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ライヴレポートのようなもの

ライヴ観て来た記

BEHEMOTH

08’10月29日 渋谷duo music exchange

日本盤がリリースされた事で、もしかしたら来日があるか…!と期待をしつつも、昨今の不景気を見る限り単独はありえんだろう、いずれかのイベントかなあとアタリをつけていた。8月末のノルウェーのイベントにまで見に行こうと思っていたのだが、職場の大量離職の影響で計画がパー。それもあって個人的にはLOUDPARKには期待していたのだが、第4弾アーティスト発表に至っても名前が出てこない。ああ、こりゃもうないかなあ…とあきらめかけていたら来日決定、しかも

なにいっっ、単独だとうっっっっっ!!
一体誰だ、そんな無茶な計画立てたのは!!
こんなバンド、客が入る訳無いだろう!!

というのが、偽らざる自分の心境だった。本来は大喜びしなければならない所なのだが、実際のところ、イベントなら別のバンドも観られて楽しいよなあ、とか、LOUDPARKって、なかなか決心ががつかなかったからちょうどイイなー、とか思っていた所だったので、正直「え?」という感じだった。「ひとつぶで何度も美味しい」を望むのは私が欲張りだからである。

†会場に至るまでの経過は、長くなったので下記に移動。
†てな訳で、場面は唐突に入場後の会場内。

入場して驚いたのが、フロアにでかい柱がドン!!だったこと。さすがに、フロア中央には無かったけど。ライヴ開始前に「ダイヴ、モッシュは御遠慮下さい」というアナウンスがあったが、こんな造りの場所では難しかろう。否、モッシュ(※)は発生していたが、多少窮屈そうだった。新地に、そういうアナウンスがあったよ〜と教えたら「そりゃ無理やろ」と言っていた。たしかに、単なるおまじない程度の意味しかないようである。

しかしライヴ開始まで長かったこと。
妙な緊張感と共に、とにかく待つ。ジッと待つ。

そしてついに暗転。

ライヴ前は「日本盤も最近やっと出たばかりだし、静かだったらどうしよう。私が老骨に鞭打ってがんばらないといけないかもしれない。大声出すと、最近ゲ○吐きそうになるけど、がんばってデス声で叫ぶか」なんて色々考えていたのだが。

暗転した途端に歓声、メンバー出て来て歓声、Nergal出て来てまた歓声。
時間が前後するけど、昔の曲で歌ってた(叫んでた?!)ヤツもいたりとか。
すまん。オバちゃん、君たち(観客)の事を侮ってたよ!!
おいらは安心してライヴに集中するよ!みんながんばってくれ!!

というわけで、場内のノリは若者に任せ、老兵はライヴを堪能する

しかし集中しようと思った割にメモをしょっちゅう広げて曲目の確認する、下げてたズダ袋(Tシャツが2枚入っているのでパンパン)はあちこち振り回す、しまいにゃメモ書きのシャーペンを落としたので、しゃがんで探しはじめる(誰か踏んで転んだら危ないのでけっこう必死だった)…。

結局事前入手のセットリスト通りだったのだが、ライブのメモをしたかったら、適した位置ってのはあると思った。まあようするに、仕事でライヴレポをやるんでなければ、メモなんぞするんじゃないという事である。この日の私はハタ迷惑だったかもしれない。スマン…。

Nergalは想像通り小柄だった。アルバムジャケットで底の厚いブーツだったし、頭身との関連からそれほど大柄な人じゃないとは思ったが(ビデオクリップによっては、長身のように見えるんだよね…)。

いっぽう、マッチョ好きな私は、ORIONの想像を越えた(!)二の腕に思わず萌え萌えとなり、彼ばかり観ていた…ような気がする。マイクスタンドが数本あったので、Nergalが位置を変えながらヴォーカルを取るんだと思ったんだが、Orionとヴォーカルを分担していたのでちょっと驚いた。ライヴDVDも要所要所しか観ていないので(こらこら)、以前からこうなのかはよくは知らない。もしかしたら私のように、叫び過ぎると吐きそうになるのだろうか?

Sethもいたらしいけど、殆ど記憶になし…こちらの方に来た時ちょっと見た気がするけど「あ?いたかな?」程度。自分にとって彼は、色々ミステリアスな人である。

Infernoは、ステージ上ではタイコの音以外に覚えがないけど、私はスッピンの彼を開場前に発見していたのだった。英語がダメだし、特に話し掛ける理由もないので、ジロジロ見ない程度に観察しただけだった。(めざとい若者たちが追いかけて行って、何ごとか話しかけていた模様)

肝心のサウンドに関しては、自分が条件の良い位置にいなかった事を差し引いても、最良とは言えなかった。潰れ気味で、何をやっているのかにわかに判断しにくい所はたしかにあったが、曲のたびにソデに引っ込むのはその事と関係があったんだろうか?

しかし音の悪さなど、待ちに待っていた自分にはどうでもよいことである。なにせ「海外遠征をする事になるんだろう」などと、あきらめ半分覚悟半分でいたのである。音の不鮮明さなど脳内アンプでどうにでもなるのさ!

