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2005.9.13

自治労長野県本部第87回定期大会への議会活動報告


 9月28日〜29日、佐久市において自治労長野県本部第87回定期大会が開催されますが、自治労組織内協力議員としてこの一年間の議会活動報告を提出しました。
 つきましては、私のHPをご覧の皆様にもその内容を公開しますのでご覧下さい。

はじめに

 昨年の第85回定期大会以降の私の県議会での主な活動について報告します。
 報告すべき定例議会は昨年の9月議会から今年6月議会ということになりますが、この一年間も長野県政は「山口村の越県合併問題」や「外郭団体の廃止問題」、「中越地震被災者への義援金問題」、「任期付き職員問題」「木製ガードレール問題・「高校改革プラン」、「ホテルを使っての人事問題」、「下水道業者の働き掛け問題」等々、多くの課題がありました。
 これらの課題の内、主に自治労に関係のある課題や私が力を入れて取り組んで来た課題等について報告します。

各議会報告

(1)2004年9月定例議会 (9月22日〜10月8日)

【山口村越県合併議案提出先送り等】
 9月議会へ提案され可決された議案は、一般会計補正予算案等の予算案10件、「一般職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」(寒冷地手当)等3件、「市町村の廃置分合について」「教育委員会委員の選任について」(松田泰俊氏・上伊那郡長谷村)等事件案8件です。
 また、継続審査中であった「県ふるさとの森林づくり条例案」を全会一致で可決しました。
 しかし、知事が9月議会直前となり、山口村と岐阜県中津川市の越県合併関連議案を提案しないとし、そのかわり合併の是非を問う県民意向調査を行うとして計上した委託費約906万円は、記名投票の結果、修正案に賛成42票、反対15票で一般会計補正予算案から削除されました。
 また、「高性能林業機械導入推進事業」(5025万円)については、「本来国庫補助事業を財源として計上すべき」とし、「信州の木マーケット開拓推進事業」(205万円)も、「任期付職員で対応可能」として、記名投票の結果、修正案に賛成40票、反対17票で一般会計補正予算案から削除されました。
 さらに、「SO大会参加支援事業」(2960万円)についても、「実行委員会の資金調達努力やこの間の経過が明確でなく、先行して予算化することは適当でない」として、記名投票の結果、修正案に賛成43票、反対14票で一般会計補正予算案から削除されました。
 私は、10分の持ち時間で一般質問を行いましたが、項目は以下の通りです。
■外郭団体廃止について ■浅川の治水対策について
■特別職の旅費制度の見直し案について ■決算書の説明責任について

(2)2004年12月定例議会 (12月2日〜12月23日)

【山口村越県合併問題で会期延長】
 山口村の越県合併議案をめぐって異例にも会期が2日間延長され23日閉会しました。
 この12月議会は山口村越県合併問題のほかに、しなの鉄道への103億円の県の債権放棄やSO世界大会へ県が6億円の支援を行う補正予算を可決、瀬良教育長の教育委員会委員再任議案の否決、春雨問題等知事給与等の3ヶ月間20%を減額する条例案の継続審査を決めたほか、県選挙管理委員4人と補充員4人をそれぞれ選出しました。
 なお、私からは自治労県本部や各外郭団体労組の皆さんと相談し「外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議(案)」を提出し、起立採決の結果、多くの議員の賛同を得て可決されました。
 また、私から「長野県議会人権施策推進議員連盟」の結成を呼びかけ、48名の議員の賛同を得て活動がスタートしました。
 私は、15分の持ち時間で一般質問を行いましたが、項目は以下の通りです。
■任期付き職員について   
■山口村の越県合併について
■新しい中長期ビジョンの策定について
■スペシャルオリンピックス冬季世界大会への支援について
■人権に関する施策について

(3)2005年2月定例議会 (2月16日〜3月24日)

【総務委員会が働き掛け問題等集中審議・予算の減額修正等に知事が再議】
 2月定例会は、開会前に発覚した知事の元後援会幹部(事務局長)であり下水道業者が、県下水道公社が管理する流域下水道処理施設の維持管理等の入札制度の変更について「働き掛け」を行っていた文書を、マスコミの情報公開請求に対し「不存在」としていた問題について、2月9日以降、議会開会後の議案調査日においても総務委員会において集中審議が行われるなど、当初から混乱しました。
 提案された予算案についても、5つの事業について計2億4千100万円の減額修正(広報事業費の・ITバス事業費・信州型木製ガードレールの設置事業費・環境保全研究所長の報酬・スキー王国NAGANO構築事業に係わる負担金の減額修正等)を行い、総額8千5百27億円余りの予算を可決するとともに、「長野県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例案」の修正可決、「長野県部落解放審議会条例を廃止する条例案」の否決、副知事人事案の否決、教育委員会委員人事案のうち一件を否決しました。
 この過程で田中知事は、議会の議決結果を不服とし、異例にも地方自治法第176条第1項の規定により「再議」を行いましたが、最終日の3月24日の投票採決の結果、再議反対45票、賛成12票で「再議」は否決されました。
 また、2月定例会へ私から「長野県基本計画の議決等に関する条例(案)」の提案説明を行いましたが、今後さらに議員の共通認識を高める意味で継続審査に同意しました。
 さらに、「長野県議会公共交通等調査特別委員会設置に関する決議」を全員賛成で可決し、特別委員会が設置されました。
 私は、県民協働・無所属ネットの代表質問を行いましたが、質問項目は以下の通りです。
■平成17年度予算(案)について ■事業評価について
■コモンズ支援金について ■中期計画の策定について
■組織の再編について ■市町村への権限移譲について
■任期付職員について ■山口村の越県合併後対応について
■外郭団体の見直しについて ■情報公開について
■治水・利水対策について ■人権施策の推進について

 なお、2月定例県議会は議会人事を決める議会でもあり、各議員の常任委員会や特別委員会の所属も改選され、私は以下の所属となりました。
○総務・警察委員会(再)
○公共交通等調査特別委員会(新)
 
(4)2005年6月定例議会 (6月23日〜7月11日)

