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治水・利水・ダム問題コーナー

浅川の治水対策(案)
2002.2.9

この文書は浅川部会で各委員が治水対策案を提出することになり、私が提出した試案です。
浅川治水対策案                                                  竹内 久幸

T ダムについて

 1 下流域の治水安全度を、より確保するためダムは必要である。
 2 ダムには流木や土砂流出を防ぐ目的もある。
 3 デメリットである堆砂対策については、排砂ゲートと沈砂池を組み合わせた対応も検討に値する。
 4 各流域での地元や地権者との協議を重ね、現在のダムと河川改修を組み合わせた事業を進めて
  来た経過や、既に国の認可を得て計画にそって進めてきた事業を、ここまで来て中止することは、混
  乱を招くだけである。
 5 ダムの安全性については、「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」の議事録や、この間の川上先生
  や赤羽先生の説明で納得できる。(奥西先生が危険と指摘する内容は、根拠を示していないと思う。)
    ただ、議事録でも指摘しているように、ダム建設後も地滑り等の定期的な監視は行う必要がある。   
    また、スメクタイトの問題についても、この間の県の対策に関する説明で納得できる。

U ダム上流域の治水対策について

  1 森林整備は、ダムによる場合も積極的に行う。
  2 猫又池の漏水については現在調査中であり、調査結果を受けて対策を行う。

V 千曲川合流点から中流域について

  1 計画による河川改修を完了させる。
  2 浅川排水機場ポンプの能力アップを国に働きかける。
  3 ダムを作っても下流域の内水水害は解消しないことから、効果があり他の河川に影響を与えない場
  所に親水公園もかねた遊水池を整備する。

W 支川の内水対策について

 1 浅川へ流入する各支川流域での内水対策については、ダムを造っても浅川下流域では水害が解
  消しないことから、浅川本川の負担を軽減する対策として必要である。
  2 しかし、性格的には浅川本川と流入する各支川とを分けて考えるべきである。
  3 支川流域での雨水調整池や各種浸透施設の整備、各家庭や事業所の取り組みなどについては、
  本部会で出されている課題も含め県・長野市・豊野町・小布施町等で構成する「浅川流域治水対策
  連絡会」を再開し、雨水流出抑制の数値的目標も含め具体策を講ずるべきである。
 4 また、各種施策の実施を促進するため県としても補助制度の創設など財政負担を行うべきである。
    (具体的内容は、追加提案)

X 千曲川に関して

 1 浅川と千曲川の関係は、立ケ花の狭窄部の改善がなされない以上宿命的である。しかし、立ケ花か
  ら下流域のことに配慮すれば、現在の立ケ花から上流の千曲川は調整池の機能を果たしていること
  も否定できない。
 2 この点について、今後の千曲川の治水計画や立ケ花より上流の位置付けについて国土交通省千
  曲川工事事務所に確認した上で、少しでも千曲川上流域からの雨水流入を抑制するための施策に
  取り組むべきである。
 3 具体的には、県が国土交通省と連携し千曲川流域市町村、事業所、住民に呼びかけ、「千曲川委
  員会」を設置し、雨水流出抑制策や河川愛護等に取り組むべきである。

Y ダムによらない場合の対応

  1 流木や土砂流出を防止するため、ダムを砂防ダムとする。
 2 上流部にダム貯留機能と同じ調整池を整備する。場所等の確保が困難な場合は、その不足分につ
  いては河川拡幅により対応する。
  但しこの場合は、ダムを中止したことにより全体計画が変更となることや、既に改修済みの箇所は二
  重投資となるるため、国の補助金が出るかなど、財政的な課題がある。
  3 他の課題については、ダムによる場合と基本的に同じ。

Z 水防等について

 1 ダムによる場合もよらない場合も、浅川と共存する流域住民に対して、いざという場合の浸水予想や
  対応、避難方法等について周知する必要がある。 

[ その他 

 ★支川内水対策に関する追加提案

1 ダムと河川改修を組み合わせた浅川改修は、千曲川との合流点のセミバック提を地元に提案したが
  地権者等の了解が得られなかったため現在の構造となった(昭和51年)。しかし、この計画はダ
  ムが完成しても下流域の水害が解消しないことや、その後の昭和58年等の水害発生の教訓を踏ま
  え、支川等の内水抑制対策を進め、できるだけ下流域への負担を軽減する目的で、昭和60年に
  「浅川流域治水対策等連絡会」が設置された経過がある。この経過からも浅川本川と支川の問題は
  分けて考えるべきである。(ダムを作っても支川での、かなりの内水対策が必要。)

2 この「浅川流域治水対策等連絡会」の設置目的と県・長野市・豊野町等の役割をもう一度再検証し
  認し、浅川へ流入する各支川流域での多角的治水対策を進めるべきである。
  また、この連絡会による再検証では国の「特定河川事業」のように流域市町村の雨水流出抑制目標
  や達成年度を確認するとともに、実施する各事業への県・市・町等の財政負担についても検討すべ
  きである。
    その前提に立って、次のことを提案する。

(1)県の公共施設への雨水浸透・調整池の整備

   @県庁・地方事務所・長野高校・長野吉田高校・長野西高校・長野商業高校・長野県短期大学・
    長野養護学校・長野盲学校・長野ろう学校・中央警察署、県リハビリセンター・サンアップル・各
    県営住宅等の県の公共施設については、「脱ダム宣言」を出す以上、自ら率先した規程以上の
    効果ある雨水調整施設整備等の対策を行うべきである。(ダムによる場合も内水対策として)
     また、県企業局が開発した若槻団地等にも雨水貯留施設を県の責任において整備すべきであ
    る。

    (2)長野市の雨水調整池・浸透施設の整備

   @「浅川流域治水対策等連絡会」の確認事項や、支川流域での水害に苦しむ住民要望を受け
     て、これまで長野市では公共施設への浸透・貯留施設の整備、堀切沢、中越調整池、弁天池調
    整池、石渡調整池、運動公園調整池、小中学校グランドへの調整施設の計画的整備などを行
    ってきているが、さらに効果ある場所への設置を進める必要がある。
    また、今後整備する幹線道路については、「道路浸透舛」を積極的に整備することも検討する。


   A開発行為・事業所への雨水対策指導
     これまで長野市では区画整理事業や民間の開発行為等については雨水浸透施設や調整池 
        設置等について要綱による指導を行い実績をあげているが、さらに効果をあげるには県の財政 
        補助等の検討も必要である。
     また、都市計画道路「北部幹線」について歩道下等への「道路浸透舛」の整備を検討するととも
    に、道路ぞいの店舗等について雨水流出抑制策を指導するべきである。

      B長沼1号幹線排水路上流部への親水公園をかねた大雨水調整池の整備については、水害に
    苦しむ市民要望を受けて、現在長野市においてその効果を調査検討いただいているが、早期
    に実現することが望まれる。

  (3)バイパスの整備

   @長沼1号幹線排水路から千曲川への河川バイバスの整備と新たな機場整備については、今後
    予定されている道路整備計画とあわせた計画の具体化について前から市東北部水害問題懇話
    会等から要望が出されており、ダムを建設しても東北部の河川構造から検討が必要である。

  (4)個人家庭等での雨水利用・浸透対策

   @治水・利水は特定の影響を受ける住民の課題でなく県民全体の課題であり、住民の参画が問
    われる。そこで各河川を共有している流域住民がその河川に与えている負担を自覚し河川環
    境など愛護意識を持っていただくためにも、各家庭における雨水貯留や浸透、利用を推進す
    る。
    但し、浸透舛については地域の地形や地質により効果がなかったり、地滑り等を誘発する可能
    性もあることから、雨水貯留桶など複数のメニューを設けるなど多角的な取り組みが必要であ
    る。

   A現在長野市では各家庭での雨水浸透舛の設置について新築の場合建築確認時に厳重な設置指導
    を行っているが、さらに今年4月からは雨水浸透舛や利水のための貯留施設(桶)の整備につ
    いて補助制度の導入を検討している。これらについても県として補助制度を検討すべきである。
    また、「簡易雨水貯留桶」や「雨水浸透舛」については、企業等に呼びかけ「長野モデル」製
    品を開発するのも一つの産業育成方策となりうると思う。

   B国で制度化している個人家庭で不用となった浄化槽の雨水貯留施設等への利用について、積極
    的に受け入れ実施すべきである。

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