地域の建築と建築家たち

日本はアジアモンスーン気候であるといわれた時期があります。しかし、沖縄の亜熱帯から北海道の亜寒帯までの広がりを持ち、それぞれの気候風土はまったくといっていいほど異なっています。気候風土が異なれば当然そこに育つ動植物は違い、それらをすべての糧として生活する人々の暮らしは異なり、件t1生活様式、そして建築様式も独自な発展を遂げます。
バーナード・ルドフスキーの古典的名著『Architecture without Architect』を読めば一目瞭然、人間の知恵の深さと造形力、想像力の逞しさにただただ脱帽するばかりです。国際的な広がりを見るまでもなく、日本国内に見られるバラエティも豊かです。

北海道:ここには開拓者の骨太な挑戦の気持ちが表れているような気がします。田上義也さん世代のように、新天地に対峙するに際し、当時の日本に伝来した新しい建築技術とデザインで立ち向かった人たちもいます。彼らはフランク・ロイド・ライトのデザインを援用しました。
その後、ジークフリード・ギーディオンの名著『時間・空間・建築』を翻訳した太田實さん、ミース・ファン・デル・ローエのようなシャープな線を持つ上遠野さんたちが、建築の分野を切り開いてきたと思います。
それに継ぐ世代では、北海道の熊を思わせる倉本龍彦さんたちがいます。倉本さんは精力的に若者たちと交わり、新たな展開を期しています。

東北:一時期、羽田他所夫さんや久慈・一戸設計事務所などが精力的に建築に取り組んでいました。その後山形の本間利男さんががんばっています。しかし、その後さまざまな建築家たちが活躍を始めます。仙台の針生一郎さん、盛岡の若松信行さん、山形の渋谷常義さんたちがそれまでとは違った展開を始めました。
大きく変貌を始めたのが、阿部仁史さんが仙台に帰ってからでしょう。いまや学生を含めて、仙台が注目されています。

関東:東京を中心として考えると、地域性が薄いかもしれませんが、それでも多くの建築家たちが地域とともに活躍しています。ただし、このエリアで考えると、地域性という言葉も慎重に考える必要を感じます。

東海:

甲信越:

北陸:

中部:

近畿:

関西:

中国:

四国:

九州:

沖縄: