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治水・利水・ダム問題コーナー

「治水・利水ダム等検討委員会」の浅川・砥川に関する答申の検証について
2002.6.17

 この文書は、6月7日、治水・利水ダム等検討委員会が知事に対して行った浅川・砥川に関する治水・利水対策案について、この間の経過も含め、その内容の検証を私なりに行い、6月議会前に会派の各議員に報告したものです。
T 答申の手法


1.「脱ダム宣言」

 (1)知事は昨年2月20日に突然「今後、出来うる限りコンクリートによるダムは造るへき
    ではない。」とする「脱ダム宣言」を出したが、知事選挙時において公約した内容と逸脱
    していた。

 (2)しかも、河川管理を担当する県職員にも相談なく、河川法に定める市長村長の事前の意
    見も聞くことなく、唐突に「宣言」を行い、しかも下諏訪ダムについては交渉会派に説
    明していた予算を削除し、2月22日からの議会開会前に急遽予算を組み替えた。

 (3)その時、知事がダムによらない代替案はあるとして示したのが「河川改修と浚渫」であ
    る。

2.議会が出した条例とは

 (1)新年度予算等を審議する2月議会が開催され、「脱ダム宣言」についての検証を行った結
   果、知事は流域住民の納得を得られる明確な代替案を持っておらず、しかも、河川法に定
   める流域市町村長の了解を得ないままダムの中止を唐突に打ち出しており認めがたいと判
   断し、今後市町村長や流域住民と連携して、ダムも含む総合治水・利水対策を検討する「県
   治水・利水ダム等検討委員会条例案を議会が提出し可決された。

 (2)そして、この条例には知事が「脱ダム宣言」を行うにあたり、当初の原案にあった現在
   計画されているダムについて9つの流域が規程された。

 (3)この議会が出した条例の真意は、知事がトップダウンで行った「脱ダム宣言」について、
   市町村長や流域住民と真の治水・利水について白紙から話し合い方向を定めようとするも
   のであり、河川法の16条の2項に定める規程を、流域に「住民参加」による「部会」を
   設置し検討することによって補完するというものであった。

3.結論先にありきの人選

 (1)条例が議会で可決されたが、知事は人選に手間取った。そして6月に、ようやく委員
   の任命を行ったが、その内容は「脱ダム」学者やメール友達と言われる人選を行うなど、「結
   論先にありき」の人事であった。

 (2)当初議会が条例を策定するにあたり論議し検討した委員の構成は、関係する国土交通省
   職員2名、市町村長代表2名、市町村議会代表2名、県議会議員2〜3名、河川に精通す
   る学識経験者等6〜7名であったが、知事権限に抵触しないことを意識し「まさか常識的
   に考えて偏った人選は行わないだろう」と判断し、あえて人数は規程しなかった経過があ
   る。
    (条例採択に当たって、共産党は県議会議員が入っていることや、ダム建設先にありき
   であるとして反対した。)
      また、知事がこれまでの議会の慣例をやぶり議会選出の4人についても個人名で任命して
   来たことについても、議会側は学識経験者など知事の偏った人選であっても常識的な論議
   を期待しながら了解した。

 (3)しかし、結果は「結論先にありき」であった。

4.検討委員会と部会の位置付け

 (1)検討委員会では当初部会との関係が論議となり、脱ダム学者は「検討委員会が上部機関」
   と主張したが、良識派は「部会は住民参加であり、尊重する」するとした。結局、「双方向」
   或いは「相互の流通を図る」とした。
   また、この論議の過程で、基本高水・利水・森林整備・財政の4つのワーキンググループ
   が設置され、双方向で検討を進めることとなった。

 (2)その後宮地委員長は部会が設置されると「住民参加の長野モデルである。」とか「多数決
   は取らない」とか発言するようになり、他の委員も委員会の会議の公開や資料公開、公聴
   会の開催などについて全国に発信する「長野モデル」と発言するようになった。

 (3)部会特別委員の選出に当たっては検討委員会は部会が住民参加である以上、公募枠を半
   数とすべきとなり、知事が当初慎重であった市町村長を除く特別委員枠の公募の在り方や
   人選のしかたについて、一定の方向を出した。
   しかし、知事は応募して来た応募者の選定に当たり、応募者の賛成、反対、中間の比率を
   基準に新方式を導入した。 

