特集

2003.9.25

自治労長野県本部第83回定期大会への県議会活動報告


 9月25日から26日、長野市において自治労長野県本部第83回定期大会が開催されましたが、自治労の協力議員としてこの大会に私の一年間の議会活動報告を提出しました。つきましては、一年間の議会報告ですので私のホームページをご覧の皆さんにも、その内容を公開します。
    
1.はじめに

 4月の県議会議員選挙では、自治労の仲間の皆様に大変なご尽力を賜り、大変厳しい選挙戦でしたが二期目の当選をさせて頂きました。心から御礼申し上げます。
 私は選挙戦で、生活・雇用不安の中「安心され信頼される県政の確立」が必要であり、そのためには誰が知事であっても「良いことは良い。悪いことは悪い。」という是々非々の立場で挑むことが「県民益」につながると表明しました。
 また、党利党略や利権、生活不安など政治に対する不信が拡がる中で、「地方から政治を変える」スローガンを掲げました。
 それは、私が、県政が激動の真っ直中にあって、知事を支持するとか、しないとかという二者択一的選択を迫る評論家的風潮から、県民自らが良い時代にするために何が出来るのか「参画」する「協働」の「市民自治」を目指べきと考えたからです。
 私は、その第一歩として「長野県議会が機能が全国一になれば、国政も変わる」ことを確信して、県議会改革に取り組んでいます。つまり、情報公開や政策提案など既存の地方自治の枠を飛び越えた「市民自治」のシステムを長野県議会が確立すれば、中央政治の在り方も変えざるを得なくなると思うからです。
 しかし、このことは「誰が知事であっても地方議会は是々非々で挑む」という基本姿勢が無ければ前進しないと思っています。それは、議員自らが利権や保身を廃し、絶えず客観的審議が出来る環境を議会自らが創り出すことだと思っているからです。
 私は、二期目の県政をこんな基本姿勢で挑みたいと思います。
 この紙面で報告出来る内容は、事務的にならざるを得ませんが、詳細を知りたい方は私のホームページをご覧下さい。

2.各議会報告

(1)2002年9月定例会(9月26日〜10月15日)
 6月議会での知事不信任案可決により9月1日に行われた出直し選挙で、田中知事再選後、はじめて行われた定例議会として注目されました。
 議会は知事選結果を受けて県政会が解散し県民クラブが分裂するなど9会派となり、各会派の知事への基本姿勢も注目されました。また、知事選後はじめての議会であるため、6名以上の6つの交渉会派の代表質問も行われました。
 田中知事は議案説明や各議員質問の答弁で「壊すから創るステージへ」「車の両輪としての議会や市町村長との対話」を強調しました。
 9月定例会に提出され可決された主な議案は、稲荷山養護学校改築事業費や緊急雇用創出特別基金事業費等の一般会計補正予算、議会選出監査委員を2名から1名にする条例改正など議案15件です。なお、教育委員会委員の選任については、継続審査としました。
 また、議員提出議案では、「BSE対策に関する意見書」や「介護保険制度等の充実強化を求める意見書」等10件の意見書等を可決しましたが、「米国のイラク攻撃不支持を明確にすることを求める意見書」等4件の意見書等は否決されました。
 私の行った質問項目は次の通りです。
 @地方分権の推進について
   ・県政運営の中軸に据えることについて
   ・「地方分権推進計画」の策定について
  A「長野県市民憲章条例」と「住民参加条例」について
  B独自課税とミニ県債について
   ・「脱ダム債」から「環境愛県債」「公共交通愛県債」へ
   ・地球温暖化防止対策と「環境税」について
  C財政の健全化と行財政改革について
   ・もっと厳しい税収見通しのケースは。
   ・職員の士気に配慮したアンケート調査を実施すべき。
  D外郭団体の見直しについて
  E浅川・砥川の「枠組み」について

(2)2002年12月定例会(12月5日〜20日)
 12月定例議会は「長野県知事の在職期間に関する条例案」はじめ、「県財政改革推進プログラム」による県職員の大幅給与カット、議員歳費の削減などが焦点となりました。
 この内、議員歳費の大幅削減については、「職員給与の削減について組合と交渉中であり、影響を与える」と主張し、一旦は各会派とも了承しましたが共産党県議団等が一転して大幅削減を打ち出し、実施されることになりました。
 提出され可決された主な議案は、一般会計補正予算をはじめ22件ですが、「長野県知事の在職期間に関する条例案」は、継続審査となりました。
 また、9月議会で継続審査となっていた教育委員会委員の選任については、知事の意向により議案が撤回されました。
 議員提出議案では、これまで「調査会」で検討されて来た「男女共同参画社会づくり条例」が満場一致可決された他、「しなの鉄道への支援を求める意見書」「子育て支援策の充実・強化を求める意見書」等8件の意見書が可決されました。しかし、「テロ対策特別措置法に基づくイージス艦派遣方針の撤回を求める意見書案」については否決されました。
 12月定例会では、私は質問しませんでした。

(3)2003年2月定例会(2月20日〜3月18日)
 平成15年度当初予算案等を審議する2月定例議会では、改選を目前にして当初予算と「財政改革プログラム」や「産業活性化・雇用創出プラン」の見通し、30人規模学級の拡大、入札制度等について活発な論議が行われました。
 また、県議会議員選挙を意識してか答弁や議場外の記者会見等で、知事が個々の議員を批判するなど挑発的な雰囲気の議会でした。
 可決された主な議案は平成15年度一般会計予算、公債費特別会計予算等特別会計予算10件、病院事業会計等企業会計予算5件、条例案や補正予算、人事案等68件ですが、教育委員会委員の選任について(前島章良氏)は不同意となりました。
 また、これまで継続審査となっていた「特別職の職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案」(大鹿舞伎での寄付の件)は否決、「長野県知事の在職期間に関する条例案」については継続審査となり廃案となりました。
 議員提出議案では、「議会議員の政治倫理に関する決議」、「自主的な市町村合併の方針の堅持を求める意見書」「イラク問題の平和的解決を求める意見書」等、13件が可決され、「教育基本法改正の慎重審議を求める意見書案」など2件が否決されました。
 なお、私が社会県民連合を代表し行った、代表質問の主な項目は次の通りです。
  @「産業活性化・雇用創出プラン」について
   ・県内の雇用水準・雇用の在り方について
   ・プランの雇用創出目標の算出根拠について
   ・建設産業・構造改革の支援策充実について
   ・ILO94号条約に依拠した公契約条例の制定について
   ・土地改良団体の雇用セフティーネットについて
  A「県財政改革推進プログラム」について
   ・人員の大幅削減により、超勤の縮減、年次有給休暇の取得促進が可能か。
   ・職員給与削減で組合との10項目の「合意文書」を守ることについて。
   ・外郭団体への給与削減の影響について
  B市町村への権限移譲と「地方分権推進計画」の策定について
  C事業評価システムの早期確立について
   ・長野県は遅れている。新年度「室」が出来るがシステム化へのスケジュールは。
   ・県民参加による公共事業評価システムの構築について
  D外郭団体の見直しに伴うプロパー職員の士気の高揚策について
  E「県老人保健福祉計画・第2期・介護保険事業支援計画(案)」について
   ・県独自のショートステイ情報システムと緊急時ヘルパー派遣事業について
   ・特養等施設の入所ガイドラインについて
   ・福祉産業の育成と職員の身分保障と労働条件について
   ・ケアマネージャーのサポート体制について
  F教育問題について
   ・30人学級拡大にともなう市町村負担への支援について
   ・高等学校の特色づくりについて
   ・学校給食の在り方について
  G青少年の健全育成について
  H部落解放審議会答申の尊重について
  I治水・利水対策について
   ・浅川・砥川における16年度事業着手の見通しについて
   ・各家庭への雨水貯留施設等への助成について
   ・代替水道水源に対する県の支援策について
  K地球温暖化防止県民計画の策定について
  L個人の労使紛争あっせん制度の条例化について
  M日本の平和について

(4)2003年5月臨時会(5月19日〜5月23日)
 4月の県会議員選挙後の議長・副議長の選出や各常任委員会構成等を決めるため、臨時議会が開催されました。
 改選後の議会構成は10会派と無所属の構成となり、さらに細分化されました。私は、これまでの社会県民連合県議団の森田恒雄議員、宮澤宗弘議員と、新たに当選された永井一雄議員、田口哲男議員と5名で「県民協働ネット」を結成し、県民参加と協働による県政改革に前向きに取り組む活動をスタートしました。
 臨時議会では、正副議長が立候補制により決まり、私の所属委員会は文教企業委員会と決算特別委員会となりました。
 臨時議会には知事から「教育委員会委員の選任」「監査委員の選任」等の議案が提案され、2月議会に続き再提案された教育委員会委員の前島氏については不同意、監査委員の内、議会選出の石坂氏以外の内山卓郎氏と松葉謙三氏についても不同意となり、改選後も反田中知事或いは是々非々の議員が過半数を占めている結果となりました。
 私は、教育委員会委員の前島氏については県庁で行った講演等の内容と、私に頂いた様々な意見から不同意。監査委員の内、松葉氏については会派で論議した結果、不同意としました。
 議員提出議案では、「有事関連三法案の慎重審議を求める意見書案」を提出しましたが、否決されました。

(5)2003年7月定例会(7月3日〜7月18日)
 議員改選後はじめての定例議会として、改選された議員が知事や各議案にどんな姿勢で対応するのかや、臨時議会で同意に至らなかった教育委員や監査委員の人事案が注目された議会でした。
 提出され可決された主な議案は、「一般会計補正予算案」「更埴市、更級郡上山田町及び埴科郡戸倉町の合併に伴う関係条例の整理に関する条例案」はじめ21件ですが、再び提案された「知事の在職期間に関する条例案」は否決、「監査委員の選任について」の内、内山卓郎氏及び上條剛氏、人事委員会委員の内、茅野実氏については不同意となりました。
 私は「知事の在職期間に関する条例案」は、憲法に保障された被選挙権を侵すおそれがあり、選ぶ選ばないは、あくまで有権者の固有の権利」として反対するとともに、監査委員議案の内山氏については、臨時会での議会意志を無視し提案すること自体が県政の混乱を招くことから、堅実な県政運営を求め不同意としました。
 議員提出議案は、更埴市・戸倉町・上山田町の合併に伴にう「県議会議員の選挙区の特例に関する条例」「WTO農業交渉等における日本提案の実現を求める意見書」等7件を可決しましたが、「イラク復興支援特別措置法の制定に反対する意見書案」については否決されました。
 なお、今議会での私の質問は会派が多くなったことにより質問割り当てが削減となり、出来ませんでした。

3.各種活動

(1)「治水・利水ダム等検討委員会」の審議が終わりました。
 2001年2月20日出された「脱ダム宣言」に、ダムに変わる対策案が示されず中止する手法に疑問を感じ、住民参加により真の治水・利水の在り方を検討するため私が提案した「治水・利水ダム等検討委員会条例」。あれから、2年間を経て、諮問された9つの流域全ての審議が6月20日終了しました。委員会は各流域での部会審議を踏まえ、32回の委員会を開催し、ダムによらない対策の可能性を検討。その結果、答申では9つの流域に計画されていたダムは中止もしくは凍結としました。
 私は検討委員会や部会の審議にあたっては、ダムに替わる具体策を明からにすることに心がけて来ましたが、代替案に要する県や市町村の財政負担の問題、河川改修や水道水源に対する流域住民や関係市町村の同意の問題、事業を実施するに当たっての国の認可の課題、ダムに替わる水道水源が確保出来るのかなど、まだまだ不明な点が多く、その意味では検討委員会の答申は、「ダムによらない治水・利水の可能性を示した」にすぎないと思っています。
 県ではこれらの課題について検討委員会の求めにより、各流域に住民参加による「流域協議会」を設置し、市町村や流域住民の意見を聞きながら「河川整備計画」を策定するとしてます。また、水道水源についても水源調査を行うとしています。
 しかし、この間、開催されている浅川の流域協議会では依然として、「基本高水流量を下げればダムはいらない」とする様な後戻りする主張もあり、ダムに替わる代替案の具体的論議には至っていないのが現実です。
 私は、今後も治水・利水問題を政争の具にすることなく、現実的に解決出来うる治水・利水対策の検討に心がけるとともに、各流域の対策が放置されることのなく流域住民の皆さんが一日も早く安心出来るよう活動を行っていく決意です。

(2)男女共同参画推進条例制定調査会の審議が終わり条例が制定されました。
 昨年3月、議会の議員連盟の意向により「男女共同参画推進条例」制定のための、「調査会」が設置され、私もその委員となりました。
 その後、調査会は熱心な検討を重ねるともに、県民意識の課題に関する条例は制定過程が大切との認識で一致し、県民参画による条例制定のため県内4箇所での「県民フォーラム」の開催(延べ830名参加)や、事業所訪問、経済4団体との懇談会を開催しました。これらの取り組により寄せられた意見は401件を数えましたが、調査会ではその一つ一つを議題とし検討しました。また、条例の名称についても公募を行い「男女共同社会づくり推進条例」として、12月定例会に議員提案にり提出され全員一致で可決されました。
 この条例制定の取り組みの手法は、「治水・利水ダム等検討委員会条例」の県民参画と情報開示の手法同様、議会が行ったものであり、今後知事が提案する各種条例についても条例が目的化するのではなく、条例の目的や理念を県民と共有する手法をとらざるを得ないことを意味しています。
 また、既に制定された「男女共同参画社会づくり条例」の目的の中には、「子の養育、家庭の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員として役割を円滑に果たし」「当該活動以外の活動を行うことができるようにすること」とし、そのために県や事業者に対して環境整備のための責務を求めていることは、まず、県自らが残業の縮減など職場環境の整備を率先して行うことを意味しており、この点を自治労も重視すべきと思います。

(3)地方から政治を変える「議会改革」への提案。
 私は改選前から議員提案による条例制定や参考人の招致、特別委員会の活用、政務調査費の公開、議会事務局法務担当職員の増員等の課題に取り組み、一定の成果をあげて来ました。
 しかし、これらの取り組みはなかなか理解されず、議会と県民(市民)の距離は遠く、議員は利権をあさる悪人の様にイメージされているのが現実です。ですから県会議員選挙でも「政務調査費の廃止」とか「歳費の削減」といった公約を掲げた候補者が目立ちました。(このことを公約し当選した方で、今この主張をする議員はなぜかいないことを考えれば、議員の現実と県民との距離感が理解頂けれると思います。)
 私は、今の国政や地方政治の中で利権や党利党略が無党派層を増大させていると考えており、長野県議会が徹底した情報公開と住民参加、執行部チェツクのための機能の強化等を行えば、日本の政治は変わらざるを得ないと本気で考え、選挙戦で「地方から政治を変える議会改革」を選挙公報で公約しました。
 そして、「県民協働ネット」として協議した結果、議長や議会運営委員会に議会改革に関する提案として、「県民フォーラムの開催」「議会傍聴規則の見直し」「託児サービスの実施」「本会議場での対面方式の実施」「議会提案条例等の各派代表による検討会の設置」「議会事務局の法制部門の充実」「外郭団体調査特別委員会の設置」等々について提案しました。
 その結果、現在「こんにちは県議会です」や傍聴規則見直しによる「児童傍聴の解禁」、乳幼児のための「こんにちは赤ちゃんルーム」の設置等々が実現しました。
 その他の課題についても、現在議会運営委員会で検討中ですが、私は県民に信頼される議会改革のみならず「地方から政治を変える」スタンスに立って、今後も取り組む決意です。

4.今後の対応について

 私の所属する「県民協働ネット」では当面の主な検討課題として、「自治基本条例」「農業振興条例」「政治倫理条例」「人権条例」「新エネルギー条例」等の条例制定の課題や、環境税や森林交付税、自主財源などの税の在り方、「産業活性化・雇用創出プラン」の検証と提案、交通権としての県民の足を守る公共交通の在り方」をテーマ化し検討を開始しました。
 また、私個人としても少子高齢化と地球温暖化問題は今後県政・国政を問わず人類を脅かす課題であり、特別のテーマに掲げています。
 私達自治労政治連盟に所属する議員としても、今回の改選で永井一雄議員、小原勇議員を加え3名となったことから、小原議員を代表とする自治労県議団を組織し議会ごとに自治労と連携した活動を行うことにしています。さらに今後、自治労議員団として行うべきテーマを設定し提案することにしています。
 組合員の皆様からも、取り上げるべきテーマや県政の課題等について、率直なご意見をお寄せいただきたいと思います。


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