しかし一番参ったのは音ではなく、NergalのMCである。視覚を犠牲にして聴覚に神経を集中していたのに、せいぜい固有名詞を聞き取れただけだった。ライヴ後にお会いしたここの方に「彼はとても早口だったから…」と慰めて頂いたのだが、慣用的な言回しもあるだろうに…。そのくらいはどうにかならんか自分。

まあその早口が、「英語環境にイマイチ問題のある国」というのを感じさせない、ファンのエキサイトぶりでの喜びの表現だとしたら、私としても嬉しい限りなのであるが。

そして必殺“Decade To Therion”。私の興奮が、この曲でピークに達したのは言うまでもない。「АПО」「ПАΝΤΟΣ」「ΚΑΚΟ」「ΔΑΙΜΟΝΟΣ」のくだりで、あのビデオクリップが勝手に記憶再生されてしまい、思わず笑いが出そうになったが必死でこらえた。私としてはこの曲で本編を締めて欲しかったのだが、本編最後は“Chant For Eskaton 2000 E.V”。「SATANICA」アルバムラストの曲であるが、盛り上りには今ひとつ欠ける。“Decade To Therion”は当アルバム1曲目に収録されているが、バンド(というかNergal)にはこだわりがあるんだろう(つながりはありそうだが、私はまだ読み切れてない)。

アンコール扱いの2曲のうち、最初のはライヴDVDにも入ってた昔の曲。念のために観たんだが、ここでも曲が入る前に「BATHORY、VENOM…」なんてMCしていた。あの曲調だし(笑)カヴァーなのかと思ったよ…。「DEMONICA」にも入ってるので調べたら、曲と歌詞のクレジットはNergalだった。まぎらわしいったら(笑)。この日のライヴでは、DVDよりちょっとMCが長めだった(気がした)ので、少し得をした気分。聞取れなかったけどね…。

最後のカヴァーはお手上げ。だけど、このアンコールの2曲に明確に反応してる連中には脱帽だ。私のピークは前述通りだが、彼らはこのアンコールがピークのようだ。この日はここの方もいらしていたのだが、「最後の2曲でピットに突入した」というような事をおっしゃっていた。自分の、音楽的守備範囲の狭さを思い知ったような気分である。

入りは自分が心配していたほどではなかった。満員御礼にならなかった分は、プラス熱狂度で充分カヴァーしていたと思う。日本でも、もっと名を知らしめて、今度は大阪でお願いします!!


その他楽屋落ち

†山口で定職についている人間が、平日に東京までライヴに行くとなると、行きはともかく帰りはどうやっても、東京発山口宇部行き第1便の飛行機に乗らなきゃいかん。つまり、最低でも1日半の休日が必要なのである。幸い仕事が忙しくない月末だったので大丈夫だったが、あと1週間前後していたら諦めなければいけない所だった。でも、バンドの活動歴の割に、きちんとした状況で日本盤が出たのは「THE APOSTASY」が初めてとなると、これがベストの選択だろう。

†私は渋谷(センター街周辺)がどうも好きになれないので(ハチ公は別格)、上京してもなるべく近寄らないようにしていたのだが、今回の会場がここだと聞いてちょっとげんなり。だけど到着してみたらば、会場周辺ラブホばっかし!という素敵すぎるロケーションだった…。

†しばらく会場前で待っていたら、タクシーが停車。時間的にメンバーじゃないとは思ったが、コープスペイントの兄ちゃん3人が出て来たんで驚いた。…あんたら、その格好で家から出てきたんか!?…初老のタクシーの運ちゃんの目が、心なしか虚ろだったのは哀れだった…。しかしライヴ終了後衝撃の事実(ってほどではないが)。そのうちの1人が「髪の毛」を手に立っていた。…カツラかよっっっっ!!(爆笑)

†duo music exchangeにはロッカーがないので、会場外にクロークが設けてあった。会場内では絶対必要ではない皮ジャンを預けたが、他にも同じような人が数人いた。この日は、私のような脂肪のカタマリでもけっこう肌寒かったので、厳冬期はみんなどうするんだろうと思った。中でマーチャンダイズを購入するのはわかっていたので、ズダ袋を持って入ったが、これを下げてフロアで暴れるのはしんどい…というか、けっこう近所迷惑。外で物品購入して、それをそのままクロークへ、という訳にはいかなかったのか。この会場はいつもこうなのか?改善を求めたい所であるが、私は贅沢なのだろうか。(ここへ再び来る事はほとんど無いと思うけど…)。

†関東の人にはいまさらだけど、自分は初めて、狭い道をはさんで向かい合っているO-WESTとO-EASTの立地関係を知る。O-WESTの前は、若いお嬢さんでいっぱい。一見ヴィジュアル系のファン風なので、その系統のバンドがここで演ったんだろうな。

※古い世代の私は、あれを「モッシュ」と呼ぶ事に若干違和感を覚える。

(文責:八槌せいる)