5.部会での検討と報告書

 (1)浅川、砥川両部会の検討が開始されたが、基本高水ワーキンググループで意見が割れて
   いるにも係わらず、ダム計画は基本高水が過剰として、はじめから基本高水を下げること
   に論議が終始した。

 (2)また、地質については一人の学者であったため、土木工学的には可能でも第4期断層の
   可能性があり危険として、専門的な検証が出来ないまま、不安だけが煽られる結果となっ
   た。

 (3)知事が任命した部会特別委員の中にはダム中止に関する原告団が多く含まれたり、国土
   問題研究会の報告書に依拠する党利党略が優先される発言に終始するなど、論議は平行線
   を辿った。
      このことは、一旦決着が付いた課題であったても再び発言が繰り返され、発展性のない論
   議が何度も繰り返されたことを見れば分かる。

 (4)公聴会は反対派の動員的要素があり、本当の住民の意見聴取となりえたのか疑問。

 (5)浅川は業者への補償問題、砥川は用地問題などがあり早急な結論が急がれた。しかし、
   結論先にありきの論議の中で時間的制約もあり明確な代替案が示されないなかで論議が終
   了し、両論併記の報告書とならざるを得なかった。
   しかし、多数決で決していれば両河川ともダム案に一本化されていた情勢であった。

 (6)浅川における代替案は公聴会にかけた案が、その後何度か変更されるど、なぜ基本高水
   が330トンになったのか混乱を招く結果となった。330トンで流域の生命と財産が守
   られるのかは一切説明がされないままとなった。

 (7)浅川の報告書には代替案が明確にならなかったため、検討委員会に対し部会の論議を尊
   重しながら検証するよう書かれた。つまり代替案が無いことを自ら認めた。しかし、その
   後、財政ワーキングからの「代替案の試算が出来ない」との指摘を受けて出された河川改
   修案等がまたもや二転三転した経過がある。

6.検討委員会の浅川・砥川に関する答申決定の経過

 (1)宮地委員長は「多数決は取らない」として来たが、最終的には起草委員会に各委員が提
   出した意見を総合して数による結論を出した。
   しかも両論併記である起草委員会がまとめた案の審議を行った最後に、委員長案を出し、
   両論併記からダムなし案を選択する理由については、「総合して数」という以外、何も説明
   が無かった。

 (2)私がなぜダム案(A案)を支持したかと言うと、浅川、砥川両河川のB案(代替案)は
   基本高水を下げることのみが代替案であり、その下げた基本高水で流域住民の生命と財産
   が守られるかの説明責任が果たされていないからである。
      つまり、代替案の基本高水が安全性に対する確証が説明されない以上、ダム案の基本高水
   の方がより安全性が高いことは明確だからである。

7.情報公開

 (1)浅川、砥川についての答申書まとめにあたり、起草委員会に委員が提出した意見につい
   て、それが数の根拠になるのであれば、事は流域の生命と財産に関することであり、自分
   の意見に責任を持つ意味でも「公開すべき」と迫ったが、「支障がある」として公開されな
   かった。

 (2)会議の公開や資料開示、公聴会の開催などが「長野モデル」と途中から主張して来た学
   者の皆さんは、この矛盾を何と説明するのか。

 (3)その後マスコミ等が行っている情報公開請求で、恐らく県は情報公開をせざるを得なく
   なると思うが、その場合の検討委員会の手続きを宮地委員長はどうするのか。


U 検討委員会の論議の経過と答申の問題点

1.「基本高水」を下げることに主眼が置かれた。

 (1)ダム計画の基本高水は過剰として、当初から基本高水を下げる論議に終始した。
       しかし、基本高水ワーキンググループ(学者3人で構成)で意見が一本化した訳ではない。

 (2)本来であれば計画されている基本高水によるダムなし案は可能かが先に検討されるべき
   であるが、はじめから過剰として、下げることに終始した。(現在行われている部会では、
   この事を教訓として、基本高水からの論議は先行していない。)

2.河川管理者である県の説明責任をさせなかった。

 (1)検討委員会では幹事会の青山幹事長や宮地委員長が河川の管理者である県職員に本当の
   ことを余り発言させなかった。そのため、論議した内容が後になって「そんなはずでなか
   った」と問題となったことが多くあった。

