2002年9月のニュース

土地開発公社と住宅供給公社の参考人招致     2002.9.5   ▲戻る

 県議会の行財政改革調査特別委員会は9月5日外郭団体の見直しについて調査するため、県土地開発公社と県住宅開発公社の代表を参考人として招致し審議を行いました。

 まず土地開発公社については飯澤清理事長が事業の概要を説明しました。
 その中で「当公社は昭和40年に道路公社として発足したが、その後昭和47年の公有地の拡大の推進に関する法律により、昭和47年4月1日に道路公社が分離し土地開発公社と名称変更した。」と設立趣旨を説明。職員体制は「常勤理事2名(県派遣1・県OB1)・プロパー職員47名(定数52名)で、公共事業の現象など最近の事業量減少傾向に、プロパー職員の新規採用を見送り定数を抑えている。」事業内容は「主に、国・県からの依頼に基づき、公共用地・公用地の取得及び造成を公社の調達資金で行い、当該土地を依頼先へ引き渡している。」事業量の推移は「平成7年の529億円をピークに減少し、平成13年は約80億2千万円となっている。」決算状況は「平成11年度に公認会計氏の指導により引当金の見直しを行い約29億円の特別利益があり、累積収支は平成13年度約43億円あるが、単年度収支では事業の減少に伴い平成12年度約1億3千万円、平成13年度約2億1千万円のマイナス決算となっている。」等々の説明がありました。
 質疑に入り、議員からの「不良資産状況はどうなっているのか」の質問に飯澤理事長は「国や県から依頼され現在保有している用地は約415億ある。そのうちほとんどは4年以内に精算されるが、県商工部の産業団地について景気低迷により5団地の30区画、61ヘクタール、約183億円については見通しがたっておらず商工部に売却を要請しているが、商工部も困っている。」と答弁。
 私からの「全国的には外郭団体の統廃合を行っているが検討の経緯は。」「建設事務所こどに支所を設置し人員を配置しているが経緯はとメリットは何か。」「常勤役員2名であり、プロパー職員の士気の高揚策は行っていると思うが何を行っているか。」「ここ数年の定年退職者の予想は。」等々の質問に、理事長は「法律で決まっている土地開発公社の位置付けは廃止できないが、全国的には事務部門等の統廃合を行っている。調査しているが事務や給与がまちまちで、統廃合を行ったところでも余りメリットは聞いていない。」「支所の設置については、公共事業のよりスムーズな土地買収に建設事務所と連携し貢献して来た。公社としては最近の事業量が減る中で、各建設事務所用地課が行っている現年度の事業もやらせて頂きたいとお願いしている。」「プロパー職員の士気高揚策については、管理職として担って頂いており給与も県職員とほぼ同じであり行っていると思っている。」「今後の職員の定年予想については、当公社は平均年齢が50代と高く、来年で5名、向こう5年で20名が定年退職を向かえる。事業の減少傾向で新規採用を抑制しなければならないが、将来のバランスを考えると若い人材も必要と思っている。」と応えました。
 土地開発公社の調査により私が思ったことは、景気低迷により売却見通しのたたない県商工部依頼による産業団地対応をどうするのか。また、公共事業を削減せざるを得ない財政状況の中で、これまで県の建設事務所の用地課が行って来た仕事に対して、各建設事務所に土地開発公社支所として各1名配置され県職員と連携して用地買収等の業務に当たって来たプロパー職員、この待遇も含めて今後の在り方をどうするのかということです。