【指定管理者制度導入議案を継続審査・100条委員会を設置】
 提案された議案は、平成17年度6月補正予算案(5億9,992万9千円)、長野県障害者福祉センター条例の一部を改正する条例案等、県有施設のうち21の施設と長野・松本地方事務所館内の県営住宅の管理等を、外郭団体等への管理委託から指定管理者に行わせる条例案10件、市町村の合併に伴う関係条例の整理に関する条例案等、条例の一部改正案、公安委員会委員の選任について、化学消防車の購入について、市町村の廃置分合について等事件案16件ですが、2件の事業費の全額削除(木製ガードレール設置費・コモンズ支援者購入費)、11件の条例案の継続審査、公安委員会委員人事案の否決という結果となりました。
 この内、指定管理者制度導入に関する議案については、自治労県本部や外郭団体労組の皆さんと連携を図り、雇用問題やサービスの内容が具体的でないとして継続審査を幹事長会等で主張し同意されました。
 また、総務委員会で審議打ち切りとなった田中知事の元後援会幹部による県下水道事業への働き掛け問題などを調査する、地方自治法100条に基づく調査特別委員会が記名投票の結果賛成44票、反対13票の賛成多数で設置されました。
 私は、これまでの本会議や総務委員会審議を通じて、疑惑があっても真実を語ろうとしないため、さらに疑惑が深まって行くことや、本来県民生活のために審議しなければならない課題の審議が委員会において出来なくなっている現状等から賛成しました。
 委員は17名で構成されることになりましたが、私も委員となりました。
 さらに、2月議会に議員提案され継続審査となっていた「長野県基本計画の議決等に関する条例案」は、一部修正の上、全議員の賛成により可決されました。2月議会で継続審査とした後、県議会全議員で構成する政策課題研修会実行委員会の主催により約250名の県民が参加し、この条例案等をテーマに研修会が行われました。
 なお、6月議会では私は一般質問を行いませんでした。


主な課題の取り組み報告と主張

(1)外郭団体団の雇用問題をめぐる取り組み

■西駒郷の指定管理者制度導入に伴う労働条件について

 外郭団体の見直しで12月議会での最大の課題は、今後30の県の公の施設に導入される予定の「指定管理者制度」について、初めてとなる「西駒郷条例の一部を改訂する条例案」が提案され、この議案への対応をどうするのかということでした。
 西駒郷について「改革実施プラン」では、「平成17年4月から事業団を指定管理者として全面的に委託し、平成19年度まで必要な県職員の派遣及び財政支援を行います。」、「平成20年度以降、他の民間社会福祉施設と同様、原則として支援費収入のみによる運営に移行します。」としています。
 しかし、平成20年度以降、支援費収入のみにより運営した場合、事業団が行っている試算では現在の職員(76人)の給与を約3割削減しなければ運営できないという予想もあり、このまま議案を認めることは、今後同様に指定管理者制度の導入を予定している公園公社や勤労者福祉センター、県民文化会館(文化振興事業団)にも同様の基準で給与削減が適用される恐れがあることや、同様に指定管理者制度を導入する市町村へもこの基準が一人歩きしてしまう恐れがあることから、西駒郷職員労働組合と社会福祉事業団との給与水準維持に関する「確認書」が取り交わされない限り、この議案は継続審議すべきことを県民協働・無所属ネットとして確認し、8会派の幹事長会議へも伝えました。
 そして、そのために西駒郷職員労働組合役員の皆さんに県議会に来ていただき、自治労県本部、県社会部、県民協働・無所属ネット議員と話し合い、この指定管理者制度の議案は第1号であり、今後の他への影響を考えると問題はただ単に西駒郷だけの問題ではないこと、そのため、総務委員会の議案採決日までに西駒郷職員労働組合と社会福祉事業団との給与水準維持に関する「確認書」を交わし、その写しをフアックスで私の手元に送ることが確認されました。
 そして、サービスの低下を招かないための重度の利用者のために加配する支援職員の人件費補助の継続や、支援費収入のみの運営だけでは困難なことから事業団が施設として行う新規事業等への県としての積極的支援についても確認しました。
 こうした経過から、12月8日には「事業団の改革実施プランの実施にあたっては、賃金・労働条件について、現在の水準を低下させないように努め、これらを変更するときは組合と協議し、両者合意の上で実施する。」とする「確認書」が交わされたため、そのことを8会派の幹事長会議にも伝え、今議会に提案された「西駒郷条例の一部を改訂する条例案」については賛成し可決されました。

■外郭団体の雇用問題に関する県の責任者は誰か問いただす。

 田中知事から外郭団体見直しで特命事項として雇用問題を担当していた任期付職員の中川参事が、11月末で退職してしまったことについて私は、12月13日行った一般質問で矢ケ崎人事委員会委員長の見解と田中知事の責任を問いました。
 また、私が「中川氏は、県が廃止を打ち出した外郭団体職員の雇用対策を担当していた。実際に外郭団体職員の皆さんとの交渉にも当たっていた。その人が途中で辞めてしまうということは、さらに県政の不信と雇用の不信を招くことになり県の信用問題となっている。」との問いに人事委員長は、「県の信用を落とさないように私も心から願っておるわけですが後始末につきましては理事者側の配慮をお願いしたい。」と答えました。
 そして、私が「外郭団体の雇用問題については当初阿部副知事が担当し、その後は中川参事が担当してきたが、お二人とも途中でお辞めになってしまった。今後、生活をどうするのか日々家族と向かい合い、不安な毎日を送っている外郭団体の職員の皆様にしてみれば、責任を持つと言いながら何ていい加減な人事かと、さらに不安を助長されているのが現実。知事はこうした事態にどのように責任を感じているか、また今後外郭職員の皆さんに信用される責任ある人事を誰にするのか。」と質すと、知事は「私どもの多くの職員のチームプレーによって外郭団体の見直しを行っていくところでございまして、ご懸念のようなことはないと思っている。」「実際に、行政システム改革チームが担当しておりまして、そのチームリーダーであります、轟寛逸が担当いたしております。またその上司にあたりますのは経営戦略局長であります松林憲治であります。」と答弁したため、議場からは「特命の担当を決めれば、また止まちゃうから置けないのか」とか、「松林局長じゃ信用できねえ。」等のヤジが飛びました。