 (2)議会が出した条例は、幹事である県も含め学識経験者、市町村長、住民が率直に真の治
   水・利水を検証することが目的であったが、趣旨が誤解されたため検討委員会にマルナゲ
   され、結果として県の説明責任が果たされなかった。

 (3)そのことが答申にあたり国の認可にならない可能性の高い内容となった。
   また、基本高水を下げることの「合理性」がなければ認められない趣旨を県及び国土交通
   省から文書が出されたが、脱ダムの皆さんは無視した。

3.「代替案」(B案)とは、残念ながら「基本高水」を下げることのみである。

 (1)代替案の内容は基本高水を330トン、200トンとしただけで、他の河川改修の具体
   的内容については、全部を検証していない。

 (2)後は「流木対策施設」「土砂流出防止施設」「遊砂池」などが指摘され、追加されただけ
   のものである。

 (3)利水についても砥川においては新和田トンネルからの取水についての可能性の審議も不
   十分であり、なおかつ不足する水量についての検討は行われていない。
      長野市の利水対策については、「必要ない」というだけが、代替案であった。

5.基本高水等に対する国土交通省と県の見解。

 (1)河川管理者である県(幹事)に明確な答弁をさせることを宮地委員長はじめ脱ダム派の
   皆さんが避けるため、終盤になって議会選出の委員が持論を主張する大熊・高田委員の「基
   本高水設定の考え方等」について文書で見解を求めた。
    また、一級河川の認可を行う国へも同様の質問と基本高水の設定や認可の基準、災害が
   起きた場合の訴訟等についての見解を文書で求めた。
   その主な内容は、要約すると次の通りである。

  @「合理的な理由なくして、基本高水を下て計算した場合、河川整備計画は認可になるの
    か。」(浜  委員)

      =「河川管理者は、補助、県単独事業にかかわらず、計画的に河川の整備を実施すべき
   区間について、河川法第16条の2により河川整備計画を策定し、法第79条により国の
   認可を得ることが義務付けられている。(略)浅川ダム、下諏訪ダムともに大臣の認可等の
   手続きを経て進められてきたものであり、これを変更することは、改めて河川整備計画の
   大臣の認可等が必要になる。(略)河川整備計画の目標に関する事項については、目標とさ
   れる水準が、当該河川の重要性、所管地域内の他の河川とのバランス、近年の災害の発生
   状況等を考慮して設定されているものとされている。(詳細は重要だが略)このことから、
   河川整備計画の認可を求めるに当たっても、これらの基準に適合していることを県が国に
   説明する必要がある。国の認可が得られるかどうかは、県の方針がでたところで国が判断
   することとなるが、砥川部会で国土交通省の専門官が、治水計画を立案する上で考慮せざ
   るを得ない計画降雨から求められた最大流量が妥当な値と判断されるにもかかわらず、単
   にカバー率の観点(大熊理論)で基本高水を下げることは、実質的に安全度を下げること
   と同義である旨の発言があったことから、河川整備計画の認可を得るには、基本高水を下
   げることについて、合理的な理由が必要であると考える。」

  A「仮に河川整備計画の認可、市町村長の理解が得られないまま、県単独事業で安全度を下
   げた計画で治水計画を行い、災害が発生した場合、責任の所在はどうなるのか。損害賠償
   等の請求を受けだ場合、河川管理者が責任を取るのか。」(浜・竹内委員)

   =「(略)合理的な理由なく、当該河川における治水安全度を引き下げることにより、同
   種、同規模の管理の一般水準等に照らして、是認しうる安全性を備えていないと認められ
   るに至った場合、河川管理に瑕?があるとして、河川管理者は損害賠償責任を問われる可
   能性が高くなると考えられる。(略)このことから、災害が発生した場合の責任は、県が第
   一義的に負うことになるが、認可等の手続きを経ている場合において、国の過失等が明ら
   かになった場合には、その過失等により生じた損害の範囲内で国が損害賠償を負うことに
   なると考えられる。なお、県が法定の手続きを踏まえずに不充分な治水事業を行い、その
   ために災害が発生した場合は、県が所要の手続きを行わなかったことについて、県が手続
   きの不作為により損害についての賠償責任を負うこととなると考えられる。」(5月2日)

