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ライヴレポートのようなもの

ライヴ観て来た記

Extreme the DOJO Vol.8

03’7月16日 心斎橋クラブクアトロ
†NILE†SKINLESS†NAGLFAR†IMMORTALITY

IMMORTALITY

日本のHCバンド。イントロのインスト部が長い曲からスタートし、「このバンド、トリオかな?」と思っているとヴォーカルが出てきた。

時折ファスト部もあるが、ミドルのテンポが中心で内へ内へと籠るヘヴィネス。メロデス、デス、グラインド、HCと柔軟な音楽性を有するのが、最近のコアバンドの特徴である。ヴォーカルが咆哮デスに近い。ギターはソロや曲の出だしでR.H.(ライトハンド)を使うなど、HCバンドを自称するには風変りである。自らHCと名乗るバンドにこうも容易くデスナンバーを演られては、「日本のデスメタルバンドは何をやっとるんだ?」と腑甲斐なさを感じる。(25分;5曲)

NAGLFAR

ピアノのSEからライヴがスタート。音量は小さいけれど、各々がはっきりしていて分離がよく、ほぼアルバム通りの音を再現していた。特にギターの音が素晴しい。音質を期待してなかっただけに、これは拾いものである。“I Am Vengeance”や“12'th Rising”など暴虐の中に美旋律が際立つナンバーが次々と繰り出される。バンドとして長いブランクがあったり、ツアー経験が少ないことで、ステージングはいま一つである。ヴォーカルのMCや客との駆け引きなどのパフォーマンスはこれからの経験次第で改善されてくるであろう。しかしこのバンド、出演順が2番目という位置に甘んじるバンドでは決してない。この来日公演からNAGLFARの席巻が始まるだろう。短すぎるセットを“Black God Aftermath”で終了した。次回、単独来日を待ち望む。(40分;8曲)

SKINLESS

「from NY」を十分納得させる、デス/グラインドコア。その音像はとにかくアメリカンで乾いている。ドラムは足以上に手がよく動くし、ギターとユニゾンするベースも凄まじい。跳ねるリズムも多用され、暴れ系アニキ達がフロアで最も活動した時間であった。このバンドを例えるなら、メタルから見れば、「アメリカ人のサッカー」、コアから見れば「本場のアメリカンフットボール」。オーディエンスの立場としては後者でなければならないのかもしれないが、それでも私は「ヨーロッパ式のサッカー」が見たい!と言いたい。(40分;8曲)

NILE

フロント3人のトリプルデスヴォーカル攻撃、あなたはどのデス声がお好み?マイクロソフトのOSとIBMのハードによりアルバム通りのSEを再現。SEとのバランスとりのためか、それまでのバンド同様、音が小さく音厚感が無い。このバンドにとって、アルバム通りに曲をステージで再現してみせることは素晴しいことだし、窮めてアメリカらしい「見せる」「聴かせる」エンターティンメントといえる。しかし客としてバンドとの時間の共有感、一体感に「のる」のがライヴだと定義すれば、果たしてこれがライヴであろうかと疑問を感じずにはいられない。(本編9曲、アンコール2曲;55分)

(文責:新地昭彦)