■地域開発公団・緊急センターの等の雇用責任を求める。

 12月14日から各常任委員会が行われましたが、来年の4月1日に廃止される「がん検診救急センター」と「地域開発公団」について、職員の皆さんの再就職先が年末を迎えても決まっていないことから、関係委員会において具体的取り組みを迫りました。
 総務委員会では私から「救急センターでは、ここに及んでも再就職先が決まっていない職員の皆さんがいる。これは、医療技師とか看護士とか例えば県立病院への採用の道があるのに、何名、どんな職種に、どんな条件なら採用できるということを全く示していないことや、事務職でも同様に県職員のどんな職種に何名採用できるという案を示していないことに尽きる。例えば、民間にこういう就職先がありますと斡旋されても、後になって県職員の道があったということになりはしないか不安で判断できない。また、もう医療技術職はやりたくない、例え給与が安くなっても事務職をやりたいという人もいる。再就職先の選択は一生の問題であり、県職員への採用も含め多様な選択肢を示すことがなければ認められない。県職員として、どの様な職種に何名採用するのか、いつまでに示すのか。」、「地域開発公団についても、同様にいつまでに県職員への採用も含め多様な選択肢を示すのか。」といった趣旨を質しました。
 この問いに、行政システム改革チームリーダーと人事活性化チームリーダーは、それぞれ、「現在、県職員への採用については内部で人数等を含め具体的内容を検討しており、1月には示せると思う」と答弁しました。また、私から「1月とは、1月何日か」と質したのに対し、行政システム改革チームリーダーは「明確な日時は申し上げられないが、できるだけ早く」といった趣旨の答弁を行いました。

■「指定管理者制度」導入の理念と理由を問う

 12月議会の総務委員会で、私は県が導入しようとしている指定管理者制度について、ただ単に法律に位置付けられたからとって導入することが当たり前という姿勢では納得できない。法律は県が直営で行う選択を否定していないし、なぜ、指定管理者制度を導入するのか説明して欲しいと求めました。
 しかし、この問いに対して納得できる答弁は帰って来なかったため、例えば西駒郷の場合、支援費での運営となれば現在より3割給与が安くなるという試算がある。また、今回は社会福祉事業団を指定するとしているが、期限は8年間であり、8年後に他に候補者選定で競争相手が出てきて「公募」で管理者を指定することとなれば、事業団の職員は職を失うことになる。しかも、今後制度を導入する施設は指定期間が約3年であり、この制度の導入は給与の安い「任期付職員」を多量に生む結果となる。
 知事の目指す教育・福祉・環境・林業の分野に産業をシフトとし雇用を生み出すことは、給与の安い「任期付職員」や不安定雇用を作り出すことなのか、指定管理者制度の導入は知事の公約や本県が目指そうとしている「理念」との整合性が問われる。
 県民の所得水準、雇用レベルというものを、どの様に考えているのか。こんなことをやっていれば、気が付いたら県職員の皆さんの給与もいつのまにか下げざるを得なくなるということ。
 なぜ、長野県が直営でなく指定管理者制度を導入するのか、メリット、デメリット、そして、本県が進むべき方向も含め知事の理念と照らし、次回の委員会までに、長野県としての考えをまとめて資料として示して欲しいと求めました。
 しかし、その後の2月議会を経ても、明確な資料は示されませんでした。
 また、こんな状況の中で、6月定例議会には指定管理者制度導入に関する10件の条例改正案が出されましたが、自治労県本部や外郭団体労組の皆さんと相談し、雇用問題やサービスの内容が明確でないことから継続審査としました。

■「外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議」を可決

 昨年の12月議会において、自治労県本部や外郭団体労組の皆さんと相談した結果、私から「外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議(案)」を提出し、起立採決の結果、「あお空」の2名が反対した(理由は不明)以外の議員の賛同を得て決議案は可決されました。
 この決議について私の行った提案理由及び決議の内容は以下の通りです。

●私の提案説明
 私から「外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議(案)」の提案説明をさせていただきます。
 行政機構審議会は、「外郭団体見直し専門委員会」報告を踏まえ、外郭団体改革基本方針、そして、「改革実施プラン」を策定し、解散、廃止、指定管理者制度への移行等のスケジュール及び具体策を公表しました。
 しかし、これらの団体に働く職員の皆さんからは、県の都合で設置したにも係わらず、また県の都合で廃止しようとしているのに、「外郭団体見直し専門委員会」の検討の過程から、「改革実施プラン」を公表するまでの経過の中でも、各団体に働く職員の皆さんの雇用問題について、明確な責任ある具体策が示されておらず、納得できないという声があがっています。
 また、これまでの議会審議でも県に責任ある対応を求めて来ましたが、「改革実施プラン」では、「団体の運営は、県の関与により運営されてきていることから、プロパー職員の処遇について団体及び県が協力し、責任を持つ」としているものの、団体ごとの「実施プラン」では「県は団体の主体的な取り組みを尊重する」などとして、雇用問題に対する県の腰の引けた姿勢が見て取れます。
 「外郭団体見直し専門委員会」の検討過程で「いやしくも廃止という方針の団体について県が責任をもって雇用問題に取り組まないというのであれば、そのような団体を廃止すべきではないと委員会は考えます。県の出した骨子では『腰が引けており、あまりにも県が実質的に外郭団体を支配して来たことに目をつぶった形式論である、と考えます。』県としての責任をしっかり果たすことは、団体廃止の条件であると考えます。」という指摘を受けましたが、そのことは今でも同様にあてはまる現状と言わざるを得ません。
 これまで県が支配して来た体制を改め天下りを廃止し派遣職員を削減する、或いは時代の変化のなかで役割を終えた団体を見直すことを否定するものではありません。
 しかし、「改革」「改革」と言ってこれまで団体を設置し支配して来た責任を明確にせず、団体職員として尽くされて来た皆さんの将来に不安を抱かせ、一人抜け二人抜けというような職員の自己処理を待っているかの様な対応だとすれば、それは絶対に許すことはできません。
 また、組合と確認書を交わした県救急センターでは廃止される来年の3月を目前としても多くの職員の皆さんの再就職先は、まだ決まっておらず、廃止を決めた県としての責任が、今、正に問われているのです。
 以上、「外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議(案)」を提案するに当たっての説明とさせていただきますが、何とぞ全議員の皆様のご賛同によってこの決議を可決いただき、師走を向かえ、この問題で対象となっている外郭団体職員の皆さんや家族が、明るい気持ちで新年を迎えることができますように、知事はじめ理事者の責任ある取り組みを強く求めるものです。
 議員の皆様のご賛同を重ねてお願い申し上げ、提案説明とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願い致します。

資 料1

外郭団体の改革に伴う職員の雇用問題の解決を求める決議

 県は本年6月、外郭団体に係る「改革基本方針」を策定し、県土地開発公社、県勤労者福祉事業団、県建設技能振興基金、県漁業信用基金協会、県林業公社、県道路公社、県公園公社、県学生寮及び県地域開発公団の9団体の廃止方針を決定した。
 県はその後9月に策定した「改革実施プラン」の中で、これらのうち、プロパー職員の雇用等の課題を有する団体について、その再就職を支援する方針を示しているが、団体の廃止方針を決定する過程において、廃止によって重大な影響を受ける職員との十分な協議がなされず、合意がないまま方針が決定されたことから、職員の間で将来の雇用不安が高まっている。
 また、中信地域への救命救急センターの設置に伴い、廃止の方向である県救急センターのプロパー職員の再就職についても、十分な配慮が望まれる。
 よって、県においては、こうした点を踏まえ、外郭団体の改革に当たっては、団体や職員との十分な意思疎通に努めるとともに、県の責任において職員の雇用問題を解決するよう、強く求めるものである。
  以上のとおり決議する。

2004年12月13日

長  野  県  議  会

(2)「公共交通等調査特別委員会」を設置。

 2月定例県議会は3月24日の本会議で、「長野県議会公共交通等調査特別委員会設置に関する決議」を全員賛成で可決し、特別委員会が設置されました。

 この特別委員会は、12月議会での「しなの鉄道」への103億円の債権放棄の議案をめぐり前から議会内には設置の動きがありましたが、今後、新幹線長野以北開通に伴う平行在来線の存続の問題や、「しなの鉄道」の長野〜篠ノ井駅間の問題、JR中央東西線の輸送力強化と高速化の課題、松本空港活性化の課題、高速バスの利便性の課題、市町村の地域交通への支援の在り方等を広く検討し、「長野県新交通ビジョン」の見直しも視野に議会として取り組む必要性があることを全議員が認め設置されたものです。
 委員の定数は全会派から一名以上委員が出せるよう15名とし、私も委員となりました。
 これまで議会内には、「しなの鉄道」への103億円の債権放棄をめぐり、南信議員からは新幹線やしなの鉄道など公共交通について東北信に財政投資が偏っているとの指摘が強く出されていますが、委員構成は中南信議員10名、東北信5名という構成となりました。

(3)地方自治法100条による「調査特別委員会」設置議案を可決。

 7月4日の県議会本会議において、これまで総務委員会において集中審議して来ました元田中知事の後援会事務局長で下水道業者である方の入札制度に関する県職員等への働きかけや、知事後援会の経費を使っての県職員の人事がホテルで行われていた問題等々について、依然として不透明な課題が多いことから、地方自治法第100条第1項の規定にもとずく「調査特別委員会」(100条委員会)の設置が提案され、賛成44、反対13の賛成多数で可決されました。
 この地方自治法の100条による調査特別委員会が設置された場合は、「民事訴訟に関する法令の規定中証人の訊問に関する規定」が適用され「出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係者が、正当な理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。」こととなり、「虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する。」という規定が対象となります。
 私もこの議案に賛成しましたが、その理由はこれまで総務委員として集中審議を行うなかで、誠実な答弁を行わないため無駄な時間が費やされることや、疑惑があっても真実を語ろうとしないため、さらに疑惑が深まって行くことから、本来県民生活のために審議しなければならない課題の審議が出来なくなっているからです。
 7月4日に100条委設置を議決して以降、6日から総務委員会の審議がはじまりましたが、疑惑の真相究明が100条委に移たことから、ようやく正常な審議に戻りつつあると思いますし、県民生活のために緊張感ある委員会になりつつあると実感しています。
 私も、調査特別委員会の委員となりましたが、政治不信を招いている「政治の裏と表」が明らかとなるよう、周到な調査活動を行いながら真相を県民の皆様に明らかにするため努力する決意です。
 100委員会に調査が付された事項は、(1)県下水道事業に対する知事後援会幹部の働き掛けに関する事項、(2)「下水道関係の働き掛けに関する文書」に係る公文書公開請求に関する事項、(3)県の事務等に対する知事後援会の関与及び費用負担に関する事項、(4)住民基本台帳ネットワークシステムへの侵入実験に関する事項ですが、今日まで継続して証人訊問が行われ、(1)と(2)の課題については知事の訊問の実施も含め、9月議会中には一定の問題点の整理が行われることになると思います。

(4)「基本計画の議決等に関する条例」を全議員の賛成により可決!

 2月議会で私が提案説明を行い、継続審査となっていた「長野県基本計画の議決等に関する条例案」は一部修正し、7月11日の本会議で全員賛成により可決されました。
 この条例案は8会派により研究会が設置され約一年間検討した結果、先の2月議会に提案しましたが、発足当時、研究会に参加を呼びかけなかった会派から研修会等を開いて、議会全体で検討する場を設けて欲しい等の要望が出され継続審査となっていました。
 その後、6月18日には野村稔氏(元全国都道府県議会議長会調査部長)等を招いて、県議・市町村議員を中心に県や市町村職員、県民等約250人の参加を得て「政策課題研修会」を開催しました。
 そして、これらの経過を踏まえ、総務委員会で私から研修会で野村氏から出された第6条中の「地方自治法第99条の規定により、意見書を知事に提出するものとする」規定は、「当該普通公共団体の機関は含まない」とする指摘は、「当該普通公共団体の機関ももとより含れる」という解釈が一般的であるが論点として誤解を受けないよう、他県が条文化している「知事に意見を述べることができる」とするとともに、2月議会以降、附則第4項第16号の「長野県子育て応援プラン」が失効し、同プランに代わるものして「信州はぐくみプラン」が策定されたため名称変更をする修正案を提出し了承されたものです。