  B「基本高水を下げた場合、隣接した河川(例えば裾花川や横河川)と比較して治水安全度
   のバランスが取れなくなり、こうした状況を河川管理者である県はどう考えるのか。また、
   国は河川整備計画策定協議の中で、どのような判断をされるのか。」(竹内委員)

      =「(略)河川安全度の目標とする水準は、当該河川の重要性、所管地域内の他の河川と
   のバランス、近年の災害発生状況等を考慮し、設定されるべきである。浅川を例にとると、
   長野市街地を流れている裾花川ではダムと河川改修により市街地では100年確立の治水
   安全度がすでに確保されており、浅川の安全度を下げることは近隣河川である裾花川との
   整合性はとれなくなり、不合理が生じる。同様に、岡谷市街地を流下する横河川は100
   年確立で整備が出来ており、砥川の治水安全度を下げることは近隣河川の横河川との整備
   水準の整合性が図れなくなる。また、浅川、砥川ともに、今後の河川工事や河川の維持等
   の具体的な河川整備に関する事項を定めた河川整備計画の策定及び国の認可が必要であり、
   この際地域の意向を十分に反映させるために関係市町村長の意見を聴くことが義務付けら
   れている。浅川、砥川ともに、合理的な理由なくして整備水準を下げた計画に対し、関係
   市町村長の理解が得られるとはこれまでの部会等での論議からは思えない。(略)」

      国土交通省=「治水計画を立案する上で考慮せざるを得ない対象降雨から求められた最大
   流量が、他の手法による方法とも比べ妥当な値と判断されるにもかかわらず、基本高水を
   下げることは、安全度を下げることと同義である。」「河川整備計画の認可にあたっては、
   目標とされる水準が、当該河川の重要性、所管地域内の他の河川とのバランス、近年の災
   害の発生状況等を考慮して設定されていることが判断の基準となっている。」「(略)なお、
   そもそも、河川管理者としては、損害賠償責任を問われることのないよう、適正な河川整
   備に努めることが第一義的に重要であると考える。」(5月8日)

(2)この見解が出された時、五十嵐委員は、国が幾つもダムを止めている現状を説明せず、損
  害賠償についてまで国が言えるのか、国土交通省の誰の見解か、国道交通省を次回呼べと激
  怒して主張。大熊委員は加えて大仏ダムをあげ、石坂県議は佐久のダムをあげて同じ事を主
  張した。
  また、泰阜の松島村長は、県議の皆さんは認可認可と言うけれど、認可による補助制度を意
  識していては何も変わらない、認可にならなくても違ったことを発信することが重要と言っ
  た趣旨の発言をした。
  そして、結局、国土交通省への脱ダム派の次のような質問が出され、国土交通省は委員会へ
  は出席しなかったが次の様な回答が寄せられた。
  この時、五十嵐委員は竹内君の質問には国土交通省は答えるが、我々の質問には答えないと、
  不満を露わにした。

  この時の国土交通省への質問事項(5月9日)
  @「基本高水流量が、基準通りに設定されているにもかかわらずダムを中止するのはなぜか。
   (大熊委員)「社会的条件によりダムを中止してもいいのか。この条件を地域ごとに考える
   ことはできないか。(五十嵐委員)
  A「吉野川河口堰は、住民・知事・市長が反対し条件がそろっているのになぜ事業を中止に
   できないのか。」(五十嵐委員)
  B「上記ダムを中止した河川において災害が発生した時には、全て損害賠償責任が河川管理
   者にあるのか。(大熊委員・五十嵐委員)
  C「2000年のダム見直しによって、多くのダムが中止されたがそれに伴って、従来の治
   水計画を変更しなければならないと考えるが、その変更に関する基本的方針を明らかにし
   て欲しい。(大熊委員)
  D「下諏訪ダムと同程度以下の熱水変質脈が集中したダム岩盤に、ダムを造った事例の岩盤
   地質・同断面等の具体的資料を提示願いたい。」(松島信幸委員)
  E「国土交通省は、千曲川上流ダムを事実上白紙に戻したが、基本高水1000m3/sの
   ダムに変わる代替案も住民には示されていない、浅川の治水対策を考えるうえでも、立ヶ
   花の狭窄部の問題や、千曲川増水時に水門を閉めなければならない構造的な問題もあり、
   千曲川の上流から下流までのトータルでの治水対策が検討されるべきと思う。この立場か
   ら、今回の千曲川上流ダムの白紙問題を、基本高水の見直しとの関係で、どう考えたらよ
   いのかお伺いしたい。(石坂委員)
  F「河川管理者の損害賠償責任の問題は、河川整備計画が国の認可を得て、従来の国基準を
   満たしている場合でも、河川管理や改修のあり方、ダムの操作などが原因で災害による被
   害が住民に及んだ場合は免れないものと考えるがいかがか、その場合、基準そのものの見
   直しも検討するべきではないか。(石坂委員)」

