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長野五輪後の「2010年問題」を質す。

2008/3/10

 あの、感動の長野オリンピック・パラリンピック冬季大会開催から10年を迎えました。

画像01 大会開催後から今日まで、施設の後利用や大会開催で得た有形・無形の財産を、冬季スポーツの振興や選手の育成、観光、各種大会やコンサートの招致など、大会開催を生かした街づくりが問われました。

 幸いなことに、長野オリンピックの大会運営費の収支は黒字となり、約46億円の「基金」で「長野オリンピックムーベント推進協議会」が設立され、この10年間で約300もの大会支援や、選手強化育成への支援が行われて来ました。
 しかし、この基金もこれまで毎年約4億円が支出され、今年度末には約10億円となり、2010年度には枯渇してしまいます。

 この基金があればこそ、今日まで、オリンピック開催でピークに達した経済波及効果が急速に下落するセフティーネットとしての役割を果たして来たことを、私達は忘れてはならないと思います。
 つまり、基金が枯渇すれば、大会を開催した都市は、その有形・無形の財産を生かすことが出来ないばかりか、各種大会開催による経済波及効果が失われ、地元経済も失速する可能性があります。

 私は、この基金が枯渇する2010年度中を「2010年問題」と位置付け、それまでに、県と長野市、山ノ内町、白馬村、軽井沢町等の大会を開催した市町村、冬季スポーツ競技団体等が検討する場を設置し、今後の方向を早急に確立しなければ、とんでもないことになると思っています。
 参考までに、長野新幹線が金沢まで開業する2014年は、長野駅が集客駅となるか通過駅となるか、北陸地方からの観光客の集客をどうするか、並行在来線はどうなるか、という意味で「2014年問題」と言われていますが、2010年は、それよりも4年早くやって来る訳です。

画像2 そこで、6月議会の一般質問で私は、この「2010年問題」を県及び議員に認識して頂くための質問を行いました。
 以下に、その質問内容と主な答弁内容を掲載します。

 今後予想される、これらの「2010年問題」を、どの様に認識され、どの様な対応を考えておられるか。また、オリンピック基金による各種大会等の観光面での効果、またそれが失われることによる影響について質したところ、商工部長は「地域が一丸となった、にぎわいの創出に向けた取り組みに対して支援してまいりたい。」と抽象的答弁。
 観光部長は、「オリンピック基金の助成を受けた県内開催の大会・イベントは、平成18年度実績で、その数は20、参加者は1万人に及ぶ。大会参加者の他に、大会関係者や観客も含めれば県内への来訪者は相当数に上がり、大会前後の滞在も考慮すると、観光面でも相当大きな経済的効果があると認識している。」(例えば、基金から毎年3,500万円の助成を受けて開催している長野オリンピック記念マラソン大会の場合、直接的経済波及効果は約2億6,800万円、経済的波及効果は約1.8倍の約4億8.600万円と試算されている。)、「基金による助成がなくなった場合、大会規模の縮小など様々な影響が考えられるで、民間の力を活用する協賛制度の導入など関係者のより一層の創意工夫が求められる。」、「オリンピック・パラリンピック開催による財産の活用をしっかりと念頭に置きながら、今後、各種大会の開催・誘致に向け、観光部としてどのような関与が必要か、市町村、関係部局とよく議論して取り組んでまいりたい。」と答弁しました。

画像3 また、現在は基金から選手育成強化事業として、スパイラルやビッグハットの製氷経費として年額7千5百万円、冬季競技選手育成事業費として51,40万円の、計1億2千6百4十万円が支出されていることについて、基金が枯渇した場合、これらの経費や、スポーツクラブ、ジュニア選手育成費をどうするのかとの問いに、教育長は「現在の県の財政状況では、基金と同額の支援を行うことは大変困難」とし、「事業を実施する競技団体及び長野市において資金確保策などについて充分御検討いただき、その上で、県としてどのような関与が可能となるのか協議してまいりたい。」と厳しい答弁でした。

 さらに、基金が枯渇しても、さらなる大会開催を生かした取り組みを模索するには、冬季オリンピックを開催した「聖地」としての役割を対外的に発信し続けることが必要であり、今後基金が枯渇した後の対応について、各種大会開催時に野澤温泉村が行っているように、大会関係者が宿泊した施設から宿泊者一人当たり何らかの協力金を募ることや、サポート企業や個人寄附を募集し固定化すること、これまで無料で開催して来た大会については、有料化するなどの工夫をして、継続実施できないかとの問いに、知事は「競技観戦の有料化などの検討は既に進められ、入場料を徴収する方式で開催されている状況。宿泊協力金、寄附の固定化等の提案も含め、今後、事業を実施する競技団体、関係市町村を中心に、資金確保策などを御検討いただき、その上で、県としてどのような関与が必要となるか、また、可能になるか協議してまいりたい。」としました。

 また、今年開催された「長野かがやき国体」について、県としても冬季国体の在り方を検証し、来年の青森県に次いで、できることであれば、長野オリンピックを開催した「冬季スポーツの聖地」として、「国体」と言いながら余りにも少ない国の補助金制度や国体のありかたの抜本的な見直しを求めた上で、今後の冬季国体の固定的な開催地となることが、経済波及効果のほか、冬季スポーツの振興、観光客の増加につながり理想的との提案に、村井知事は「開催地の経費負担軽減を図るための方策としては、国及び日本体育協会に対し、応分の負担を求めるとともに、今大会で初めて実施した企業協賛制度のようなマーケティング活動による収入の確保、参加都道府県分担金の導入などが挙げられる。画像4文部科学省、日本体育協会が中心となり、各都道府県や都道府県体育協会関係者の間で議論して行くべきであり、本県も国内における冬季スポーツの重要な担い手として積極的に議論に参加していきたい。」、「提案は記憶にとどめさせて頂く。」としました。

 この一連の答弁に対し私からは、具体的検討はこれからの様ですが、「2010年問題」は開催都市にとって、「2014年問題」前に、訪れる大変な問題である。2010年以降の各種大会の開催等に関する県方針に関し、その検討を早急に行うべきであり、その窓口はどこか訪ねたところ、知事は「教育委員会」と答えました。

 私は、この問題は広域的課題でもあり、県教育委員会が早急に関係市町村や競技団体等へ呼びかけ、検討する場を設置することを求めて行く決意です。