00’9月1日 大阪・心斎橋クラブクアトロ
＋†RITUAL CARNAGE†SUNS OWL†FULL TRAP
メンバーはえらい童顔で、新地は「かわいいねえ」と言っていた。そりゃ普段コワモテの兄ちゃん（外国のバンド）ばかり見とるからだ。見た目が凄くパンキッシュでしたので、出てくる音は初期パンクかな、と思ってたら、結構ハードコアだった。若くて元気がいいし、MCも初々しくて、印象は良。仕切りはまだまだ。ライヴこなして、腕を上げて下さいませ。
ギタリストが黒地に赤ラインの服を着ていて、しかも茶髪の前髪をバックに流していて、パッと見、ヤンキーみたいだったので、一体どんな音を出すのかと思ったら、FULL TRAP以上のハードコアだった。ヤンキーみたいな服はただのサッカーシャツ。適度にブレイクもあって、結構聞かせてくれる。
しかし、MCはちょっと危なっかしかった。あんまり、本人たちに他意はなかったと思うんだが、今日び卑屈になってるメタル者が聞いたら反感買いかねない。私は短絡的に怒る程若くはないけど、けっこうヒヤヒヤしした。メタル者にもアピールできる音をしていると思うので、MCごときで、掴みかけた新しいリスナーを逃す事がないよう、御注意を。
始まる前、前にいた男の子が「メタルらしくなってきたな」と言ってたのが最高。Danさんも「メタルの時間だぜ〜」なんて言ってたし。現在のメタルの状況では、こういう事があると、やっぱり「おおーっ！」となるもんだ。
音はVADERに合わせてたと思うので、ある程度仕方がなかったのだろうけど、ギターの音が潰れてしまってて、良くわからなかった。特にバッキング。ドラムとヴォーカルは結構はっきり聴こていた。その上４曲じゃ、感想と言っても難しい。全て、あの手の“爆走系”メタルでなのだろうか？VADER聴いといてなんですが、も少し「引き」もあってもいいかも。
「最後の曲」というMCには、客からも「えーーッッッッ！！！！」と声があがった。時間も押してただろうし、しょうがないけど…。プロモーターがハードコアに強いからって、まさか差別した訳じゃないだろうけど、場内にいるのが半分以上メタル者だった事を考えると、主催にはもう少し考えてほしかった。出演バンドは三つまでが良かったんじゃないだろうか。
最後に、フロアに降りてきたDanのスキンヘッドを、ボンズ達はピタピタ叩いていたが、おいおいアンタら、彼は関取かい（笑）。
セッティングで、Docがドラムの調整をやり始めると、フロアのボンズ達がどことなくそわそわし始めた。多分、「Doc〜♪」とでも声をかけたかったのだろうが、彼は一種近寄り難い雰囲気を漂わせていて、少し声をかけづらかった模様。一方、髪を束ねたPeter。ニコニコと愛想がよろしい。
…き…緊張感が…ない。
本編が次まる前に、凄い雰囲気もののSE（何かの映画のサントラだと思が、思い出せない）が流る。Peterは愛想がいいまま。SEと合ってないってば（笑）。
音のまとまりはあまり良いとは言えなかったかな。ドラムは前評判通り凄かったけど、弦楽器隊の音がはっきりしないのは寂しい。でも、ヴォーカルはよく聴こえていた。
Peterは凄くフレンドリー。途中、ベースがトラブって演奏が中断した時も、どうにか間を持たせようとして「静かだねー」とか「日本語教えてよ」とか言っていた。こっちが英語できればね…ごめんねPeter、相手できなくて…。再開する時の「やりなおし♪」ってのもヒジョーに和んだ（笑）。
三白眼で、フロアを見据えていたMauserは、始終恐かった。新地曰く「時々、片目だけ見えてる時があったけど、貞子みたいで恐かった」。こんな状態でミーハーな事をいうのはなんだが、この人なかなかのやさ男である。
Shamboは殆ど見えない。見えるのは風車状態の髪の毛だけだった。あんなに頭を振り回す人を見るのは久しぶりだ…。
同じくDocも見えなかった。ドラムの位置がフロントと同じだから当然なんだが、結構背の高いDocでもダメ。ドラマーの宿命だなあ…。
曲は大部分が「LITANY」からだった。他のアルバムでも聞きたい曲は結構あったんで、ちと残念。特に「BLACK TO THE BLIND」に関しては、物凄く思い入れがあるので。
終了時間は夜11時！おお、ARCH ENEMY（10時）を越えたじゃないか。高速バスにしなくて良かったね、と新地は言った。御飯を食べる時間は無くなったけど、梅田まで全力疾走はしなくて済んだ。
最後に、情けない話をひとつ。
PeterがMCで、「パイア、パイア…」と連呼しておりましたんで、私は「パイアってなんや？」とか思ってて、曲が始まったら気がついた。
「あ、“Silent Empire”…」
“em”を聞き取れなかったのである。ああ、悲しきヒアリング…。
（文責：八槌せいる）