  国土交通省=「今回の質問のうち、浅川や砥川に関する基本高水に関すると思われるものに
  ついては、次の通りです。
  治水計画で目標とする安全の水準は、河川の重要度、すなわち計画の対象となる地域の社会
  経済的重要性、想定される被害の質量や、既往洪水による被害の実態などを考慮して決定さ
  れる性格のものであって、個別のダム事業の見直しが、ただちに治水計画で目標とする安全
  の水準を変えるという性格のものではありません。
  目標とする安全の水準を確保するための具体的な手段には様々なものがあり、例えばある具
  体のダム計画が見直しとなったとしても、他の手段を検討すること等によって対応すること
  が基本的な考え方です。
  なお、熱水変質脈が集中した岩盤上にダムを建設した例として、新潟県の久知川ダムがあり
  ます。長野県の方に工事記録を渡してありますので参照して下さい。」(5月16日)

(3)5月16日の回答を受けて、脱ダム派は回答が不充分、何も答えていないとして、次回の
  検討委員会(5月23日)に国土交通省が出席するよう知事名で要請することを主張。その
  際の質問内容も追加されたので、私も次の点を追加ました。そして、国土交通省は出席しま
  せんでしたが、文章で次の回答が寄せられました。

 追加質問の内容(5月21日)
  @「平成18年5月16日の回答の中で「他の手段を検討すること等によって対応することが
  基本的な考え方」とあるが、検討中のものも含め具体的に示して欲しい。(大熊委員)

 A「河川砂防技術基準(案)の抜本的な基準改訂作業を行っていると聞いているが、基本高水
  決定等についてどの様な方向で検討しているのか。また、改訂の時期と(案)の字がとれる
  のか教えていただきたい。(竹内委員)

 B「浅川ダムサイトにおけるFV断層について、松島委員等が調査の結果、「第四紀断層(活断
  層)と確認された」としているが、「ダム建設における第四紀断層の調査と対応に関する指針
  (案)及び解説書」の「一次調査の結果、第四紀断層またはその疑いのあるものがダム軸近
  傍に存在する可能性があるときは二次調査を実施する」ことに該当するのか。また、土木研
  究所地質官等の調査を実施するお考えはあるか。(竹内委員)

  国土交通省=「前回質問があった項目のうち、浅川や砥川に関する基本高水に関すると思わ
  れる事項については、5月16日に説明した回答の通りです。
  追加質問については、以下の通りです。
  5月16日の回答の中で、「他の手段を検討すること等によって対応することが基本的な考え
  方」と説明したことについてですが、他の手段としては河道の掘削や引提、放水路、分水路、
  遊水地、他の位置でのダムの検討など様々な手法が考えられます。具体的には個々の河川毎
  の地形、地質等の自然条件や沿川の宅地等の集積状況等の社会的条件等の特性を踏まえて、
  最適な手法を検討していくことが必要となりますので一概にはいえません。
  また、河川砂防技術基準(案)における基本高水の決定方法については、技術基準(案)の
  改訂にあたっても、基本的な内容については変更する予定はありません。改訂の時期等は未
  定です。
  浅川ダムサイトにおける第四紀断層については、指針に基づき文献調査、空中写真判読、現
  地調査と手順を踏んで行っており、ダム建設に当たって支障となるものはないと判断してお
  ります。FV断層についてさらに調査が必要と県で判断されれば、まず県で調査することが
  基本です。」(5月22日)

(4)これらの論議を通じて、これまで論議して来た代替案は国の認可は難しいということが見
  えた。しかし、脱ダム派の皆さんは、認めなければ全国で国がダムを中止しているのだから
  「訴訟」を起こせば良いと言ったことを非公式な席で発言するようになった。