 次に住宅供給公社については、青木専務理事が事業の概要説明を行いました。
 その中で青木専務理事は公社の設立趣旨について「住宅を必要とする勤労者に対し、住宅の積立分譲等の方法により居住環境の良好な集団住宅及びその用に供する住宅を供給し、もって住民の住生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的に、昭和30年に設置された。」と説明。事業概要は「分譲住宅・市街地整備事業・賃貸住宅管理事業・県営住宅管理事業・県職員宿舎管理事業・市町村営住宅建設事業等を行っている。」組織体制は「常勤理事3名(県派遣1・プロパー2)・プロパー職員56名で、3部8課と住宅管理センター、松本事務所で事業を行っている。」決算状況は「13年度の事業収益は約121億円で、剰余金は約100万円である。財産指標と経営指標では健全経営と言える。」県の財政支出状況は「県の中堅層向けゆとり賃貸住宅建設費利子補助など県の制度に関する3事業で、約3千4百万円、法律による職員の共済組合負担金約7百万円、県営住宅管理委託料約8億5千3百万円、県職員宿舎管理委託料約8千5百万円、宅地開発事業貸付金・勤労者分譲住宅建設貸付金・中所得者向賃貸住宅建設資金貸付金・都市再開発事業資金貸付金等約41億4千9百万円となっている。」分譲住宅の残り保有状況は「分譲開始5年未満で10団地、総区画数696の内418区画、分譲開始5年以上で10団地、総区画数2,529の内388区画で、合計、20団地、総区画数3,225区画の内806区画、約4分の1が残っている。しかし、この含み損は約2千4百万円に対し、収益は41億円であり問題はない。しかし、売れ残りの分譲地は収益となるため首都圏を中心に宣伝を行っている。県による周辺道路整備等があれば、ありがたい。」今後の公社の在り方については「国土交通省内に検討委員会が設置され見直しが行われているが、こうした意向を踏まえ当公社としても平成13年に公社改革ビジョンを作成した。その内容は、民間事業者では出来ない分野や政策志向型事業に取り組むこと。市町村が行う事業を支援すること。等を役割とし、今後の事業展開として、木造住宅や政策的な良質住宅の提供。中心市街地の活性化に資する再開発事業への参画。若者定住対策。県営住宅管理サービスの向上等である。」との説明がありました。
 この後の質疑ではあまり他の議員から質問がなかったため私から「売れ残った分譲住宅の内、見通しで困っている箇所はどうか。」「県民への情報公開が問われているが、どの様な対策を考えているか。」等の質問を行いました。
 この問いに対して青木専務理事は「長野市の綿内中央団地、伊那市の山本団地、茅野市の中央塩団地等である。」「情報公開や今後の改革については、公認会計士の起用や、役員の在り方も検討したいと思っている。」と答えました。

 今回の参考人招致を通じて私は、土地開発公社、住宅開発公社とも県からの補助や天下りは厳格に行われ、しかも自助努力により健全経営に努めている。しかし、土地開発公社の工業団地の未売却問題は、もはや県当局としも方向が定まらない事態に陥っていること。住宅供給公社の未売却分譲地について、もっと政策的な県民と全国展開が必要ではと思いました。

 両公社とも歴史的に必要があり、しかも国の法律において設置されたものですが、全国的には都市と地方の役割分担、価値観が違ってきており、全国一律に評価するのでなく地方の役割はまだ終わっていないと価値観を認めるのであれば、もっと県民に両公社の役割が理解されるよう情報公開を積極的に行うべきと思いました。
 また、今回は土地開発公社や住宅供給公社など外郭団体では比較的県民に身近な団体を参考人として招致しましたが、もっと県民に身近でない業界関係や福祉関係の団体について詳細に調査する必要性を痛感しました。

「男女共同参画推進条例」(素案)に401件の意見     2002.9.6   ▲戻る

 9月6日、第7回目となる「男女共同参画推進条例(仮称)制定調査会」が開催され、これまで行った「県民フォーラム」に出された意見や手紙、メール等で寄せられた県民の皆様の意見を集約し、「条例素案」の見直し論議に入りました。
 この日県から示された県民意見の集約状況は、県内4箇所で開催した「県民フォーラム」では111件(延べ参加者830人)、郵送・ファックス・メールによるもの242件、男女共同参画推進委員会や出前講座・経済団体との懇談会等、各種会議で出されたもの48件で、合計401件にのぼりました。
 項目別に特に多かった意見では「条例全体に関するもの」55件、「推進監視委員に関するもの」35件、「名称に関するもの」8件、「長野県の地域性を盛り込むこと等」5件、「事業者の責務に関するもの」「セクシュアル・ハラスメントの禁止に関するもの」「公衆に表示する情報に関するもの」「教育に関するもの」「拠点施設に関するもの」がそれぞれ4件となっており、さらに素案に示され項目や文章一行一行にまんべんなく意見が寄せられています。
 調査会では、これらの寄せられた意見をひとつひとつ議題として、見直すべきところや、見直さないものでも調査会の意見を付すなどの検討作業を行いました。
 なお、6日だけでは全ての作業が終了しなかったため9月18日にも調査会を開催し、その後、素案を条例化する作業に入ることにしています。

「男女共同参画推の条例(仮称)」の名称を公募     2002.9.18   ▲戻る

 男女共同参画推進条例制定調査が9月18日開催され、これまで「県民フォーラム」や郵便、メール等で県民から寄せられた意見を基に「素案」を見直す作業が終了しました。
 この日の会議では県民意見とともに県側からも県が率先して模範を示す意味で「第2章 男女共同参画社会の形成に関する施策の推進」の中に、「県の職場における環境整備等」を追加し、県は、県の職場において次の各号に掲げる取り組みを行うとして、「性別による固定的な役割分担意識の払拭」「男女の、職業生活における活動と家庭生活における活動その他の活動との両立支援」「セクシュアルハラスメントその他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因による人権侵害のない環境の整備」「県は女性職員の登用の促進及び職域の拡大について総合的な取組みを推進するものとする。」趣旨を入れてはどうかという提案があり、私としては県が率先して先頭に立たなければならないことは当然ですし、残業を強いられている県職員の皆さんの姿をいつも見ているだけに賛成しました。提案理由をお聞きすると、今回の条例制定のための調査で他県に行く度に、本県の女性の管理職への起用等が大変遅れていることを思い知らされたといういとでした。
 この日の調査会の最後には条例の名称をどうするかが議題となり、インターネットや新聞、テレビの広報番組を通じて県民に公募することになりました。具体的には準備が出来次第、マスコミを通じて報道されると思いますが、調査会としては10月末を応募期限として、その応募を基に次回11月14日に開催を予定している調査会において素案をもとに県が作成した条例案とともに検討することにしています。
 これまで調査会に寄せられた意見については「名称を公募して欲しい」という意見とともに「男女円満社会推進条例」(理由=参画は三角に通じる。輪をもって円満な社会になるように。)というユニークなものもあり、調査会としては県民に理解され親しめる内容を期待しています。
 なお、「県民フォーラム」等を通じて寄せられた401件の意見概要については、近く、県議会のホームページで公開される予定です。

9月県議会 26日から開会されます。     2002.9.20   ▲戻る

 田中知事再選後はじめて開催される9月定例県議会が9月26日から10月15日の会期で開催されます。
 私は、この間の不信任案に対する議会の対応や従来の議会活動のあり方について率直に総括しながら、多くの県民の支持を得て再選された田中知事と本来の議会としての姿である、「県民益」を重視した姿勢で、より良い緊張関係(良いことは良い、悪いことは悪いを質す)を保ちながら知事と接し県民生活向上のために努力して行くつもりです。
 9月定例会は再選後はじめての議会であり、各会派の代表質問が行われますが私の所属する社会県民連合では、浜団長が質問に立ち、今後の田中知事との会派の立場やダム問題や知事の公約に対する会派の見解等を明らかにし、深刻な景気・雇用対策、緊急の対策が求められる県財政の健全化策などについて質問することにしています。
 また、一般質問を私も行うことになりました。内容は、今のところ「県民憲章について」「住民投票条例について」「浅川の枠組み案の具体化について」等を考えていますが、皆様から何か問題提起がありましたらお寄せ下さい。なお、私の質問時間は約20分になると思いますが、質問日時は議会初日の26日にくじ引きにより決まりますので、今はお伝えできません。
 今、9月定例議会は知事の再選を受けて県政会と県民クラブが分裂し、9会派となったはじめての議会でもあり、私としては出来うる限り分裂した会派の目的は何か、私自身、今後進むべき方向は何なのか、この間の混乱の中で県政の進むべき方向を示しながら、自分の今後の目標を明らかにする議会にしたいと思っています。

 9月定例議会に提案される予定の議案は、県税等過誤納金還付金8億5千万円、台風6号関連の災害関連緊急地滑り対策事業費3億8,100万円、茅野市豊平地区のほ場整備事業費2億8千万円、緊急雇用創出特別基金事業費1億4,390万4千円、稲荷山養護学校改築事業費1億2,025万4千円、浅川と砥川の河道対策調査費4,585万9千円等の合計18億9,228万1千円の「一般会計9月補正予算(案)」、議会選出の監査委員を2名から1名にする「監査委員に関する条例の一部を改正する条例案」、痴漢、盗撮等の卑わいな行為を未然に防止するための「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案」などの条例の一部改正と新設条例など9件等です。

現在公開されている議案の概要については、下記をご覧下さい。
「平成14年度9月補正予算案概要」PDF
「平成14年9月定例会提出予定条例案の概要」

 なお、議会日程と私の主な日程は次の通りです。

9月24日(火) 行財政改革特別調査委員会
25日(水) 治水・利水ダム等検討委員会郷士沢部会・社会県民連合団会議(欠)
26日(木) 13時〜 9月議会開会・知事提案説明・千曲川護岸整備期成同盟会(欠)
27日(金) 自治体選挙政策研修会(東京)
30日(月) 連合政策委員会総会(長野市)
10月 1日(火) 各党派代表質問及び質疑
2日(水) 各党派代表質問及び質疑・男女共同参画議連役員会
3日(木) 一般質問及び質疑・石渡親和会総会(山田温泉)
4日(金) 一般質問及び質疑・長野市戦没者追悼式(長野市民会館・欠)
5日(土) 文化施設打ち合わせ会・労働政治講座・治水利水ダム財政ワーキンググループ
6日(日) 市議会議員後援会総会
7日(月) 一般質問及び質疑・日朝シンポジューム(欠)
8日(火) 各委員会・男女共同参画議員連盟総会
9日(水) 各委員会
10日(木) 各委員会
12日(土) 長野盲学校「菊花祭」
13日(日)〜14日(月) 地元の秋祭り
15日(火) 9月議会・採決・閉会
16日(水) 国鉄退職者組合長野支部研修会・県献血推進大会(長野県民文化会館・欠)

組織改正で11月より「地球環境室」を設置     2002.9.21   ▲戻る

 県人事課の9月20日発表によると、同日開催された部長会議において、10月1日及び11月1日に実施する組織改正で「松本創業支援センターの設置」(10月1日)、「地球環境室の設置」(11月1日)、「ダム関連組織の見直し」(11月1日)が決定されました。  この内、「地球環境室の設置」については、現在の環境自然保護課に付置するというもので、設置目的は「信州・地球温暖化対策研究会による地球温暖化対策『長野モデル』第1次提言を受け、全国に先駆けた諸施策を推進」としています。  また、所管業務は「『地球温暖化防止県民計画』の策定及び実施」「部局横断の『地球温暖化検討チーム』の運営」「地球温暖化防止条例(仮称)の検討」などで、室長以下3名の体制で、室長及びスタッフ1名は職員から公募するとしています。  「ダム関連組織の見直し」では、「浅川ダム建設中止に伴い、浅川ダム建設事務所の名称を変更するとともに、ダム事業を迅速かつ円滑に集結するために必要な最低限の体制とする」として、名称を「浅川改良事務所」として現体制の8名を6名にするとしています。

長野市の「雨水貯留施設助成金制度」は住民参加の羅針盤     2002.9.24   ▲戻る

長野市が市民の雨水タンクに助成制度スタート

 長野市は10月10日から雨水の流出抑制と有効利用を図る目的で雨水貯留施設を設置する家庭や事業所に対して、2万5千円〜5万円を限度として補助する「雨水貯留施設助成金制度」をスタートします。
 対象経費は、雨水貯留施設を購入するのに要する経費で、助成金額は1基当たりの経費の2分の1を限度として、2基分までを対象とするもので、100リットル以上500リットル未満2万5千円、500リットル以上5万円を助成するものです。
 申し込みは「助成金交付請求書」により、位置図、領収書の写し、設置前及び設置後の写真をそえ、市役所河川課へ提出することになります。
 この制度については、私としても浅川ダム問題で「脱ダム」賛成とか反対とかいう以前に、浅川をはじめ市内の各所で水害が発生していることは事実であり、河川流域の上流に住む皆さんが、下流に住み現に水害にあっている被災者の痛みを理解し、権利の主張のみでなく自らも下流域に負担を負わせていることを認識し治水に参加することを自覚する方策はないか、長野市へ提案して来た経過があり、制度のスタートを大変嬉しく思っています。
 私も、この制度を活用して雨水タンクを設置し、妻の趣味であるガーディニングなどに利用するつもりですが、皆様にも是非とも趣旨をご理解頂き、ご自身の問題として生活スタイルの中に取り入れて頂ければ幸いです。
長野市の雨水貯留施設の助成対象と補助金額