 私は、この条例が「全議員の賛成」で可決されたことは今後の県政運営にとって大きな意義があると思います。
 それは、誰が知事であっても県民参加のもとに本県の進むべき姿や目標を具体的に示し、その計画に基づいて堅実な県政運営をして欲しいという議会の意志表示であり、しかも、条例制定は県の法律である以上、効力を発することとなり、これまで策定を拒否している「中期計画」について、知事は「通常の常識」で考え、二元代表制(車の両輪)における一方の議会全員の意見として策定作業に入るべきであるということです。
 これまで、私は知事が昨年の総合計画審議会の答申を受けて、委員の附帯意見の尊重や充分な県民参加の手法を取らず、部長会議で本県の中長期ビジョンとして「未来への提言 コモンズからはじまる信州ルネッサンス革命」を決めてしまい、その後、この分かりにくい「未来への提言」を具現化する動きがあったにも係わらず、その仕事さえ止めて、今年の予算編成に当たっては、いきなり「予算編成方針」を策定し、場当たり的な「思い付き予算」を計上したことを問題視して来ました。
 こうした事態に議会が、提案された予算の減額修正や条例の否決や継続審査のみならず、日常の県政運営が、いつ、どこで、誰から、要望があり事業を予算化するのか、予算化する場合の効果の検証や事後評価、客観的な県民満足度調査を含め堅実な県政運営を求めることは、ごく当たり前のことだと私は思っています。
 例えば、県はこの間9月議会への条例提出を目指して県の大幅な「組織再編(原案)」を作成しました。
 しかし、6月24日に県職労の主催により開催された「県民本位の県組織再編について考える」という研修会に私が参加した時、問題提起とし「県行政をすすめるうえでその組織はどうあるべきか」のテーマで講演された樹神茂三重大学教授は、本県の「組織再編(案)」について「なぜ、この様に組織を変えるのか。コモンズの理念が新しい総合計画の中で具体化され、位置付けられているのか分からない。」「三重県では、組織改革と総合計画の見直しが同時並行的に行われた。」「関係市町村や住民参加の手法がとられ、県民の生活圏で計画を調整して行くのが本来の姿」と指摘しました。
 この指摘は、私は本県の全ての施策について該当すると思っています。
 約一年半の歳月を経て、ようやく6月定例県議会において制定されたこの条例は、「二元代表制」と言いつつ地方議会の権限が低い現状を少しでも改善するために役立たせようとするものであり、県議会のみならず県内市町村に条例制定が拡がることを期待するとともに、何よりも「真の県民益」のため、場当たり的でなく、堅実で計画的な現知事の県政運営を求めるものです。
 なお、2月議会における条例案の提案説明と質疑及び6月議会で可決された条例は以下の通りです。

資料2

2月議会での私の条例案の提案説明と質疑。

「基本計画の議決等に関する条例(案)」の提案説明

 2月定例県議会、3月9日の本会議において、「長野県基本計画の議決等に関する条例案」について私が提案説明を行い、質疑が行われました。
 その内容は以下の通りです

 議第7号「長野県基本計画の議決等に関する条例(案)」につきまして提案説明を行います。

 明治維新以来の改革と言われる「地方分権一括法」の制定は、「機関委任事務」等を廃止し、国からの「官治・集権政治」を、市民からの「自治・分権政治」への方向を示しました。
 そして、この間の「三位一体改革」での国から地方への財源移譲はこの趣旨からすれば不十分なものであり、今後、地方自治体が市民と一体となり積極的な働きかけを行わなければならないと思いますが、時代は確実に国から地方への自主権を推進し、地方分権から地方主権の確立へと動いています。
 こうした流れの中で、先駆的に市民のための地方主権を確立して行くためには、地方自治体の政策立案機能や法務部門の強化が求められるとともに、議会側にも同様の機能強化が求められています。
 しかし、現地方自治法のもとでは幾多の弊害があり、この点について全国都道府県議長会では各県議会の意見を集約し、「二元代表制」における長と対等の議会権限の位置付けを課題として国に法改正を求めて来ました。しかし、知事会等の抵抗もあり、これまでに議会常任委員会等での「公聴会」及び「参考人の出頭」、「議会運営委員会」の常任委員会としての設置、「政務調査費の交付」等が位置付けられましたが、肝心の予算の増額修正など議会の「議決事件」の拡大などについては改正されないまま今日に至っています。
 これらの課題について全国都道府県議長会の委嘱を受け検討を行った「都道府県議会制度研究会」の「地方分権と都道府県県議会について」の報告書(平成10年1月)では、「地方自治法は、議会の議決事項を15項目に限定し、そのほかは条例で規定することにより追加できることとしている。これらの議決事項は、地方自治法の制定以来、50年の間に若干の変更はあったが、その間、社会経済情勢は大きく変ぼうしてきているので、地方自治法第96条第2項を積極的に活用するほか、さらに議決事項を追加する等、地方議会の権限を強化する必要が出てきている。」と指摘しました。
 そして、この指摘はこれまでに、三重県、宮城県、岩手県にはじまり11県議会において議員提案による「基本的な計画について議会が議決すべきことを定める条例」等の制定として全国的に拡がりつつあります。
 これらの一連の経緯を踏まえた上で、本県においても執行部と議会が文字通り「車の両輪」として地方主権時代への県政の果たす役割を自覚し、明日に向かって「県民が信頼し安心できる県政」を確立するため8会派が研究会を設置し一年以上に渡って検討した結果、この条例案を提案するものです。

 次に、条例案中、主な項目について、ご説明申し上げます。
 第1条の目的につきましては、県民に開かれた、透明性の高い県行政を計画的かつ効果的に推進するためには、県の基本的方向性を定める構想や計画を、県民に分かりやすい形で定めることが必要であり、そして、こうした県の基本的方向を定める構想、計画の決定に当たっては、県の執行機関と議決機関が共通の認識の下でこれを定め、その進捗については、政策評価を行うことにより明らかにしながら、県民にとり透明性の高い県政運営を進めることが重要です。
 この条例は、このような認識に立ち、地方自治法第96条第2項の規定に基づき、県行政に係る基本的な計画等を議決事件とするとともに、それに伴う手続きについて定めるものであり、第1条は、こうした条例の目的を示したものです。
 次に、第2条は、地方自治法第96条第2項の規定により、議会が議決すべき基本計画等について定めたものです。
 この目的は、「透明性の高い県行政の計画的かつ効果的な推進」であり、この観点から、県行政の基本的方向を示す「基本構想」と、これに基づく基本計画については、その重要性に鑑み、議決事件としているものです。
 特に、基本計画と地方自治法との関係について述べておきますが、地方分権の進展に伴い、県の自己決定、自己責任による政策遂行の余地が広がる中、県の基本政策を定める総合的計画の重要性が高まっていることから、他県においても同様の制定例が増えていること、また、基本構想は「構想」であり、これをどう具体化し、どのような施策を実施していくのかという基本的計画を議決事件にすることにより、「透明性の高い県行政の計画的かつ効果的な推進」に資すると考えられることから、議決事件としたものです。
 第3条については、第2条にいう基本構想や基本的計画以外の県の分野別の方向性を定める計画について、議会への「報告」の対象とする旨を定めたものです。
 これは、第2条にいう「基本構想」や「基本的計画」に基づいて、社会、衛生、農政、林務、商工、生活環境、土木、住宅、文教といった県行政の各分野において、どのような施策を展開するのか、その基本的方向性について、議会としても報告を受けるとともに、条例案や予算案の審議等を通じ、執行機関と協力してこれらの施策の促進を図る趣旨によるものです。
 第4条については、県行政の基本的方向を示す、第2条の「基本的計画」の策定・変更については、最終的には議会の議決を経ることを要するものですが、その決定過程に議会としても参画し、「基本的計画」を執行機関と議決機関が共通の認識の下に策定する趣旨により、案の段階で、概要を議会に報告すべき旨を規定したものです。
 また、案の概要については県民に公表し、その意見を聴取すべき旨を併せて規定したものです。
 第5条については、県の基本的方向を定める「基本構想」及び「基本的計画」の実施状況については、県民にとり透明性の高い県政運営を進める観点から、政策評価を明らかにすることが重要であり、この条は、こうした考え方に基づき、基本構想や基本的計画に基づく主要な事業の実施状況について、政策評価を執行機関において加え、議会に報告した上で公表するよう義務づけるものです。
 第6条は、基本構想や基本計画を新たに作る必要がある場合や、これらの計画等を変更したり、廃止する必要があるという場合、また、計画と実施状況が乖離した場合において、議会として知事に対し必要な意見を述べることとしたものです。

