01’3月26日 大阪・心斎橋クラブクアトロ
+EDGE OF SPIRIIT†SHADOW
※SHADOWはレポ無し。
(19:10→19:30)
5人組の日本のバンドだが、ベースはサポートのようである。サウンドプロダクションはまあまあ。それぞれの楽器の音の分離は良い。イントロからして、ナチュラルトーンのギターを爪弾くあたり、かなりの手練と見た。ヴォーカルがワメキ主体ではあるが、曲調は円熟味を増した、脱デスバンド群とベクトルを同じくしているよう。その音楽性は多彩。渋めの楽曲と言えよう。
小気味よく、ヘッドバンギングするにぴったりなリズムショットで、メタラーには心地良い。Vo.の存在感もあり、きちっとしたMCで客とコミュニケーションを取り、与えられたチャンスを活かそうとする姿勢も好感が持てた。
信奉者なのか、激しくヘッドバンギングする者達がフロアのあちこちに出てきた。CDが出たばかりという事で、ライヴ後、即買した。家で聴くと、歌詞が全編日本語であるのに驚かされた。ライヴでは叫び過ぎで、日本語とは気が付かなかった。そしてHC寄りと思われていた曲も、なかなかどうしてメロディックデスに仕上がっている。ベタな日本人の感覚を超越した、クオリティの高いメロディ、とは八槌の弁。国籍を伏せてリスナーに聴かせたら面白い事になるであろう、との事。
ヴォーカルスタイルの好き嫌いはあるにせよ、一度は見ておいても損は無いだろう。クラブサーキットで九州に寄る事があれば、是非ともライヴに足を運びたいものだ。
(19:45→20:15)
暴発的で残虐な攻性音壁のイントロ、MitchのハードコアスクリーミングとBarneyのディストーションシャウトの掛け合い。バンドは瞬時にトップギアでエンジンをフル回転させ、最大出力トルクで客席に一気に突っ込む。バンドの気勢は、人間に内在する衝動を発動させる。ダイヴァーが見事な、思い切りの良いジャンプを見せ、ライヴのヒートアップに拍車を掛ける。
書き遅れたが、5年ぶり3度目の来日公演−そんなコメントを書かせる猶予も与えない程、バンドはその勇姿をステージに現わした途端に、即演奏開始。SEなどありはしない。
ブラックボディのPearlツーバスドラムが中央に位置し、左右にMesa Boogieのアンプが並べられている。向かって左から、Mitch、白のフライングV、Shane、木目調のベース、Barney、驚異的な声帯、Jesse、赤のコンパクトボディのギター。Dannyは後方で、高速であるにも関わらず、ずっしりと重いリズムを叩き出す。オーディエンスは皆、切れ味鋭いギターに切り刻まれ、増歪声に捩じ伏せられ、バンドの逆巻く怒濤に隷従する。
マイクスタンドはMitchの前、1本のみであり、Shaneがノーマルヴォイスで歌う“Inside The Torn Apart”などが今回のリストから外されているのが判る、ちょっと残念。
弦楽器隊の激しいヘッドバンギングで長髪がバッサバッサとステージを舞う中、Barneyはハンドマイクを構えて屈み込み、オーディエンスの顔を覗き込んで、盛んに挑発を繰り返す。
頭上を飛び交う者が、ステージに寄せては返す。沖に流されるように、押し戻され、ステージからフロアに戻る事を許されない漂流者もあり、皆の失笑を買う。狭いフロアに小さいながらもモッシュピットができ、小生も輪に参加して御満悦。
DEAD KENNEDYSのトリビュートアルバムに提供された“Nazi Punks Fuck Off”がコールされると、会場に感嘆のどよめきが湧き上がる。Barneyはステージ前に下りて、最前のオーディエンス達に腕を回し、肩を組んで、共に怒号する。「fuck off!!」を会場中がコールする。ステージからMitchのスクリーミングが支援する。文字通り、会場と一体となって突き進む。
1時間で24曲で、永遠なる、揺るぎない帝位を指し示し、オーディエンスは帝王の玉座に悦服したのである。
(20:40→21:45)
マイアイドルのBarneyは、その声とは裏腹に、今回もチャーミングであった。天井の高さを気にしつつも、ステージ上をジャンプする、その姿は愛苦しいばかり。
ライヴ中、眼鏡を失くして「のび太くん状態」の客が、床を這いつくばっているのをBarneyは「ダイヴで負傷したのでは?」と心配顔。やっと眼鏡も見つかり、周りの人も一緒になって喜ぶフロア。「何とも無く、元気になった」と思い違えたBarneyも「ヨッシャ−」とステージ上で喜び盛り上がるのであった。
ライヴ終了後、互いの健闘を称えて、握手をしていたMitchに運良く、手を掴んで貰えた。美形に手を握られて、少女のように浮かれた私は「この手、一生洗わなーいvv」と盛り上がったが、5分後に銭湯で右手をゴシゴシ洗ったのであった。スマン、みっちー。
(文責:新地昭彦)
NAPALM DEATH JAPAN TOUR 2001
Mon. 26 March Shinsaibashi CLUB QUATTRO:OSAKA
Tues. 27 March Nagoya CLUB QUATTRO:NAGOYA
Wed. 28 March Shibuya CLUB QUATTRO:TOKYO
NAPALM DEATH
Mark "Barney" Greenway (Vocal)
Jesse Pintado (Guitar)
Mitch Harris (Guitar)
Shane Embury (Bass)
Danny Herrera (Drum)