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治水・利水・ダム問題コーナー

浅川部会での地質に関する県への質問
2002.2

 この質問書は浅川部会において、浅川ダム建設予定地の地質について「地滑り等技術検討委員会」の見解について疑問の声が出され、当時の川上委員長と小坂教授、そして奥西委員に部会に来てもらい説明を受けましたが、特に奥西委員の部会における答弁と提出された文書とあまりにも分かりにくいため、あえて質問書として提出したものです。
 後で川上委員長と会談しましたが、はじめから結論先にありきの奥西委員は、自分の専門外の分野まで対外的な圧力によって発言していました。地質の分野で、そのことを行えばどこまで行っても結論は出ません。とのコメントを申し添えます。

■浅川ダム地すべり等技術検討委員会に関する奥西一夫氏の見解等について

 前回の浅川部会に「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」の一員であった奥西一夫教授から提
出された「石坂部会長からのご質問に答えて」を読みました。しかし、当時の他の検討委員や県
の姿勢を強烈に批判する内容が多く、この論によれば技術検討委員会で検討した内容や経過が前
面否定となると思われることから、当時係わった県職員の方の客観的な見解を示して下さい。
 また、前回の部会で同じく技術検討委員会の一員であった赤羽教授の説明についても技術検討
委員会の位置付けについて、今後の部会審議に係わる発言があったことから、県の見解をお示し
頂きたいと思います。

★浅川ダム地すべり等技術検討委員会の任務、位置付け、性格について

 ▲奥西委員は、趣意書に「ダム建設に当たり」と書いてあることが、「ダム建設を前提」とする
  ものであった」とか「県から提出された調査資料の枠を超える意見は、委員によるものであ
  っても、他の県民によるものであってもことごとく無視された」「趣意書の客観的技術検討を
  とすることに相反する」等々を指摘していますが、本当にそうだったのか。

 ▲また、同様に「ダム建設の是非や、治水のあり方を決定するための基礎的知見を提供する技
  術検討が求められたものではなく、そのような決定を合理化し、その線に沿っての技術検討
  が求められたように思われる」と指摘していますが、 技術検討委員会の趣意書の趣旨を県と
  して委員会に説明したのか。さらに審議の途中で奥西委員からこうした発言が出され検討さ
  れたのか。

  ▲なぜ、奥西一夫委員が「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」の一員に任命されたのか。国
  土研究会の責任者としての立場もあったのか。

 ▲前回の部会で赤羽教授は「浅川ダム地すべり等技術検討委員会」の性格について「貯水池周
  辺の地滑りや第四紀断層を中心に検討する委員会であり、ダムを造った方がいいか、どうか
  を検討する委員会ではない。広い意味でダムが適しているかどうかは別の問題。」と言うよう
  な発言をされているが、この点について、検討委員会の中では全く論議されなかったのか。
  また、県の考えは。

★左岸の大規模岩盤地すべりの可能性について

 ▲奥西教授は「石坂部会長からのご質問に答えて」の中で「途中から正当な理由なく言及され
  なくなった」そして、奥西委員の指摘に対して藤田委員や川上委員の見解を述べられ、「これ
  は地すべりの危険評価ではなく、地滑り対策、すなわち、あくまでもダムを建設するという
  前提の下での検討であることを意味する。」としていますが、本当に、そうした論議だったの
  か。

 ▲また、市ノ瀬右岸の地滑りについて、調査中に深い地滑りが起こったことから、「大規模地滑
  りの問題をダム建設後の問題にすり替えようとしたものと推測される」としている点につい
  て、県の見解は。

  ▲大熊委員の地滑りに関する設問に対して奥西委員は「決定方法は、正直なところ、いい加減
  と言わざるを得ない」「極めて恣意的(しいてき=身勝手・気まま・自分勝手)だと言わざる
  を得ない。奥西は大規模地すべりの危険度を調査すべきとして、あり得る地すべり区域を提
  示したが、ボーリングによる調査はされず、その周縁部をことさら近視眼的に調査して、ク
  ラックが存在しないから地滑りではないとして、これを葬りさった」としていますが、この
  ことは本当ですか。

 ▲また、この点について奥西委員が指摘した「震度法」による解析や実施やボーリング調査の
  要望についても検討した結果、「ダム周辺の地震による地滑りの影響は少ない」との結論に至
  ったと前回の川上・赤羽教授の説明や「議事要旨」で解釈致しますが、奥西教授は「地滑り
  が発生する」とする根拠を示されたのか。

