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県各部局の来年度予算要求概要について

2008/1/10

 昨年12月25日、県の来年度予算編成に関し、各部局の要求概要が発表されました。
 今日は、この要求概要について私の感じたことを述べます。

一般会計の総額は8476億100万円余で、07年度当初の要求総額を39億2500万円余(0・5%)下回り、同年度当初予算額は13億9900万円余(0・2%)を上回っています。

 今後、今年1月下旬からの知事査定を経て2月上旬に予算案が決定されることになりますが、厳しい財政運営が続く中、中には私としも「復活折衝」をしなければならないと思っている課題もあり、1月17日には会派として知事要望することにしています。

 発表された要求概要のうち、部局別で07年度当初予算額と比べた伸び率が最も大きいのは観光部(要求額7億2700万円余)で11・6%増。外国人観光客に的を絞った「戦略的誘致推進事業」など13の新規事業を要求しています。
 次いで衛生部(同518億5800万円余)の8・0%増で、医師確保対策の拡充が柱。
 また、森林整備の新たな財源として「森林づくり県民税」を導入する林務部(同180億6500万円余)も、里山整備などの事業費を増やし、7・1%の増となっています。

 これらの内容については、後に詳細を紹介します。

 また、この要求概要については、県のホームページに掲載され、今年1月18日まで県民意見を募集していますので、ご意見をお寄せ下さい。

http://www.pref.nagano.jp/soumu/zaisei/youkyu/h20/index.htm

 さて、発表となった来年度予算の各部局の要求概要で、私が求めて来た課題については、企画局で人権政策審議会開催事業費270万1千円、生活交通システム構築支援事業補助金1550万円(21年度までの延長)、生活環境部で長野県文化芸術振興指針策定事業費118万1千円、商工部でシルバー人材センター支援事業費の前年度548万6千円から744万8千円への増額要求等々が主要事業一覧に掲げられてることを歓迎するものです。

 また、私の所属する「改革・緑新」が、各議員の要望を踏まえ会派として11月20日、村井知事に行った18項目の「当面の県政課題」と、217項目の「来年度予算編成に関する提案」の内容についても、一定の項目が掲げられており評価するものです。

 さらに、同時に公表された来年度から廃止や縮小を考えている「主な見直し事業一覧」には、これまで私が求めて来た児童福祉施設の「入所児生活向上援助費」については掲載されていないため、存続出来きるものと確信しています。

 しかし、今回の各部局からの要求概要を見て思うことは、私達会派として村井知事に「当面する重点課題」として、一番目に申し入れた「新年度予算編成にあたっては、中期総合計画での主要施策について、その目標達成のための予算であることを、分かり易く示されたい。」ということと程遠い距離感を抱いています。

 というのも、過去の県政においては、政権を維持するために「思い付き」の当初予算案が提案され、それ故に「その根拠は何か」等々、「透明で計画的」な県政運営をめぐって議会は混乱しました。

 この状況に、議会側は計画的で透明な県政運営を求めて、「中期総合計画策定に関する決議」や「基本計画の議決等に関する条例」を可決して来た重みを考えると、これらの経過を経て「中期総合計画」が策定され、議会がその計画を可決した今、その「中期総合計画」策定後の各部局からの予算要求である以上、少なくとも「中期計画関連」とか「計画数値目標予算」、或いは「計画達成予算」等々の分かりやすい表現が必要ではなかったのでしょうか。
 当初予算案の発表に当たっては、このような分かりやすい表現を求めるものです。
 そうしないと、せっかく策定した「中期総合計画」が生かされず、「県民が来年度に夢が抱けない予算案」となってしまうのではないでしょうか。

 また、私は12月議会で「道路の維持管理予算の増額を求める決議(案)」を作成、会派として提案し議員全員の賛成で可決されましたが、今回公表された土木部の要求概要では前年度より減額されています。

 さらに、市町村から要望の強い「地域発 元気づくり支援金」についても総務部の要求額は10億から約9億円へ減額されています。

 この様に、県議会や市町村等が切実に要望する課題について、ただ単にシーリング通りの機械的対応で良いのか、極めて不満です。

 しかし、新年度予算案の知事査定等は、これからであり、こうした思いを伝え反映させる取り組みをして行きたいと思います。

 「森林づくり県民税」活用事業。

 次に、昨年公表された「平成20年度当初予算の各部局の要求概要」のうち、12月議会で可決された「森林づくり県民税」の活用事業として、林務部から要求されている事業を紹介します。

 みんなで支える里山整備事業補助金 = 4億432万5千円

 地域で進める里山集約化事業交付金 = 3000万円

 高度間伐技術者集団育成事業費 = 600万円

 森林づくり推進支援金 = 1億円

 みんなで支える森林づくり推進事業費 = 2500万円

 木育推進事業費 = 700万円

・次世代を担う子供達や地域住民が里山及び地域材に目を向け、森林づくりへの理解と協力を得るため、地域の里山の整備や、そこから出される材を利用した施設・設備等の整備を行う活動を推進。

 以上が、「森林づくり県民税」の活用事業として、予算要求されている全容ですが、この内容は先の12月議会での議会側の指摘も踏まえたものであると評価します。

ただ、今後もこの事業内容や地球温暖化防止対策との関連も含め具体化的に、県民の皆さんに分かり安く示すことが問われています。

 医師確保対策予算。

 次に、来年度予算要求概要のうち、衛生部が要求している深刻な医師不足対策のための事業等について紹介します。

 衛生部が要求している事業は次の通りですが、この「医師確保等総合対策事業」の総額は2億7213万8千円で、平成19年度予算(1億2060万4千円)の対比では約226%増となっています。

 医師確保等総合対策事業 = 2億7213万8千円(19年度予算1億2060万4千円)

 医師不足は、長野県だけが直面している課題ではありません。
 それ故に、今年度、来年度と各県が医師確保のための制度を充実するなど競争となっています。
 その意味で衛生部が前年度対比、約2.26倍の予算要求をしたことは、「やる気」を物語っており取り組みに期待したいと思います。

 しかし、何とか医師を確保するために知事や衛生部も、これまで真剣に国や医療機関、大学等々へ働きかけて来ても深刻さは、さらに増しているのが現実であり、この経過も踏まえて、県として知事自らが国の政治が解決すべき問題として、積極的に取り上げる姿勢が問われると思います。

 本県の医師確保に関する取り組み(県のHPより)

http://www.pref.nagano.jp/eisei/imu/kakuho/top3-1.htm

 そもそも、現在の医師不足は、2004年度からスタートさせた大学医学部の研修制度改革や、他の先進国と比較して医師数が少ないこと等々、国の政治の問題です。

 この「医師不足の原因」については、下記の「医師不足の原因と対策」が、参考になります。ただし、一番最後に記載している「期待されるのは医療関係者の知恵と、私たちにできること」の内容については、私は、国の責任と解決策を求めるべきと思います。

http://www.oyako-net.com/medicine_info/20070509/index.html

 何れにしても、この予算要求を根拠として本県独自の積極的取り組みと、国に対し政治的解決を強く求める取り組みの両方を、当面は「厳しく」推進して行くしかありません。

 「観光立県」長野を目指して

 次は、来年度予算案への観光部が要求した事業内容についてです。

 観光部は県議会からの要望もあり、「観光立県」を目指し平成19年度から設置された部ですが、昨年11月27日に「観光振興計画(仮称)の策定について」審議会答申が行われたことからも、予算要求では新規事業が多くなっています。
 その内容は、以下の通りです。

 観光地景観対策研究費 = 144万3千円

・観光地の景観対策に係わる研究会を設置して、解体撤去されずに残されいてる廃屋など、観光地の景観に悪影響を及ぼしている事例の解決方法を検討し、観光地の良好な景観の保持、形成を推進。

 「信州道楽」誘客促進事業費 = 4095万円

 信州「食」の魅力向上事業費 = 631万4千円

 ホスピタリティ向上事業費 = 886万円

 観光事業者経営力強化支援事業費 = 329万3千円

 スノーリゾート信州構築事業費 = 3265万8千円

 エリア10観光振興プロジェクト事業費 = 357万1千円

 外国人旅行者戦略的誘致推進事業費 = 4089万9千円

 シーズンマガジン発行事業費 = 866万6千円

 以上が新規事業要求の内容ですが、継続事業でも、地域の観光事業者、関係団体及び地域住民と連携・協働して意欲的に温泉地やスキー場地区の再生に取り組み市町村を支援し、温泉宿泊者やスキー場利用者の増加を図る「温泉地・スキー場地区再生モデル事業費」は、前年度1450万円から、7509万8千円が要求されています。

