特 集

  1年間の私の活動と今後の県政の方向を問う  


ごあいさつ 県議会議員 竹内久幸

 
日頃、皆様にご支援とご協力を賜り心から感謝を申し上げます。
 さて、この一年間の私の議会活動は激動期の県政にあって多忙を極めました。「治水・利水ダム等検討委員会」での浅川、郷士沢部会の本格的部会審議、厳しい財政状況に議会側からも方策を提案するため設置された行財政改革調査特別委員会での審議、男女共同参画推進条例制定に向けた調査会での審議、部落解放審議会会長として国の地対財特法期限切れ後の本県の施策を方向付ける審議と答申書のまとめ等々、ほとんどの役割が私に集中してしまい事前準備も含め他の日常活動をほとんど停止せざるを得ない状況でした。
 そんな中で、2月議会以降、定例会の度に知事と議会の対立は激しくなり、ついに6月議会では知事不信任案が可決されるに至り、私にとっても日々苦悩の毎日が続きました。
 限られた紙面で私がこの一年間行って来た議会活動の詳細については報告できませんが、その主な内容についてふり返りなから、今後の県政の方向と私が考えていることをまとめてみました。
(なお、詳細を知りたい方は私のホームページをご覧下さい。)



住民参加による治水・利水対策を追い求める

 知事の「脱ダム宣言」後、流域住民が参加し納得できる治水・利水対策を検討するために、私の提案により設置された「治水・利水ダム等検討委員会」委員として活動しました。特にこの一年間は審議が本格化し「検討委員会」17回、自分の所属した浅川部会14回、財政ワーキンググループ8回、私が部会長を務める「郷士沢部会」(豊丘村)16回、「清川小グループ」(飯山市)3回、「角間部会」(山ノ内町)4回と会議が続き多忙な一年でした。
 そして、検討委員会は6月7日に砥川・浅川については、これまでのダム計画の基本高水流量の設定は「過剰」として設定を「下げる」ことにより、ダムによらない治水対策を行う趣旨の答申を知事に行いました。しかし、私は「基本高水流量を下げることは治水安全度を下げることと同じであり、住民に説明できないし、この案では認可が得られない」立場から、この時はこの案に反対しました。その後6月議会で知事はこの答申の内容を変更し基本高水流量を変更しないで、その約80%を河川改修で、残る20%を流域対策で行う「枠組み」案を示したため、基本高水流量を下げず治水対策を行うのであれば賛成することを私は表明しました。
ある方からは「竹内議員は、なぜダムに賛成するのか」と聞かれましたが、私は出来うる限りダムによらない立場で対策を検討しています。しかし、私の地元は水害常習地域であり市議時代以降今日まで約19年間、水害と闘って来た経過があります。水害被災者の気持ちは他の人には理解出来ない苦しみがあり、だからダムによらない方法でも、これらの皆さんに理解頂ける対策を納得が行くまで追い求めていることを理解して欲しいという説明をしています。
特に浅川については今後も以上の視点に立って、知事の示した「枠組み」案の具体的検証を行うとともに、中止されている河川改修が一日も早く完成し、流域の皆さんが納得出来る治水対策の確立のため努力して行く決意です。
 治水・利水への住民参加(市民自治)がこの間の私のテーマですが、これまで私の提案してきた個人住宅で雨水を貯留し活用する施設への補助制度が、10月10日から長野市で「雨水貯留施設助成制度」としてスタートしたことは嬉しくてたまりません。
今後、市民お1人おひとりがリサイクルやゴミ問題と同じように、治水・利水への市民参加として積極的に取り組まれることを願っています。
 ただ残念なことは、県に同じ提案を何度もして来ましたが、まだ意思表示がされていないことです。



産業活性化・雇用対策推進本部の設置

 今、選挙結果を受けて県政会は解散を決め、次期選挙をにらみながら様々なパターンの会派構成を模索し、3つの会派とどこにも所属しない無所属に分裂しました。その結果、現時点での県議会の会派構成は、県民クラブから公明党議員が別れたことも含め9つの会派と、どこにも所属しない無所属議員とで運営されることになりました。でも、私にはなぜ、どの様な規準で、どの様な目的で新たな会派が結成されたのか良く理解できません。
 この点、先に田中支持を打ち出し2名で新会派「無所属(無の会)」を結成した島田基正議員から挨拶状をいただきましたが、島田議員はその中で「無の意味は、もう一度原点に戻って、議員の役割、会派のもつ功罪等を既成の概念にとらわれることなく考えてみる、『無』からの出発を意味しております。」とし「全国にさきがけ、改革の幕が切って落とされた長野県、先進地としての誇りを持ち、県民の声に正しく反応すべく常に耳をすませて、県政の一翼を荷っていく覚悟です・・・」と言っています。
 しかし、会派を解散しても、いくつ会派を作っても何も解決しませんし何も変わらないと思います。問題は知事を支持し与党になるとか、今後も知事を認めないとか、会派を解散して責任をとるとか、その様な対応を多くの県民は求めているのではないと思います。今県議会や各議員に問われることは、県民のために、何を目的として会派を結成し、どんな「改革」を行うのかを明確にすることだと私は思います。このことは大会派でなく10人未満の会派が一時的にせよ9つ出来たということは、今後、会派の政治姿勢や政策提案能力が試されることを意味しており、この会派間の競争によって前よりは県民のためになると思います。



「財政健全化計画」の策定と
    主観でなく、客観的な事業評価システムの確立を求め続ける。


一昨年12月に出された「県財政緊急事態宣言」について、私は議会一般質問で、その「宣言」の内容が「このままでは財政再建団体に転落する」と県民に不安を煽るのみでなく、具体的に「財政再建団体」に転落しないための対策案を示した「健全化方針」をあわせて示すべきと求めました。その結果、4月には「財政改革基本方針」が策定され、12月には「財政改革推進プログラム」(案)が発表されました。
しかし、県内景気は依然として厳しい状況が続いており、税収見通しも極めて厳しいことから、「財政再建団体」に転落しないために大胆な事業の見直しは避けられない状況にあります。
けれども安易な職員給与の削減は、市町村や外郭団体、そして「公務員も下げたのだから」と民間職場へ波及する「給与デフレスパイラル」の可能性があり、県内消費の低迷によるさらなる景気の悪化を加速させ結果として県税収入のさらなる減少をもたらす悪循環に陥るのではないかとも言われています。
また、知事は私の提案に対し、短期・中期的な景気・雇用対策を検討し実施する「産業活性化・雇用対策推進本部」と「室」を設置しましたが、今回、県財政健全化のために行おうとしている事務事業の見直しや各種団体への補助金の削減又は廃止は、現に新たな失業者を生み景気を悪化させることとなり、この取り組みと矛盾する結果を招く恐れがあります。
これまで知事が突然打ち出す各種事業の見直しについて、私は主観でなく民間や多くの県で行っている費用対効果を含む客観的な指標(規準)にもとずく事業評価システムを全ての事業について行うべきであるとしてシステムの確立を求めて、そのことを専門に担当する「事業評価課」を早期に設定すべきであると何度も質問で求めて来ました。しかし、知事は「検討する」と答弁しましたが、今日に至っても実行されていません。
県政の健全な運営とは、県民にとって安心して自らの生活設計が方向付けられることが重要であり、なぜ自分の給与が削減されるのか、なぜこの事業が廃止されるのか、客観的な納得できるシステムの確立が急務だと私は思います。