7.河川整備計画は認可となるか。

 (1)基本高水を下げることの「合理的理由」がなく、また、近隣河川とのバランス・整合性
   もなく、認可にはならないと思われる。

 (2)両部会は両論併記であり、河川法16条の2にいう流域の市町村長の意見を聴いても同
   意が得られないし、又、流域住民の意見も分かれている。

 (3)今後、もし脱ダム案を選択したとしても、国の認可、そして、流域市町村、住民への説
   明責任を、どう果たすかが問われる。

8.今後の住民参加の部会運営はどうなるのか。

 (1)部会の運営に当たっては「多数決」はとらないことを原則に行われ、その結果、両論併
   記の報告書となった。しかし、数を参考に総合的に判断するのであれば、両部会とも結果
   は変わっていた。検討委員会が「数」で最終的に決めたことにより、今後の部会の運営に
   も影響を与える。

 (2)その後、既に、黒沢・郷士沢・上川の各部会が開催されたが、「どうせ住民参加と言って
   も検討委員会で決めるのなら結果は見えている」「ショックだった」「部会はアリバイ作り
   ではないか。」「部会の審議が検討委員会へ反映されるのか」「大騒ぎしてお金をかけて、
   検討した結果、意見が反映されないとなると、無駄なことだ」など、検討委員会の両論併
   記からいきなり「数」により一つの案を選択したことえの不信の声があがっている。

 (3)しかし、部会では「部会の設置は治水・利水に無関心だった住民に感心を持たせた。自
   分達のことなのだから、ダムによる場合や、ダムなしの場合の検証を一つ一つ行い、検討
   委員会が何を言おうが検証することが重要だと分かった。」などの発言もあり、部会の方が
   条例の真意を率直に受け止め、大人である。

9.補助金の返還、損害賠償、利水事業者からの代替請求は?

 (1)答申書にはダムによらない場合の国への補助金返還の問題、業者からの損害賠償の問題、
   利水事業者からの代替施設請求などについて「現時点では判断出来ない」とか「不明であ
   る」とか「最終的には裁判所の判断による」となっている。
   しかし、B案を知事が選択する場合、河川管理者である知事は、これらの事も「どうなる
   か」明確な県民への説明責任が問われるが、どの様に考えているか。

 (2)B案を選択し、流域住民の合意なく河川整備を行い、或いは、このまま何もしないで放
   置して災害が発生した場合、訴訟が起こることが考えられるが、こうした時の対処も管理
   責任者である知事は考えているのか。
   また、国土交通省が見解を示した「そもそも、河川管理者としては、損害賠償責任を問わ
   れることのないよう、適正な河川整備に努めることが第一義的に重要であると考える。」と
   いうことについて、知事はどう考えるか。  

 (3)答申書に記載してあるダム中止の場合に考えられる補助金返還等の金額は、現在考えら
   れる数字をあげただけであり、さらに金額が増えることが予想されるが、知事は今日現在、
   どの様な判断されているか。

 (4)水道事業者である岡谷市や長野市から代替水源の確保を求められた場合、知事はどう対
   処するのか。


V 議会で検証すべき課題と今後の課題

 1.「脱ダム宣言」は流域住民の生命と財産の保全を考えて行ったものであるかどうか。

 2.改めて、なぜ「脱ダム」先にありきの人選を行ったのか。

 3.「数」による答申と起草委員会に各検討委員が出した意見書の非公開をどう思うか。
   また、マスコミ等から情報公開請求が出ていると聞くが、県はどう対応するのか。
   さらに、県が公開と決めた場合、非公開とした検討委員会の判断はどうなるのか。

 4.検討委員会や部会の論議と検討について、住民参加や会議・資料の公開を含めどの様に評
   価しているか。
      評価しているとしたら、なぜ唐突にトップダウンの「脱ダム宣言」を出したのか。
   反省しているということで良いのか。

      (知事は議案説明書で「決定過程こそ最大の河川政策であるという考えから、住民参加と
   情報公開について、最大の努力が図られました。比類なき住民参加と情報が公開されるこ
   とにより、多くの市民が関心を持ち、主体的に行方を見守り、あるいは解決点を見出すべ
   く議論に参加し、治水・利水を確立していく過程は、まさに民主主義のスタンダードであ
   ります」としているが、であるならば住民の意見や市町村長の意見を聴くことなく唐突に
   出した「脱ダム宣言」を出した自分の手法を反省して否定したと解して良いか。)