 ▲さらに、奥西教授が提案したボーリング調査については、すべり面の状況やどのような深さ
  や延長、位置で調査を行うか、何の基準をもってすべり面とするのかなどの、地滑り面を特
  定するための、具体的な見解は示されたのか。

★地震時の安定性について

 ▲奥西委員は地震時の安定性について「長野県当局と一部の委員の意見は、『地震時の安定性を
  検討するとどの斜面も危険なるから』『費用がかかるから』という理由で地震時の斜面安定を
  検討すべきではないと言うものであった。ひとつには、ダム建設不可という結論になりそう
  な検討はおこなわないという方針にしたがたものと解釈される」と指摘している。
  また、「費用を余りかけないと言う観点から震度法を採用するのも一方法であると提案したが、
  長野県当局からは拒否された民間事業者がこのような規模の土木工事を申請したときは、
  長野県は必ず震度法による安定評価を義務づけているはずである。長野県の行う事業に限っ
  て、何らの安定評価もおこなわないと言うのは傲慢な態度である」と言っているが、これら
  の指摘についての事実経過と県の見解は。

★右岸の線状凹地について

 ▲奥西教授は「調査抗などについては、問題点が出そうな所には掘らないという姿勢が貫かれ
  ていたとしか考えられないような節がある」と指摘しています。しかし、「議事要旨」にある
  奥西教授が指摘したF9断層との関係に関する「追加調査」の必要性についての他の委員の
  「ダムサイトあるいは湛水に対して、どういう影響が想定されて、もっと調査しなければな
  らないのか示してほしい」「地すべりや断層とする根拠が示されないで、疑いがあるからだけ
  では調べようがない」「ダムの影響外まで調査しなければならない理由が判らない」という様
  な論議があったことには触れられていません。
  この点について、断層と溝状凹地の関係は、何が問題で、その関係を明らかにしなくてはい
  けないのか。具体的にどのような斜面の危険性を想定するのか。岩盤崩壊なら範囲やすべり
  の深さなど追加調査の必要性について奥西教授から具体的な説明が行われたのか。
  さらに、この線状凹地について「過去数十年から百年以内に起こった岩盤地すべり跡と考え
  られるから、調査を徹底的な行う必要がある」と要望書を提出した小坂教授に対して、川上
  委員長が「岩盤すべりの規模」「想定する岩盤すべり深さ」「岩盤すべりが発生した時期、動
  きの程度、今後の活動性」について質問書で回答を求めたのに対し、小坂教授からは岩盤す
  へりの発生時期を除き「具体的な情報がないから回答出来ない」とした回答があったのみで、
  科学的な根拠が示されなかったとお聞きしていますが、事実経過は。

 ▲奥西教授は「武田委員の質問に答えて」の中で「委員会の全員一致事項であるモニタリング
  が、その後なされていないように思われるのは重大問題です」と指摘していますが、県の見
  解は。

■国との関係について安全性に関する協議

 ▲浅川ダムの建設に関し、国の認可を受ける課程で当然、現在論議されているような活断層の
  存在の有無や地滑りの可能性、スメクタイトへの対応など、ダムの安全性の問題について指
  導があったと思いますが、指導され検証された具体的内容を示して欲しい。
  また、長野県が技術検討委員会を設置して検討した経過や、10人中一人の委員が反対した
  内容についても国はどのように受け止めているのかお聞かせ願いたい。

■松島委員の指摘に関して「長野市西縁部活断層」との関係

 ▲松島委員は「この場所は長野盆地西縁変動帯で第4紀地殻変動が最大に集中している場所で
  ある。ダムサイトの場所は近接した盆地部に対して一年に2ミリ上昇している先端部に位置
  している。百年では20センチ上昇する。上昇があれば、それだけ重力が働いてダムサイト
  は崩れていく。このような地殻変動観の認識が無くて安全を標榜する資格はない。」と指摘し
  ていますが、この指摘に対する県の見解は。

 ▲また、松島委員は「現代の進歩した土木技術を駆使すれば上記の難問題は克服できるであろ
  う。こうした土木技術を行使するのは土木本来の倫理観に反する。浅川における地形の成り
  立ちと地質の特性を理解せずに土木技術の論理で地形を改変するならば、そこに生じた矛盾
  は災害となって人の社会に害を及ぼす。」とも指摘していますが、この指摘に対する県の見解
  もお聞かせ下さい。

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