 以上が条例案の主な提案説明ですが、次に本県にとってのこの条例の必要性について若干補足しておきたいと思います。
 今、2月定例会において、代表質問や一般質問を通じて本県が昨年の部長会議において「中長期ビジョン」として決定した「未来への提言 コモンズからはじまる信州ルネッサンス革命」は抽象的であり、本県の目指す姿が多くの県民に理解出来ないので見直すべきこと。
 また、「未来への提言」を具体化するための「戦略方針」の策定を中止し、平成17年度予算編成を行うにあたり「施策方針」を作成し予算案を提案しましたが、予算編成過程の県民への公開や事業評価の予算への反映状況の不透明さが「思い付き予算」と指摘され、県民に説明責任が果たせる堅実な県政運営のための「中期計画」の策定を求める意見が多く出されました。
 しかし、知事は、これまで「車の両輪」であるとして来た、議会側のこれらの意見を否定し、「中期計画」を策定する意思のない答弁を行いました。この姿勢からは、多くの県民が明日に希望を持ち県政を信頼し安心感の持てる展望は生まれて来ません。
 その意味で、今議会にこの条例案を提案する理由は、正に、今こそ、地方主権時代をリードする県政の役割や在り方、今後進むべき方向を、県民参加のもと原点から検討し中期計画として示すこと。さらに、その手法として、県民、県民が選んだ知事と議員、そして職員が双方向で真剣に論議し、地に足の付いた明日の長野県を創造するテーブルが必要であると判断したからです。
 また、そのためにこの条例案に定義されている意味は、長期構想〜基本計画の策定と県民参加〜分野別計画の策定〜客観的な政策評価及び事業評価の確立と結果の報告、事業評価結果の予算への反映や予算編成過程の透明化、決算への説明責任など県民に分かりやすく信頼される行政システムの確立ということです。

 最後に、知事がこれまで信頼して来ました五十嵐敬喜法政大学教授が尊敬している、日本に市民自治という理念を確立した松下圭一法政大学名誉教授が「転換期の自治体計画づくり」で主張している内容を紹介したいと思います。
 それは「今日の日本の<転換期>という構造要因による自治体の財源縮小をめぐって、スクラップ・アンド・ビルド方式による政策再編・組織再編・職員再編という<自治体再構築>が、2000年分権改革とあいまって緊急課題となっている今日こそ、情報公開をふまえながら、市民、長、議会、職員の『合意』を目指す<自治体計画>の策定が不可欠となっている。当然、分権改革にともなう自治体の政府としての自立、行政膨張(ぼうちょう)よりも困難な行政縮小を課題とする自治体財務への緊急対応、都市型社会さらに少子高齢化ないし人口減をふまえて市民自治型の政策再編をめざした市民参加、職員参加、また長・議会による決定という計画策定手続、つまり<合意>の手続きの不可欠性があらためて再確認される。今日の自治体計画不要論は、市民、長・議会、職員間の合意が急務となる、困難な<自治体再構築>から、無責任にも『逃亡』をはかっているといわざるをえない。」というものです。
 「官治・集権政治」から「自治・分権政治」を確立し、主権を一番身近な地域で生活する「住民自治」に確立することが問われている今日、その目標を逃げることなく中期計画策定により具体的に示し、「車の両輪」である県議会へ正々堂々と説明責任を果たすことを求めるものす。
 議員の皆様には是非ともこの条例案の趣旨をご理解いただき、ご賛同賜りますよう、お願い申し上げまして、提案説明と致します。

「条例案」に対する質疑の概要

石坂千穂議員(質問者)
 第1条に「この条例は、基本計画の策定等を議会の議決事件として定めること等により、透明性の高い県行政の計画的かつ効果的な推進に資することを目的とする。」とあるが、なぜ透明性を確保するために議決事件とすることが必要なのか。
 この条例で、議会が知事の提案する県の基本的な計画を議決事件とすることによって、公約に基づく知事の政策決定権、執行権、これを損なうことにはならないか。
 議決する側の議員の側に、多数会派の意見が優先して県の基本計画が決まっていくという点での危惧がありますが、その点はいかがか。