公共事業見直し事業評価システムの提案

 昨年度の当初予算編成を前にした田中知事の公共事業費の削減について、その中には交通安全対策や災害関連事業も含まれていたため、地元市町村や住民から強い反発がありました。
その後、私としては全国的にも公共事業の在り方が問われ、県財政が厳しい中で公共事業の削減は避けて通れない課題であり、客観的な規準を設け市町村や住民参加による事業評価システムを確立することは出来ないか調査をして来ました。そして、各建設事務所単位に市町村長と公募委員による「公共事業見直し地区懇談会」の設置を柱とする「県民参加による公共事業評価システム」(案)をまとめ、知事に申し入れ、知事は「考慮したい」と答えました。
 「公共事業見直し地区懇談会」については、建設事務所管内の各年度事業について、その必要性、妥当性、緊急性などを含め費用対効果も含めた客観的指標に基づき、関係市町村長と公募による委員が公開の場で検討し、優先順位等も決めるシステムであり、今後、具体化されるものと確信しています。
 県はこの12月に「財政改革推進プログラム」(案)を示しましたが、その中には公共事業費を国の補助を受けて実施する事業を平成18年度までに40%削減、県の単独事業を50%削減するとしており、このことを実行するには業界の産業再編への理解や市町村との連携がさらに求められることになり、こうした制度は必然的に必要不可欠なものとなります。
 今後、私はこれらのシステムの導入により、行政の説明責任と各種事業を実施するにあたっての徹底した情報公開と県民参加のプロセスを定着させて行きたいと考えています。



行財政改革調査特別委員会の設置

 一年前の12月議で、議会として県財政の健全化を検証する必要があるとして、「行財政改革調査特別委員会」の設置を提案し発足しました。
 提案理由は、議会側から県財政の現況を分析する中で議員が共通認識に立脚しながら、あらゆる方策を検討し、議会の側からも財政の健全化を提案する方向をさぐったからです。
 その後、この委員会は検討を重ね、2月議会には県財政の現況と景気対策など税収確保等について中間報告を行い、9月議会では本庁・現地機関の組織の在り方、市町村合併、外郭団体の見直し、企業局の在り方等について最終報告を行いました。
 この最終報告について一部のマスコミは「総花的」との報道をしましたが、立場が異なる会派の代表が集まった審議では具体的に一致できる課題は限られており、抽象的にならざるを得なかったことは事実です。しかし、20回を重ねる審議により、危機的な県財政の現状や外郭団体の状況、分権時代に本県が進むべき方向など、議員の共通認識が深まったことは大きな成果だと私は思っています。
 また、この特別委員会において私の提案により県土地開発公社と住宅開発公社、県職員労働組合の代表の方を参考人として招致し外郭団体の見直しや地方分権の在り方について審議を行ったことは、今後の議会の在り方について一つの方向を示したと思います。



県政史上はじめて県民参加で策定した
 「男女共同参画社会づくり条例」は、新しい議会の門出


 議会の「男女共同参画推進議連盟」で議会として条例を制定に取り組む方向が出され、その後知事から県側も一緒に検討に加えて欲しいという申し入れがあり、3月19日に議会から9名、議会事務局から1名、県側から1名、学識経験者5名により「男女共同参画推進条例制定調査会」が設置され、私もその委員となりました。
 これは私の考え方ですが、議員や県民の意識が問われるこの種の条例制定は条例を制定することが目的でなく、条例を制定する過程から広く県民参加を呼びかけ条例そのものに意見を反映させることが大切だと思います。幸い全ての委員がこの考えで一致し、条例案素案作成の後、県内4箇所での「県民フォーラム」(延べ830名参加)や事業所訪問、経済4団体との懇談会が開催されました。これらの取り組みや郵送等で寄せられた意見は401件を数え、条例の名称についても公募が行われ「男女共同参画社会づくり条例」としました。
 この条例制定の取り組みは、私としては議会が県民参画による手法を重視し県民とともに意識改革を行いながら理念を共有する新たな取り組みであり、議会制民主主義の形骸化から生じる議会不信を解消し、実践し行動する議会として生まれ変わる一つの手法と位置付けてきました。
 また、「男女共同参画社会づくり条例」制定の意義は「男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家庭の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員として役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすること」として、そのために県・県民・事業者に対して環境整備のための責務を規程していることは、男女共同参画に止まらず、ぎすぎすする現代社会への新たな秩序の提案と思い歓迎するものです。
 この条例は、12月議会に議員提案され全会一致で可決されました。