 5.検討委員会が答申した浅川、砥川の治水・利水対策案=脱ダム案について、どう思うか。

 6.基本高水を浅川330トン・砥川200トンとしたB案について、この数値で流域の生命
   と財産が守られると思うか。

 7.検討委員会では、代替案であっても(両河川ともB案)「国の認可が前提」という全員の確
   認がされている。「基本高水流量を下げることは安全度を下げることと同義である。」と国
   土交通省は、「認可」について疑問を投げかけているが、国の認可は得られるのか。
   答申が出されてから国の意向を確認したのか。
   確認してないとすれば、こんな重大な問題をなぜ今日までに確認しないのか。
   これから直ちに確認して欲しい。それが河川管理責任者としての責務である。

 8.基本高水の設定について周辺のバランスが一つの基準となるが、浅川も砥川も裾花川や横
   河川との整合性が課題となり、同じ県民、市民でも生命と財産の量り方が違い差別するこ
   とになるが、国の認可は得られるのか。また、これが「脱ダム宣言」の理念なのか。
   特に、両河川とも下流には都市資産が集積している。

 9.今後、長野モデルの治水とは、全国のレベルより治水安全度を下げ、しかも流域によりバ
   ラババラな安全対策をとるということか。

10.計画した基本高水を下げずにダムを一次棚上げして河川改修をする案もあると聞くが、「脱
  ダム宣言」の経過や、浅川などは既にダムを前提に河川改修に着手され、取り付け道路が完
  成している経過を考えると、この場合も国の認可は得られるのか。

11.河川整備計画策定に当たっての課題

 (1)知事は議案説明の中で今後の課題として「河川整備計画についての流域住民の理解や国
   の認可、水源の確保を含め水道事業者としての市・町との協議、そして事業実施に当たっ
   ての財政との整合性」などをあげ、「公共事業評価監視委員会にもお諮りした上で最終的な
   判断を行い、確実な治水・利水対策を実施してまいりたいと考えている」としているが、
   意味が良く分からない。
   河川整備整備計画を策定するには、その河川の治水安全度をどの程度で整備するのかが決
   まらないと具体的な計画は描けないし、市・町との協議も国との協議も出来ない。まずは、
   答申にある基本高水で良いのか知事が判断しないと前に進まない。

 (2)また、公共事業監視委員会は監視機関であり、検討委員会ではない。まず、知事がどの
   様な事業を行うか明確し河川整備計画認可の見通しを付けた上で、監視委員会の判断を求
   めることが道筋であると思うが。

  (3)河川整備計画については河川法の16条の2で市町村長の意見、公聴会など住民の意見
   を聞くことがうたわれている。検討は委員会の部会や公聴会はこの規定に置き換えること
   ができると思うか。
   置き換えることはできない。なぜなら部会での公聴会は両論に対する意見を聴取したもの
   であり、一つの事業を行うに当たっての意見を求めたものではないからである。
   また、例えば浅川の場合、ダムに反対する皆さんは、これまで住民への説明責任がたりな
   いと行政を批判して来た経過があり、もしダムによらない事業を行うにしてもダム建設に
   向けて、これまで県が行って来た各地区での説明会の実施も行うのが当然である。 

12.「公共事業評価監視委員会」について
   「公共事業評価監視委員会」は「事業着手から一定期間が経過した国庫補助事業及び県単独
  事業について再評価を実施し、必要に応じ事業の見直し等を行うことにより、公共事業の効
  率性及びその実施経過の透明性をより一層高める」ため、国の通達に依拠し設置したもので
  あるが、その再評価を実施するに当たり第3者から意見を聴くのが「公共事業評価監視委員
  会」である。
  ではなぜ「監視」という言葉が付いているのか。それは第3者機関という意味合いが強いか
  らであり、知事が行う事業について第3者が監視するという意味である。
  従って、知事の気に入った人を任命するというのは、監視としての機能を果たせない。
  また、「公共事業評価監視委員会設置要綱」の第3には「委員は実情をよく理解している公平
  な立場にある有識者のうちから知事が委嘱する。」とあり、今回知事が委嘱した委員には県外
  の方が多く、中には知事に献金している方が含まれるなど、「実情をよく理解している公平な
  立場」かどうか疑問視される。