竹内久幸議員(答弁者)
 なぜ議決要件とすることが必要なのかは、現行の地方自治法では、二元代表制と言われる中で議会の権限が知事に比べて弱いため、議会のチェック機能をどう果たしていくのかというときに、地方自治法に定める議会に諮るべき議決の中身を許された範囲の中で広げることによって、それを審議し、そして議会側も政策的にものを言って、県民の負託に応えていくという機能の強化が図られると考えている。
 また、今まで、長野県議会も県の総合計画を審議する総合計画審議会など各種審議会にそれぞれ委員を出していましたが、実質的に審議会の自主性を尊重しようということで委員を引き揚げた経過がある。議会はチェック機関であるという意味では、そうした今後の県政の展望については議案として諮って、しっかり審議をしていくという機能も大事ではないかなという判断をしている。
 執行権について抵触しないかについては、計画をつくる段階の作業は、当然県民の皆さんの意見も聞きますし、知事の公約も入るし、あるいは議会との論議もその中にまた含まれていくのが筋であり、また、市町村の長期構想は議会に諮ってつくることが地方自治法に決められております。そういう事例からしても知事権限に抵触しないという整理をさせていただいており、他県についても同様の解釈です。
  したがって、今後こうしたことが全国的に広がっていけば、地方自治法の改正という動きにつながっていくんではないかなという展望も考えながら提案をさせていただいている。
 当然、議会構成というのも、民意によって選ばれたという背景があり、議会に諮ることによって民主主義のルールに従って議決されていくことですから、確かに言われることは事例としてあり得る可能性はある。ただ、実質的には、計画そのものについてどのように県民の皆さんの意見を反映していくかという原点が、取り組みの過程も含めてこの条例で規定しておりますので、その過程から地方分権にふさわしい対応をとっていただくということに尽きるのではないかと考えている。

石坂千穂議員(質問者)
 この条例案の検討の手続民主主義を保障するために、例えば委員会や閉会中の審議も含めて、学識経験者など参考人の意見聴取、あるいは総務委員会に委員がいない会派も含め、全会派での協議の場所、議論の必要性などについてはどのようにお考えでしょうか。

竹内久幸議員(答弁者)
 委員会付託は、こうした条例ですから、ぜひ省略しないでやっていただきたいということも申し上げて、こうした手続をとっているわけです。
 したがって、議会の通常のルールの中で、御審議いただく中で判断を出していただきたい。

石坂千穂議員(質問者)
 これは非常に重要な案件ですが、もろ刃のやいばでもあると思います。それだけに、議会の手続民主主義、十分な審議が非常に必要と思いますので、私は、参考人招致、それから全会派での協議の場所が必ず必要と思いますが、提案者全体のお考えについてお伺いをしたい。

竹内久幸議員(答弁者)
 会派制をとっている県議会の中で、共通した課題を持った会派が集まって研究会をしてきたという経過でございますし、会派として独自に大学の先生を呼んで勉強した経過や、各会派それぞれ持ち帰って仕上げてきたものもあろうかと思います。そういう過程の中ででき上がった条例であるということは御理解をいただきたい。

資料3

長野県基本計画の議決等に関する条例

 (目的等)
第1条 この条例は、基本計画の策定等を議会の議決事件として定めること等により、透明性の高い県行政の 計画的かつ効果的な推進に資することを目的とする。
2 計画等のうち条例の規定に基づき策定等をするものに係るその手続その他の取扱いについては、当該条 例に定めるもののほか、この条例の定めるところによる。

 (議会の議決すべき事件)
第2条 次に掲げる計画等(以下「基本計画」という。)の策定、変更(第2号に掲げる計画にあっては、当該計 画の実施方針、実施期間及び主要な目標に係るものに限る。)又は廃止は、地方自治法(昭和22年法律 第67号)第96条第2項の規定により定める議会の議決すべき事件とする。
(1) 県行政の総合的かつ計画的な運営を図るための基本構想
 (2) 前号に掲げるもののほか、県行政全般に係る政策及び施策の基本的な方向を定める計画

 (議会へ報告すべき事件)
第3条 知事その他の執行機関(以下「知事等」という。)は、県行政の各分野において基本的な方向を定める 計画、指針その他これらに類するもの(実施期間が3年未満のものを除く。以下この条において「計画等」と いう。)を策定したときは、次に掲げる事項を議会に報告しなければならない。
(1) 当該計画等の実施方針
 (2) 当該計画等の実施期間
 (3) 当該計画等の主要な目標

2 知事等は、計画等の変更(前項各号に掲げる事項の変更(軽微なものを除く。)に限る。) 又は廃止をした ときは、その旨を議会に報告しなければならない。

 (基本計画の案の報告等)
第4条 知事等は、基本計画の策定又は変更をしようとするときは、あらかじめ、その案の概要を議会に報告 するとともに、一般に公表し、県民等の意見が反映されるよう必要な措置を講じなければならない。

 (実施状況に対する評価の報告等)
第5条 知事等は、毎年、基本計画に基づく主要な事業の実施状況に対する評価を行い、その概要を議会に 報告するとともに、一般に公表しなければならない。

 (知事への意見)
第6条 議会は、次に掲げる場合には、知事に意見を述べることができる。
(1) 計画的かつ効果的な県行政の推進のために新たに基本計画を策定する必要があると認めるとき。
 (2) 社会経済情勢の変化等により、基本計画の変更又は廃止をする必要があると認めるとき。
 (3) 基本計画に定める事業の進捗状況を勘案して、その実施を推進する必要があると認めるとき。

附 則

 (施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。

 (適用関係)
2 この条例の規定は、この条例の施行の日以降に策定される基本計画等について適用する。

 (既存の基本計画等に係る附則第2項の特例等)
3 この条例の施行の際現に策定されている未来への提言については、第2条第1号に規定する基本構想に 該当するものとし、前項の規定にかかわらず、同条及び第4条から第6条までの規定を適用する。

4 この条例の施行の際現に策定されている計画等で次に掲げるものについては、第3条第1項に規定する計 画等に該当するものとし、附則第2項の規定にかかわらず、同条の規定を適用する。
(1) 県政改革ビジョン
 (2) 財政改革推進プログラム
 (3) 長野県男女共同参画計画
 (4) 長野県老人保健福祉計画・第2期介護保険事業支援計画
 (5) 長野県障害者計画
 (6) 第四次長野県保健医療計画
 (7) 長野県環境基本計画
 (8) 長野県水環境保全総合計画
 (9) 長野県科学技術産業振興指針
(10) 長野県観光振興基本計画
(11) 産業活性化・雇用創出プラン
(12) 2010年長野県農業長期ビジョン
(13) 2010年長野県森林・林業長期構想
(14) 長野県景観形成基本計画
(15) 長野県教育長期構想
(16) 信州はぐくみプラン