部落解放審議会長として、総合的な人権政策を答申

 知事から「地域改善対策特定事業に係わる国の財政上の特別措置に関する法律の期限後の、本県の同和対策のあり方について」諮問を受け、部落解放審議会長として11回の審議会を招集し2回の答申起草委員会を開催し検討を行いました。そして、1月24日に知事に答申を行いました。
 特に国は法期限切れ後の4月からは特別対策を終了し、工夫をこらした一般対策への移行を打ち出しており、審議会としても実態に即した方向を出すため被差別部落の現地調査や協調4団体との懇談会を行い、答申案起草に当たっては「起草委員会」を設置し答申を策定しました。
 答申内容は、同和対策は特別対策から一般対策へ原則として移行するが、部落差別が依然として存在する以上、県の人権政策の柱として総合的視点にたって行うと同時に、人権条例の制定や部落差別をはじめ、あらゆる人権に係わる相談窓口の機能を充実するとともに、県人権センターの機能と拡充を図る等々です。
 しかし、知事は答申について「尊重する」としましたが、一年が経過しようとしていてる現在、何一つ具体的な対応をしていません。部落問題に限らず人権問題は、児童虐待や家庭内暴力など社会問題化しており、条例制定や「たらいまわし」をしない人権相談窓口の設置は緊急の課題であると思い、全力で取り組む決意です。



知事不信任案への対応について

 6月議会で県政会・政信会・県民クラブの3会派により知事不信任案が出されました。私はこの不信任案について、首長の不信任には確固たる理由がいるが、その理由がない。知事を支持するかしないかは今後の議会論議や知事の行う施策について県民が判断すべきことであり、不信任は県民に理解されないという立場で、他の会派の説得を行って来ました。しかし、この間の知事と議会との手法をめぐる溝は大きく、また、県政会は2月議会での「問責決議」提出以降、6月議会での「不信任案」の提出を前提として会派内の意思統一を重ねて来ており、もはやまったなしの状態でした。
 不信任案提出が避けられない状況となり、しかも可決されることが明らかな情勢のもとで、社会県民連合として率直な論議を重ね、構成議員が一致した対応をすることを確認するとともに、不信任案の提出そのものに反対の立場から、その議案のみを審議する本会議には出席しない対応を行いました。
 しかし、この対応について「なぜ明確に反対票を入れなかったのか」「なぜ不信任に賛成しなかったのか」「欠席は分かりにくい」などのご批判も頂きました。
 今回の不信任騒動について私としても率直に自分の対応の弱さも総括しながら、毅然とした態度で県民に分かり易い政治姿勢を追究していく決意です。



「民意」を反映した議会改革の方向

 9月1日に行われた知事選挙は、田中氏の圧勝でした。この知事選挙は政策というより、不信任した議会が悪いのか、知事の手法が悪いのかを決する住民投票的性格をおび、田中知事の信任投票とも言うべきものでした。そしてそれは、議会がいかに民意とかけ離れた判断をしたかが問われる結果でした。
 長く続いた吉村県政のもとで、中2階である県政運営の民意の反映とは、市町村長や県会議員の意見を国の制度に照らして可能なことは尊重することであり、議員もまた各選挙区から選出され地元利害を中心に取り上げることが民意であり仕事であると思い、そのことが議会の体質となって染み付き、民意と違った「常識」を温存させて来たと思います。
 また、吉村県政時代の議会の総与党化は行政主導化傾向へと傾斜し、議会論議が議案追従型となり、本来議会が行うべきチェック機能の役割をマヒさせていたと思います。
 私は今回の選挙結果を踏まえ、今後、形骸化した議会制民主主義(間接民主主義)が、いかにしたら民意との「ねじれ」を解消することが出来るのか真剣に議会改革に取り組みたいと思っています。
 具体的には、これまでも県民の視点から知事のトップダウンの手法に対し、「治水・利水ダム等検討委員会条例」や「公共事業決定のプロセスや事業評価にあたっての県民参加」の提案など「県民参加」の手法を位置付けて来ましたが、今後も議会の情報公開の徹底や議会運営のあり方の検討、議会が県民と直接対話する手法の実施、知事の公約した住民投票と議会との関係の具体化、知事と議会の双方向の論議の場の設置等々の課題に取り組みたいと思っています。