13.河川法に言う河川の管理責任者とは誰か。
   「脱ダム宣言」は自分で判断して出したのに、今回は慎重である理由はなぜか。
  この間に災害が発生した場合の責任は誰にあるのか。

14.もし、基本高水流量を変更する場合は、自ら任命した「脱ダム学者」や反対派の皆さんの
  主張を否定することとなり、知事の任命責任が問われるが、どう思うか。

   

W 浅川

1.基本高水330トンを決定するにあたり採用した既往最大相当は、戦後の昭和25年の実績
  降雨を参考としているが、長野市が貯留関数法で引き伸ばしを行わず全く同じ方法で試算し
  指摘した昭和12年の415トンが既往最大相当ということになるが、どう思うか。

2.基準点(千曲川との合流点)での基本高水を330トンとし、他の支川合流点での浅川本川
  そのものの基本高水をそれぞれ修正しても、支川の基本高水も変更しなければ、矛盾を生じ
  ると思うが、土木部はどう考えているか。
  また、このままで国の認可が得られるか。

3.基本高水の変更により浅川支川でも長野市の管理する河川や都市下水路等も計画変更が余儀
  なくされるが、どの様に対処するお考えか。

4.既に建設に着手している都市計画道路、「東豊線」の橋梁への影響や、多くの橋梁の掛け替え、
  既にダム建設を前提に改修が完了している護岸の嵩上げや、護岸の完成断面を5分勾配にす
  るなど、代替案では継続中の事業で既に完成しているものを壊したり改修することとなると
  思われるが、その場合の河川改修は国の認可が得られるのか。

5.代替案による河川改修は嵩上げや橋梁の掛け替え、護岸をさらに急勾配にするなど、既存の
  近自然工法を取り入れ行っている河川改修より、環境を悪化させることになり、答申に指摘
  されている「浅川の中流部は都市河川でもあるから、改修を機に日常的な親水の場、魚が泳
  ぎ、水鳥が訪れ、子供たちの遊び場、環境教育の場としての川の機能を回復させるべきであ
  る。」ということと矛盾すると思うが。また、このことは、「出来るだけコンクリートによる
  ダムは造るべきでない」とする環境重視の「脱ダム宣言」とも矛盾すると思うが。
  さらに、このことを流域住民にどの様に説明するのか。

    検討委員会財政ワーキンググループが代替案の試算をするに当たり、基本高水ワーキンググ
  ループ座長の大熊委員に河川改修の具体的な断面等を出すよう求めた経過がある。
  それによると、基準点の基本高水330トンによる河川改修は、断面が不足する場合、新た
  な用地買収を考えないとして、@計画高水+余裕高60cmが堤内地盤を越えるような場合
  は胸壁(パラペット)構造とする。A計画河床を下げて断面を確保する。B護岸勾配を急(例
  :一割を五分)にする。とし、清水橋上流付近で20cmの嵩上げ、富竹橋付近でも20c
  mのパラペットによる嵩上げ、平成橋付近で既存護岸撤去と新設や河床下げ、浅川橋付近で
  既存護岸撤去と新設、そして既に工事が完了している護岸の改良や嵩上げ橋梁の掛け替えな
  どが必要であり、もし、この代替案が完成すれば流域住民は「なぜこんな構造の川になって
  しまうのか」嘆く結果になる。

6,これらの課題について、市町村長や流域住民の同意をどの様に得るのか。
    河川整備計画作成にあたり、公聴会の開催も含めて、どの様な手続きをとるのか。
    部会の審議は両論併記であり流域住民の同意を得られているとは言えないし、部会が行った
  公聴会はダムありダムなしの一定の案を示し意見を求めただけで、新たな事業について意見
  は求めていない。


X 砥川

1.水道水源について新和田トンネルからの取水について、可能性は。

2.また、新和田トンネルからの取水については水量が不足するが、不足分をどうするのか。


3.高田委員が提案した過去の既往最大流量160トン、プラス25%の基本高水200トンは、
  法律で定められている余裕高を見ていないが、どう評価するか。

4.岡谷市のトリクロロエチレン汚染の問題(地下水・大気中も含め)を、県の衛生部長はどう
  思うか。

5.岡谷市等から利水について損害賠償を求められた場合、どの様に対応するのか。

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