(提案理由)
  基本計画の策定等を議会の議決事件として定めること等により、透明性の高い県行政の計画的かつ効 果的な推進に資するため

(5)「長野県地方警察職員定数条例の一部を改正する条例案」の修正

 2月定例議会に県職員40名を交番へ出向させる警察職員の定数改正条例案が提案され、県職労と相談した結果、出向とは言え警察は本部長の指揮下での仕事であり組合員の団結権が無くなることや下記の理由により、修正案を提出し修正が可決されました。
 地域における交番は、県民から信頼され、拠り所となっており、警察官としての経験がない県職員の交番への配置は、県民が不安を抱くものであり、また、警察業務の独立性の問題や出向する職員等との十分な合意が得られていない。
 また、県警が進めていた空き交番への警察OBの「交番相談員」としての配置は、その地域に精通した警察官OBを前提としており、国の定めた「交番相談員設置要綱」では、「交番相談員は、退職した警察職員をもって充てるもの」とされており、平成16年度の警察費の基準財政需要額に141人分の交番相談員の経費(約2億9,680万円)が積算されているにもかかわらず、15名しか配置していない知事の姿勢が問われました。
 また、「警察活動費の執行に当たっては、今日、治安情勢が悪化する中、県民が安心して暮らせ、信頼される警察として、空き交番の対策を充実する必要があるため、交番相談員の配置については、平成17年度の15名の配置を大幅に拡充し、少なくとも40名増員するよう再考すること。」とする「警察活動費の執行にあたっての付帯決議」を可決し、6月議会補正への対応を求めました。
 しかし、知事は6月補正へも提案しなかったことから、6月議会においても「交番相談員の増員を求める決議」を行いました。

解 説 

 2月議会での総務警察警察委員会審議で委員の求めに応じ警察本部が今年4月18日〜27日の間、県下90交番を対象に行った「不在実態調査」の結果が資料として提出されました。
 それによると、来訪者が多い時間帯である午前6時〜午後6時までの12時間の調査対象時間のうち、一日当たりの全交番の平均不在時間は6時間12分で、不在時間が6時間(半分)以上の交番数は52箇所(約58%)、最長不在時間は7時間54分、最短不在時間は4時間30分という驚くべき結果です。
 さらにこの調査結果から報告された特徴は、事件・事故等の発生が多く、警察官の体制が弱い交番ほど不在時間が長くなる傾向があり、不在時間が7時間以上の交番の多くは、事件・事故等が多い長野市、松本市、上田市、飯田市等の都市部の交番であること。不在時間が皆無の交番はなく、全ての交番で警察官の不在が生じているとのことです。
 空き交番対策については、ここれまで県警では、県政世論調査で住民要望の高い「パトロールを強化して欲しい(1位)」、「交番に常時警察官がいて欲しい(4位)」とする相反する課題に応えるため、国が制度化している警察官OBの豊富な経験による「交番相談員」制度を活用し、これまでの15名の相談員に加え新たに17年度40名、18年度43名の増員計画をたて、17年度当初予算で要求しました。
 しかし、知事査定で知事は県財政厳しい折り県職員を相談員として派遣するとして、この相談員40名の予算を計上しませんでした。
 また、6月議会を前に県警では、先に記載した「不在実態調査」を行うとともに、全国の交番相談員増員状況等も調査のうえ6月補正に計上するよう再び40名分(5,545万1千円)の予算を要求しましたが知事査定で認められませんでした。
 予算計上しなかった理由について総務警察委員会で私が質すと、岡警察本部長は「財政が厳しい等々」と答弁しましたので、私が「等々ということは、知事査定の際他に理由を言っていたといういうことですか。」と尋ねると、岡本部長は「議会が県職員派遣を認めなかった」とも話していたことを認める趣旨の答弁を行ったことから、知事の議会に対する感情的な判断も含まれていると私は思います。
 しかし、県警が委員会に示した「全国の交番相談員増員状況一覧表」によれば、交番相談員の今年4月現在の配置率は16.7%で全国47番目の最下位であり、先に記載した「不在実態調査」の驚くべき結果を厳粛に受け止めれば、県民の「安心・安全」を一日も早く確立するために、感情的にいつまでも議会の責任(人の責任)にして対立を煽っている姿勢は、県民生活に責任ある行政の長として取るべき態度ではないと私は思います。
 警察委員会で私が今回の知事査定で「交番相談員の今年4月現在の配置率は16.7%で全国47番目の最下位」という「説明を知事に行ったか」という趣旨の質問をしたところ、県警からは「説明した」趣旨の答弁が帰って来ました。
 であるならば、知事は県民の「安心・安全」のための交番相談員配置予算5,545万1千円を計上せず、なぜ「手元不如意」と言いながら木製ガードレール予算のさらなる増額に固執しているのか、費用対効果も含め県民に分かりやすい説明を行うべきです。
 総務警察委員会で私は、「不在実態調査」の驚くべき結果や、「交番相談員の今年4月現在の配置率は16.7%で全国最下位」という現実が明らかなった以上、県民生活を守るため、早期に予算措置を行うよう議会意志を示す必要があると提案し、総務警察委員会として「交番相談員の増員を求める決議(案)」を本会議に提出しました。
 この決議案の本会議の採決では、起立対決の結果、反対理由は分かりませんがなぜか2名の議員が起立しなかったと思いますが、賛成多数で可決されました。
 9月議会には、信号機等の交通安全施設整備費の増額も含めて、この交番相談員を配置するための補正予算を知事が計上することを願っています。

おわりに

 以上、紙面の都合上前定期大会以後一年間の主な活動報告をさせて頂きました。
 報告しました内容は現県政の課題にとって、ほんの一部であり、もっと詳細な内容についても是非自治労組合員の皆様には私のホームページ等をご覧いただき、ご意見やご提言をいただければ幸いです。
 また、メールマガジンも不定期ですが配信しておりますので、HPから登録いただければ幸いです。
 世論調査によれば田中知事の支持率も30〜40%台となり、県議会運営もさらに大変な状況となっています。今後、外郭団体の見直しと指定管理者制度への対応や県の大幅な組織改正、100条委員会の審議も大詰めを向かえますが、公務員パッシングの嵐の中でも、自らの労働条件を「既得権」と言われても守らなければ県民の雇用や所得に影響することは事実であり、今後も自治労の皆様と連携し県民に信頼される堅実な県政を確立するため全力で頑張る決意です。
 最後に、日頃の自治労の皆様のご支援に感謝申し上げるとともに、先の総選挙で「郵政民営化」を争点とした結果、自民党が圧勝したため、さらに「民間でできることは民間で」のスローガンのもと「市場化テスト」の導入等、公務員パッシングから具体的な攻撃が打ち出されると思いますが、ともに闘いましょう。


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