の「外郭団体見直し専門委員会」の第19回の会議が県庁の特別会議室で開催されました。
 私は先の9月議会一般質問で、この専門委員会について「東京ばかりで開催していないで長野で開催する」注文を付けた経過もあり、午前中の「市町村長との意見交換」だけ傍聴しました。
 この意見交換は、専門委員会が見直しを検討している54団体の内、市町村から存続要望が多かった林業コンサルタント協会、建設技術センター、下水道公社、住宅供給公社の4団体について意見を聞くためにもたれたものです。

 市町村長を代表し出席したのは鷲沢長野市長をはじめ6市町村ですが、特に鷲沢長野市長からは民間で出来ることは民活でやることは賛成と基本姿勢を述べた上で、「組織維持のために補助金が出ているものについては、その機能や必要性について検討し、必要性がうすれた組織は止めるべき。しかし、民間でもそれを受ける能力や機能がなく、市町村にとって必要なものは、その機能は残すべき。
 また、運営に補助金を出していないものは、存続かどうかを県が決めるべき性格のものでなく、県や市町村が発注するかどうかは他の民間も含めてそれぞれが自主的に決めれば良いこと。類似した組織は統合すれば良い。」趣旨の発言がありました。
 また、専門委員の1人が林業コンサルタント協会と市町村との入札のありかたが不透明であるかの様な発言を繰りかえし、入札制度の在り方から組織の見直しを主張したのに対して、鷲沢市長は「入札制度と外郭団体の組織の見直しとは分けて論議すべき。私は機能として必要かどうかを検討すべきと申し上げている。」と強い口調で反論し、委員との間で激しい論議の場面もありました。
 さらに、住宅供給公社について鷲沢市長は、民間でも十分出来るとした上で、高齢者が居住する住宅や土地等の不動産を担保にして、定期的に融資を受けるリバー・モーケージの受け皿として公社を検討していることや、「市営住宅の管理を逆に公社に委託する方法もある。」と述べました。
 このほか市町村長から主張されたのは「市町村職員の技術等、市町村で出来ないことは機能として残して欲しい。」というのが態勢でした。

 私は午後から他に行事がありお昼で会場を後にしましたが、午後からの傍聴をお願いしてあった県民協働ネットの大久保政務調査員の話を聞くと、午後からは結論の出ていない25団体について夜8時近くまで論議が行われ、その中で何度も鷲沢市長の「団体自体の存続にはこだわらない」等の基本姿勢が例に出され、結局市町村長が「機能の存続」を求めていた4団体については廃止の方向を決めたとのことでした。
 また、この日はこのほかにも、林業公社、公園公社、道路公社、建築住宅センター、暴力追放県民センターの廃止の方向も決めたとのことで、「機能の存続」については株式会社化などの検討を行う方向を指摘したとのことでした。

これまでの専門委員会で既に団体廃止や県関与の廃止等の方向を出したのは16団体(統合や既に廃止となった団体を除く)に及んでおり、今回方向を出した9団体を加えると25団体が対象となることになります。
 さらに、この他にも統廃合や存続でも「県関与の見直し」がほとんどの方向であり、そ
れを考えると、私は今回の外郭団体の見直しの対象となった54団体に働くプロパー職員(県職員派遣209人やOBの天下り86人を除く)は1,292人おり、この内何名の皆さんが、専門委員会の答申を受けて知事がどう対応するかによって、リストラされるのかが心配です。
 この点、私が昨年9月と今年2月、9月議会に行った外郭団体プロパー職員の士気の高揚策についての質問に「県職員やOBの就職を今後できるだけ縮小する方向で検討し、このことによってプロパー職員の方々の豊富な経験や能力が生かされる場が増え、結果として士気高揚にもつながる」と知事は答弁しています。しかし、今回の専門委員会で配布された委員会が提出しようとしている「報告書」の素々案には「プロパー職員の処遇」の欄に、「外郭団体職員の雇用問題に係わる県の基本的な考え方(骨子)」が示されていましたが、知事の私の質問に対する答弁とはかけ離れた個人の能力のみに依拠する「リストラ」を前提とした内容であり、とても納得のできるものではありませんでした。

 今の県政の課題は景気・雇用対策であり、全県民に対して公正・公平な施策が県政に求められています。とかく景気が悪くなると日本人の風習として人をうらやみ人を陥れようとします。ですから、自分にとって都合の良い時は沈黙を守っているのではないでしょうか。確かに組織を維持するための論議や、逆に税金をなぜ特定の団体に出資するのか情報公開を含めた透明性が求められます。しかし、だからと言って悪しき風習に依拠し「民間に出来ることは民間に」という発想で、何でも既存の組織を破壊しようとすれば、結果として失業者を生み出しさらに景気を悪化させるだけであり、人をうらやむ人も自分の給与も削減されるという悪循環(給与デフレ)を招くだけではないでしょうか。

 県政が外郭団体の見直しにあたって重視しなればならないことは、県民の雇用レベルの標準をどこに置くのかを明確にし(今は丸投げになっている)、景気・雇用・福祉・教育・環境・少子化対策などの県政が行うべき政策的課題に照らし組織が必要かどうか検討することであり、また、組織を存続する場合でも税金が投入されていれば、その使われ方について情報公開や説明責任の在り方を検討することではないでしょうか。
 この点でも、私が先の9月議会で企業局の民営化や外郭団体の見直しについて知事の考えを質したのに対し「小泉純一郎氏の民間で出来ることは民間でという、マルナゲで中曽根民活と同じ様な市民が苦しむバブル、景気回復でなく一過性のバブルになる恐れがある。私達は県民益の観点からどのような事業形態で行うべきか、或いはその事業を行うべきなのか、或いは新たな事業を創出すべきなのか、という観点から考えている訳で、県民の資産を有効活動出来るような見直しをしたいと思っています」と答えていますが、この知事の答弁の今後の対応が問われます。

 今、日本も長野県も「改革」の名のもとに、政党や首長の票になれば「何でもOK」という世界ですが、一番問われることは国民や県民、そして市民の所得(給与)をどのレベルで維持するのかという「改革の理念」ではないでしょうか。
 私は今日の委員会を傍聴して、県外の専門委員の皆さんが、どの位の所得を得ているか知りませんが、諮問された内容の検討について、その答申の結果が長野県経済にどの様な影響を与えるのか、県民生活にどの様な影響を与えるのか、そして、外郭団体の何人の皆さんがリストラにあうのか、最後まで責任を持った姿勢を求めたいと思います。

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