市民の雨 (私の考える制度の意義)

 私は、自分自身が地元の都市型水害と昭和58年の長野市議当選以降、向かいあって来ました。
 その間、床上浸水や床下浸水、便漕浸水など何度も被災された家庭の皆さんの「後片付け」のご苦労や、雨音を聞きながら「この降り方は危ない」と河川の見回りに出かける区や用水の役員さん方の姿を何度も見て来ました。そして、それらの皆さんから「行政や議員は何をやっているんだ!」と、怒りのほこ先を向けられながら、抜本的解決策は何かを考え調査し、「下流も水害に苦しんでおり、下流に流すことは出来ない。でも上流にも下流に流してはいけないという規制もない。であるならば、無責任な開発行為に対いする規制や、個人住宅への雨水浸透施設の設置義務を規程すしかない」と思い、そのことを市に求め実施して来ました。
 しかし、その事は既存の開発によって水害が発生している以上、残念なから後追いの施策であり抜本的解決にはならず、その後も何度も水害は発生しました。
 そして私が考えたのは、雨水調整池(都市部では多額な費用を要し、コンクリートを使えばダムと同じ)や学校のグランドなどへの貯留施設の整備です。この提案を長野市も受けいけて頂き、調整池や学校グランド貯留を何箇所も行って頂きました。しかし、水害の解消は、水害が発生しているその河川そのものの本川(外水)の雨水流出抑制に直接効果ある施策なければ抜本的な効果は生まれませんので、その後も水害は発生しました。
 その後、私が考えたのが本川の雨水流出抑制に直接効果のある大きな雨水調整池の建設です。そして、その求めに応じて市で建設頂いたのが「石渡調整池」(2000トン)と「運動公園地下調整池」(全体計画4万トンの内第1期工事として6千トン完成)です。しかし、この建設には紆余曲折がありました。それは「石渡調整池」は借地で整備したのですが、地権者の方の交渉の時に、「なぜ、上流に作らずに被災者の地域に作るのか理解出来ない。下流に効果はあっても、私のこれまでの苦しみは解消しない」「ダムの湖沼に沈むのと同じ気持ちだ」と反対されたのです。この方に私は「上流の皆さんは自分勝手に開発し、水害をもたらした。でも、そのことが分かるのは、そのために水害苦しんで来た私達だと思う。下流でも水害に苦しんでいる方がおられる以上、その気持ちが分かる自分達が犠牲になり、その気持ちを行政にぶつけ、上流にも調整を必ず作ってもらうことを条件として、是非ご理解頂きたいと思う」と説得しました。そして、この経過から上流である「運動公園地下調整池」の計画が具体化しました。
 「運動公園調整池」も建設までには様々な課題がありました。それは国の補助金を受けるには下水道事業としてであり、この地域はまだ下水道も整備されておらず、雨水渠整備事業として補助金を受けることは当時、住民要望の一番強い下水道整備が遅れることを意味していました。また、35万都市としては地下に第1期工事で約8億円を投じる例は当時余りなく、国とすれば全国のバランス上、既成事実となることを意味し補助採択を受けるのに難航を極めました。さらに、グランドの地下にコンクリートにより調整池を作るということは、ダムと同じく「堆砂」の問題やポンプ排水、災害時の停電など維持管理費を含め管理をどう行うかという問題もありました。
 こうした課題を解決しながら石渡調整池や運動公園調整池の整備が決まった時、ちょうど市議会議員選挙があり、遠くの地区から出ている日本共産党の候補が来て私の地元で街頭演説を行い「私がやりました」と演説したのを、私は今でも覚えています。当時、共産党は予算にも反対していましたが、後で私がこの演説の話しを共産党議員に質すと「その調整池の部分の予算は賛成した」といました。その当時、共産党は議会質問で私の地元の都市型水害解決のための提案を具体的に行っていませんでしたし、私の地元で調整池を整備するための地権者交渉をした訳でもなく、浅川ダム問題について、さほど取り上げてもいませんでした。