 予算要求額は7億2714万4千円で、前年度6億5140万6千円に対し、7573万8千円(111.6%)と他の部局と比較し金額面では「ジミ」ですが、新規事業が多いことから期待するものです。

 長野県の観光は、外国人宿泊者数は、平成11年の46,689人から平成18年には184,055人と増加していますが、国内外の競争が激化する中、下記の通り、観光地利用者数・観光消費額ともに3年連続減少するなど、大変厳しい状況にあります。

 特に、本県の冬季観光を支えてきたスキー場の利用者は減少を続け、ピーク時の約三分の一となっています。


☆ 観光旅行者数   ピーク時(H3年)10,764万人
現  状 8,756万人(H18年)【81.3%】
 
☆ 観光消費額   ピーク時(H10年)4,565億円
現  状 3,241億円(H18年)【71%】
 
☆ スキー場利用者数   ピーク時(H4年)2,120万人
現  状 764万人(H18年)【36%】

 しかし、「宿泊業、飲食業、鉄道業、運輸業、みやげ品産業など幅広い分野を包含する観光産業は、長野県の基幹産業の一つであり、そのすそ野の広さから、観光産業の低迷が地域経済に与える影響は大きく、早急に活性化を図る必要があります。」(『観光振興基本計画の策定について』)(答申から)

 

 この点、先に策定された「中期総合計画」では、「地域を支える力強い産業づくり」の施策として「観光立県『長野』の再興」を掲げ、平成24年度までの達成目標として次の数値目標を設定しています。


☆ 県内の観光サービスに対する満足度 現状(H19年度)38.7%を50%以上へ

☆ 観光消費額 現状(H18年)3,241億円を4,000億円以上へ

☆ 観光地利用者数 現状(H18年)8,756万人を1億人以上へ

☆ 外国人宿泊者数 現状(H18年)18万4千を37万人以上へ


 今回、観光部が予算要求した事業内容は、こうした本県の状況を踏まえ中期計画に掲げた数値目標を達成するために計上したものですが、予算により行う事業や仕事により、毎年数字による結果が出るだけに観光部の皆さんには頑張って頂きたいと思います。

 また、県内の観光サービスに対する満足度が現状(H19年度)で38.7%と低いということは、行政の責任というより観光関係事業者等の意識改革やサービスの改善が求められるということです。
 訪れたお客様に接しサービスを提供するのは事業者であり、そこに働く皆さんです。
 その意味で、観光事業に携わる皆さんには「善光寺商法」的な体質を改め、県が本腰を入れて「観光立県」を目指す取り組みをする次年度に向けて、自らの「意識改革」と「サービスの見直し」を行う改革に本気で取り組んで頂きたいと思います。

 また、本県が「観光立県」を目指して行う様々な取り組みが県民に広く伝わり、観光客に対する「もてなしの心」のムードや、地元の観光資源を再認識する取り組みが県民の皆様の間に広まることを願います。

 県民所得の向上や県民に信頼される県政の確立を!

 以上、今回発表された県の部局の来年度予算要求概要の主な内容について紹介して来ました。
 また、この内容について冒頭に、本県の今後目指すべき方向を示した「中期総合計画」策定後、はじめて行う予算編成としては、予算要求概要では同計画を受けての予算であることが分かりにくことから、予算案の提案に当たっては、分かりやく県民が将来に夢が持てる提案をすべきであることを指摘しました。

 「中期総合計画」は、私は県民所得を全国平均以上にすることや、県民生活を豊かにし利便性を図るするために「何をなすべきか」を定めた計画であると思っています。
 そのために計画では、主要施策の数値目標で例えば「製造品出荷額」、「工場立地件数」、観光地利用者数」、「農業産物出荷額」、「育児休業取得率」、「市町村への権限移譲項目数」等々向こう5年間で本県の目指すべき姿を数値目標として示しました。

 しかし、今回発表された県の部局の来年度予算要求概要を見て思うことは、「中期総合計画」に定めたこうした数値目標と予算との関連が見えないため、意欲が感じられません。
 今後知事査定を経て示される予算案の提案に当たっては、数値目標と予算との関係や、実施にあたっての部局横断的取り組みの位置付けを明確にして欲しいと思います。

 中期総合計画を議決し、そのもとで提案される予算案について審議する2月定例議会に向けて、私はこうした観点に立って取り組みをしたいと思っていのす。