  今後の県政の方向に対する私の考え  

県民が信頼し安心して生活できる県政の構築に向けて

 私は、これまで報告しましたこの一年間の私の主な活動を通して、私が痛感し、また学んだことから、今後の県政の中で私が目標とすべき主な課題について次の様に考えています。
 また、私の県政に挑む基本姿勢は県民参加と議員としての責任の自覚であり、県民が信頼できる責任ある県政運営と県民が安心して生活できる健全な県政の構築です。

■今、県政の最大の課題は、景気・雇用対策に配慮しながら、厳しい県財政を健全化することです。

 知事は先に提案した「財政改革推進プログラム」(案)において、今後「公共事業に対する財源配分の割合を引き下げ、福祉・医療・教育・環境・産業・雇用といった重点分野を中心に、県民生活を重視した事業に重点的に財源を配分していきます。」として、新たな長野県をつくるための「長野モデル創造枠予算」を創設し平成15年度から18年度までの3年間で新たに210億円を必要とする一方、補助金や事務事業の見直しで158億円、公共事業費や県単独事業費の大幅削減で634億円、職員数の削減や職員給与等の減額で258億円、授業料などの値上げで45億円、計1,095億円の経費の縮減をはかり、その結果平成17年度には黒字に転じるとしています。
 しかし、新たな産業の育成や雇用確保策の一方で、補助金や事務事業の見直し、新たな産業へのシフト、職員給与の削減は、新たな失業者を生んだり消費を低迷させる危険性をはらんでいます。
 県財政を健全化させながら景気・雇用対策を推進するということは難しいことですが、県民にいかに不安を与えずに両立させて達成していくのかが課題です。そのためには、事業の見直しや廃止、公共事業の削減によって何人の雇用が削減され、新たな事業の創設によって何人の雇用が確保されるのか、県職員や外郭団体職員の皆さんの給与削減よって県内消費の低迷や景気への影響を明確にした取り組みが必要です。私は、こうした基本的姿勢を県政運営に求めます。

■透明で公平な事業評価制度のシステム化は必要不可欠です。

 県民意識が多様化し、生活する地域や職業、年齢等によって行政が行う事業への価値観も多様化しています。脱物質社会への転換や各種事業を見直し、新規事業を行うにあたっては、事業の見直しや決定過程が県民に公開されると同時に、恒常的な県民満足度や要望調査を蓄積し、そのデータや費用対効果に基づく事業評価基準を確立し県民から見て公平な選択を行うことが必要不可欠です。
 また、問題となっている公共事業の見直しについても、市町村長や公募委員による建設事務所単位の「公共事業見直し地区懇談会」(仮称)の設置を引き続き求めます。

■「県民憲章条例」制定過程で、県政の進むべき方向と基本姿勢を明確にすることが大切です。

 田中知事の誕生以降、市町村長や議会との連携が課題となっています。知事は先の選挙で「県民憲章条例」の制定を公約しましたが、この条例は本来「自治基本条例」とも言われ自治体の憲法に値するものです。私は、この「県民憲章条例」の内容について環境問題や地方分権の方向など長野県が進むべき方向と同時に、市町村との連携、県民への情報公開や説明責任の規定、日常的な県民参加と住民投票制度の位置づけなど県の基本姿勢と手法について明確にすることを求めます。
 また、議会についても分権時代の議会の在り方や県民との連携の方法を定めた「議会改革決議」を行うため取り組みます。

■「地方分権推進計画」の策定は、県政の基本姿勢をさらに具体化することです。

 地方分権の推進は、住民が一番身近な市町村で生き生きとした個性ある自治を行うことであり、県政運営でも根幹に位置付けるべき課題です。国の財源移譲などまだまだ中央集権的な構造を改革しなければなりませんが、県政はこれまでの国を向いていた姿勢から市町村の分権を推進する姿勢に転換し、最終的には県政はなくなる覚悟で今できうることについて市町村や広域連合を支援すべきです。
 具体的には現状認められる事務事業について、市町村の意向を尊重しながら権限を出来うる限り市町村や広域連合に移譲する県独自の「地方分権推進計画」と「事務処理マニアル」を策定すべきですし、国に対しても抑圧的な市町村合併を煽るのではなく、さらなる財源と権限移譲を県として強く求めるべきです。
 私は、これらの視点にたち、県組織の現地機関への権限移譲も含め頑張る決意です。