 結局、政治とは一つ一つの積み重ねや人々の苦労を反映するものではなく、流行歌の様に流れて行くのでしょうか。最近「理念」を多くの人達が流行語のように口にするようになりましたが、「結論良ければ全て良し」で、全てが片付けられているような気がします。
 「理念」とは「大辞林」では「物事のあるべき状態についての基本的な考え方。理性の働きとして得られる最高概念」とありますが、その達成のためには既存の現実問題(災害弱者の救済)を、ひとつひとつ解決しながら、「あるべき状態」に向かって進む、着実な信用できる実践が問われます。
 以上、私のこれまでの取り組みから思ったことを述べましたが、この経験から今回の長野市の「雨水貯留施設助成金制度」には次の大きな3つの意義があると思います。 
  1. 市民が一人でも多くこの制度を理解し参加することにより、現実的に、治水効果と節水効果があがること。
  2. 水害に直面している災害弱者に対する上流や下流、ダム反対・賛成の立場を越えて、市民一人一人の治水・利水への住民参加のメニューを示したこと。
  3. 住民参加のメニューの提起は、権利の主張だけでなく市民が参画するという「市民自治」(住民自治)への行政の問題提起と、市民の義務(参画)意識の啓発であり、その羅針盤となること。

「脱ダム宣言」(理念)から「市民自治」へ

 田中知事が「脱ダム宣言」を出す前から、そして出した後も私は、この制度と同じく「治水・利水への住民参加」を議会質問等で提案して来ました。しかし、田中知事のその答えは「今後検討する」という以外には帰って来ていませんでした。ですから私は「脱ダム宣言」が突然出され進行中のダム中止が打ち出された時、その手法に反対して住民合意を尊重し、「住民参加」による検討を重視する「治水・利水ダム等検討委員会条例」を提案しました。「脱ダム宣言」の目指す「理念」とは、県民一人一人が治水や利水について、どの様に自覚しダム以外の解決策を導き出し、実践して行くのか県民に示し生活の中に定着させることだと思ったからです。それは、地球温暖化対策など未来に向けた環境対策を一人一人が行って行くことと同義です。  その意味で今回の長野市の対応は、「脱ダム宣言」を出した知事の対応を越え、より先進的に水害撲滅と住民参加と住民自治という「理念」達成に向けた、啓発活動であり、ゴミや資源物の分別収集と同じく、市民が実践を通じて一歩高い住民自治を自覚することにつながると確信しています。  また、田中知事は福祉や環境、森林整備等について新たな産業を創設すると言っていますが、私はその趣旨に賛成です。しかし、この事は何も長野県の特性でなく全国的には先進的な県は早くから行っていることですし、私もこれまでも提案して来たことです。また、私は、「脱ダム宣言」を行うのであれば何も「脱ダム債」を発行し、さらに借金を重ね再建団体への転落を促進するよりも、雨水貯留のタンクを「長野モデル」のマークを張り、産業として全国に発信することの方が新たな一つの産業育成となることも提案して来ました。そして、地元の竹村製作所さんとお話しし、現に個人家庭の貯留タンクを開発していただきました。

長野市の「河川行政の理念」は「市民自治」。そして、県は・・・・。

 私は、今年4月16日に話題の「調査費」を使い、雨水利用の先進都市である東京都の墨田区へ視察に行きました。対応してくれた環境担当環境保全課の村瀬誠雨水利用主査は熱心に現地を案内して頂いた後、「私たちが事務局をしている雨水利用自治体連絡会に、是非長野県や県内の各市町村に加入して頂くよう働きかけて欲しい。」とお願いされました。  この「雨水利用自治体連絡会」は、近年、水資源対策、洪水対策、防災対策として雨水利用の有効性が注目され、雨水利用について取り組もうと意欲のある先進的な自治体が、雨水利用に関する情報交換、政策交流の場として、平成8年に結成されたものですが、昨年10月現在、東京都、京都府や埼玉県など6県、95市町村が加盟してネッワークが形成されているものです。  私としも、この問題意識と一致し、「脱ダム宣言」を出した県としても責任を果たす立場から、環境重視の一つの代替案として雨水利用を全国の先進的な自治体に謙虚に学びながら、広く県民に参加を呼びかけるには、この「連絡会」に本県も参加し、積極的な施策の展開を行うべきと考え、村瀬氏の提案を了承しました。  そして、長野に帰りこの提案を県と長野市に行いました。  まず、長野市には、私から「河川行政には理念が必要である。」と語った後、全国で先進的に取り組んでいる雨水利用自治体連絡会議に加入をお願いしたところ、こころよく承諾頂き、県内でトップを切って加入をして頂きました。このことは、これまでの長野市の経験をつうじ今後さらに雨水利用について様々な施策を行っていただけるものと確信し期待しています。  また、県にも県の参加と各市町村への呼びかけを願いしたところ、公共下水道事業を行っている自治体に対し参加の呼びかけをして頂きましたが、県の参加については、雨水利用の対策が各部各課にまたがるため、どこが所管するか明確にならず、まだ加入には至っていません。  しかし、例えば新潟県の場合は「地球環境課」が所管して参加をしいる事実を見ても、「脱ダム宣言」を出した具体的な知事の対応が「これで良いのか」と言わざるを得ません。  このことは9月議会で社会県民連合県議団の浜団長の代表質問で知事の姿勢を質すことにしています。  今回の長野市の「雨水貯留施設助成金制度」スタートや、「雨水利用自治体連絡会」への加入は、「脱ダム宣言」を出した県よりも住民の治水・利水への参加について、より実践的な「理念」を長野市の方がこれまでの実践をつうじて理解していると私は思います。  そして、そのことは、より高いレベルの住民自治(市民自治)を確立することになり、市民に信頼され支えられる堅実な新しい政治(自治)の確立に発展する要素であると確信し期待しています。

9月県議会開会 私の一般質問は10月4日に。     2002.9.26   ▲戻る

 田中知事不信任決議案可決による知事選後はじめての議会となる、9月定例会が26日開会しました。
 田中知事は午後1時から開催された本会議において、議案説明の中で「今回の知事選では、日本の改革をリードする長野県は「こわす」から「創る」ステージへと訴えてまいりました。サーヴァント・リーダとしての私は従前にも増して謙虚に真摯に、情報公開・説明責任・住民参加の大原則に則り、信念と行動力をもって、私が信じ、県民が願う社会の実現に向けて、全身全霊でお仕えすることを、ここにお誓い申し上げます。」と述べた上で、公約の基本的な考え方、9月議会に提出した議案の説明を行い、最後に「地方自治史上、類を見ない不信任案の成立から県知事選の投票に至るまでの経過の中で、県知事としての自らの営為を粛然と省み、反芻し続けた思いを私は今後も常に心に刻み続け、車の両輪たる県議会議員や市町村長の各位と胸襟を開いた対話を行い、県政運営に当たってまいりたく存じます。」と述べ、議会や、市町村長との協調姿勢を見せました。

 (提案された議案の主な内容につきましては、前の「最近ニュース」で報告しておりますので、そちらをご覧下さい。)

 今議会は、一連の不信任騒動と知事選挙の結果を受けて、最大会派であった県政会が分裂するなど、9つの会派となった議会構成で行われる始めての定例会でもあり、「協調姿勢」を見せた知事と各議員がどの様な変化した姿勢で向かいあって行くのか注目される議会でもあります。
 私も、各会派の代表質問で示す基本姿勢や知事の答弁に注目し、今後の方向を見極めて行きたいと思っています。

 なお、26日に抽選を行った結果、私の一般質問(持ち時間20分)は、10月4日(金)の一番最後で予想では午後3時30分頃から行うことになりました。

 質問内容は、県財政の健全化や県民憲章条例(仮称)、住民投票条例、外郭団体の見直しなどについて検討していますが、今回は、私が質問する前に、10月1日〜2日に6会派の代表質問、3日に一般質問が行われるため、まだ全く原稿を作っておりませんし、私よりも先に納得出来る質問と答弁があれば質問項目を変更しなければなりませんので、明確な質問項目をお示しすることが出来ませんことをご了承下さい。
 なお、HPご覧の皆様からも何か要望等がございましたら、お寄せ下さい。

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