2003年9月のニュース

「部落解放審議会答申の尊重を求める請願」採択に対する県の回答について     2003.9.20   ▲戻る

 7月定例県議会において部落解放同盟長野県連合会から出された「長野県部落解放審議会答申に基づく部落問題の根本的な解決と人権政策の確立について」の請願を県議会は賛成多数で採択しましたが、その請願の「処理の経過及び結果」について本会議場で議員に配布されました。
 その全文は、次の通りです。

処理の経過及び結果

  1. 答申に基づき特別対策事業の見直しを行い、一般対策への移行及び必要な事業に対しては経過措置を実施してきているが、今後も同和問題については一般対策のなか進めてまいりたい。

  2. 本年4月に長野県の人権教育・啓発の今後の目指すべき方向を示す、「人権教育・啓発推進指針」を策定し県民への周知を行っているが、更に周知を徹底するとともに、今後も当該指針の総合的な推進に向け取り組んでまいりたい。
     人権啓発センターについては、人権に関する情報発信の拠点となるよう充実を図ってきているところであるが、総合的な機能の充実のための見直しについては、今後研究してまいりたい。

  1. 啓発・研修・相談事業の実施に当たっては、部落差別も含め、あらゆる人権問題について現状を認識したうえで、人権施策を進めており、本年度創設した「みんなですすめる人権プログラム支援事業」とあわせて、今後も一層の充実を図ってまいりたい。

  2. 同和地区企業を担当する経営者指導員を知事特認で設置し続けていくことは、広く県民の理解が得られず、極めて困難であり、商工会・商工会議所等に設置されている経営指導員等を通じ、地域の小規模企業に対する支援の中で行ってまいりたい。
 この県から示された「処理の経過及び結果」について、私が当時の部落解放審議会の会長であったことから何点かについて気になることを指摘しておきたい。
 まず、「今後も同和問題については一般対策のなか進めてまいりたい。」としている点ですが、答申では「一般対策の中で工夫をこらして」としている点について、現状では事業の廃止のみが先行しており、誠意ある姿勢が感じられない。
 次ぎに、「「人権教育・啓発推進指針」を策定し県民への周知を行っているが」とあるが、この「人権教育・啓発推進指針」の方向には同和対策の位置付けがされているとは思えないこと。
 さらに、「啓発・研修・相談事業の実施に当たっては、部落差別も含め、あらゆる人権問題について現状を認識したうえで」とあるが、ここで「部落差別も含め」と明記している点は評価出来るが、「本年度創設した「みんなですすめる人権プログラム支援事業」」を見る限り、その視点はない。
 また、審議会答申が条例制定の検討を指摘していることについては、何も示されていない。

 知事は関係団体との交渉のおりに、私が今年2月定例会で行った質問で、知事答弁に対して私が再質問をしなかったので認めたかの様な発言を繰りかえしている様ですが、それは言いがかりです。また、7月議会で可決されたこの請願について私も賛成していることも申し添えておきたいと思います。

 私がこの部落解放審議会答申をめぐる知事や県の姿勢で問題としているのは、審議会答申が部落差別は残念ながら依然として存在しているという指摘に対し、差別はないとして各種事業を廃止している点です。私への特に結婚相談などでは部落差別は存在しますし、審議会委員もそのことを実感している故に答申に盛り込まれたのです。
 私は何も人権問題で部落差別だけ特出して施策を実施しろと言っている訳ではありません。障害者や外国人をめぐる差別や児童虐待に対する人権問題、家庭内暴力やセクシャルハラスメント等の人権問題、男女共同参画推進の課題等の中で、では逆になぜ部落差別だけを否定しようとするのか、その意味が理解出来ないから指摘しているのです。

 問題なのはこの問題のこの間の一連の経過の中で、長野県がどの様な人権施策を実施して行くのかその方向・理念が見えないということです。私は部落差別をはじめあらゆる差別を無くすために長野県が早く総合人権施策を確立し、例えば「人権救済機関」の設置を核とする条例を制定するなど「長野モデル」を示して欲しいと思います。

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