■立法権を生かした県民に分かりやすい県政運営を目指します。

 地方分権推進一括法の成立は、地方公共団体にとって法律に抵触しない範囲で自主的な条例を定める範疇が拡大されたことを意味します。全国的にはこの意義を活用し、これまで要綱や規則で定めていた規定を見直し、県民に直接関係のあるものについては県民に広く知らしめ実効性あるものにするため、条例化する傾向があります。
 条例は県の法律であり地方分権時代の中で個別的な政策条例を議会の議決を経て制定することは、県民にとっても県が目指すべき方向が明確になり自治の姿が見え、県民参加につながると思います。
 また、議員も議会の立法権を生かし、知事が行わない個別政策課題についても積極的に条例案を提案し、制定を目指すことが「県民益」になると私は思います。しかし、「男女共同参画推進条例」や「住民投票条例」など県民参加や県民意識に係わる条例については、制定過程での意見の反映など県民との連携を重視する必要があると思います。
 なお、私は今後、青少年育成団体と県・市町村との連携や啓発を重視した「青少年保護育成条例」、地球温暖化対策や資源に配慮した「省エネルギー・新エネルギー推進条例」、県の総合計画や政策的各種計画について議会の議決を要する「基本計画等について議会の議決を要する条例」、部落差別や家庭内暴力、児童虐待などを防止するための「部落差別をはじめあらゆる差別をなくすための条例」、NPOやコミュニティビジネス育成を含む市民自治のための「市民自治促進条例」、景気低迷の中でリストラなど個別の労使紛争を県があっせんする「個別労働関係紛争の解決の促進に関する条例」(いずれも仮称)の提案を調査・検討しています。

■県民参画と市民自治を重視する県政運営のシステム作りを行います。

 地方分権の推進は、これまでの「中央依存・官依存体質」から脱却し、自己決定・自己責任を原則に自らを律する「自主・自律」の自治を目指すことです。そのことは当然、長も、職員も、議員も「自己決定・自己責任」が問われることであり、これまで以上に政策立案能力や自治能力が必要となります。
 また、時代の流れや経済のグロバール化が進み、県民意識も多様化する中で、昔の近隣のお付き合いが希薄となり、それとともに権利のみを主張し義務を果たさない風潮も拡がって来ました。しかし、一方では、各種ボランティアやNPOなど「社会的貢献活動」に参加したり高い関心や意欲を持つ県民が増えて来ている傾向もあります。
 地方分権の時代は「市民と行政の協働による自律した地域社会の創造」が基本と言われますが、私は、純粋に自治に参画する県民に依拠し、県・市町村・そして議会が協働した、新たな「市民自治社会の確立」に向けたシステム作りに取り組みたいと思っています。

■総合治水・利水対策・環境問題等への県民参画のメニュー作りは、市民自治の出発です。

 「脱ダム宣言」は、コンクリートによる環境破壊や堆砂問題、将来ダムが寿命を向かえた場合の撤去の問題、公共事業をめぐる政治と業界との利権の問題など、国の政治と公共事業の在り方に一石を投じました。しかし、その手法は「宣言」時にはダムに替わる代替案がなかったように、これまで少数意見であれ災害に苦しんで来た皆さんを説得するには至っていません。
 私は、浅川については知事の示したダムに替わる「枠組み」案について、過去に災害にあっている皆さんが納得できる流域対策について検証するとともに、他の河川についてもダムに替わる対策について今後も白紙の段階から検証する決意です。
 また、治水・利水問題は県民にとって特定の市町村や地域の課題であり、「民意」では片付けられない問題でもあります。私は、被災者など特定の方々の痛みを分かち合うために県民1人ひとりが治水・利水へ参画できるメニューを県が示し、補助することが必要だと思います。
 さらに、地球温暖化や環境破壊対策について、県民1人ひとりが実践できるメニューを具体的に示すことによって、県民の自覚ある実践を促し社会を変えるシステムを実行したいと思います。

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