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電力管
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5極・ビーム・電力増幅管 : 3極電力増幅管 : TV用 偏向出力管 : 送信管
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1. 5極・ビーム・電力増幅管
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略商
NL
ナショナルエレクトリックス USA リチャ−ドソンの管球商標
GD
ゴールデンドラゴン 英国 管球商社P.M.Compの中国・ロシア製管球へのブランド
スベトラーナ
米資本によるロシア(サンクトペテルブルク)旧国営企業製管球へのブランド
ソブテック 同 米資本によるロシア旧国営企業製管球へのブランド
MAZDA 英国 フィリップス系管球メ−カ− 東芝の旧商標マツダとは無関係
GEC 英国 管球メ−カ−
マツダ 東芝の旧商標 光神アフラマツダから由来
* 2004/11/05 6550、6JS6の斜体字、補間
撮影データ:
Pentax *ist-D、FA35-80/f4〜5.6、80mm付近(35mm換算120mm) 1/60 f=16 露出補正-0.5〜-1.0
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6550族
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オリジナルはタングソル。KT88と特性、最大定格ともほとんど同じ。
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6550WA(GD) 写真は中国製6550WA。ゲッタ-は管頂部に2個。ペアマッチで購入。
金属ベ−ス部分にシ−ルが貼られ、Id値が記載されている。写真のものは61mA。
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SV6550C(スベトラーナ)
6550WA(中国製)に比べるとガラスの肉厚や電極材はこちらのロシア製の方が重く、品位が高い。ほとんどの管は中国製よりロシア製のほうが質感が高い。
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ビーム4極管:
サプレッサグリッドの代わりにビーム成形板を左右に置き、電子流をプレートへ効率的に集中させる構造発明。しかしサプレッサがないのでプレートに当たった電子が跳ね返り2次電子となってスクリーンへ吸い込まれ、効率が下がる場合がある。特性が低電流域で大きく波打つのはこの為である。
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NL−KT88−USA
(=ナショナルエレクトリックス製) USA版KT88。マッキントシュのメンテナンス用とされる。リチャードソンが供給。
NL=ナショナルエレクトリックスはリチャードソンの管球ブランド。
オリジナルの英GECの方はかなり高価だが、こちらもガラスは厚く、電極のつくりも頑強そのもの。かなり重い。ゲッタ-は管頂部に2個とプレ−ト脇左右計4個。
Geneva Illnois USAと表示してある。
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業界標準:KT88/6550
オーディオ用出力管におけるビーム4極管の頂点である。これよりも大きいEL156等もあるが、欧州で産業用として少量販売された程度。コスト、品質、製造数量、納期、外形形状等すべてにバランスが取れて初めて業界標準になれる。設計者はセカンドソースが存在しない管など製品に採用するのは躊躇するからである。
6G−B8、6R−P15が ”標準” とならなかった最大の理由と思う。VHSとβの関係と同じである。
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6CA7族
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蘭フィリップス
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6CA7 (松下)
欧州製のEL34より美しく仕上がりのいい松下製。この球に人気があるのは外形形状の美しさではないか。300Bやこのタイプの6CA7はガラス工芸品に近い。6CA7を研究調査しているファンは数多い。
エミッションはさすがに現代のSOVTEKやスベトラ−ナのほうが元気がいいよう。
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6CA7 上部 グリッドエミッションを抑制する為に、金メッキワイヤとかなり大型の放熱器がつけられている。そのため高gm管はスクリ−ンではなくコントロ−ルグリッドのほうが放熱器が大きい。
コ−トされた雲母にはプレ−トと各グリッド間へスリットが入っている。民生品なので作りは意外に簡素。
解体しようとしてから数年たってしまった為、ゲッタ−リングがさびている。
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6BQ5族
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蘭フィリップス
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6BQ5/EL84 (松下)
6CA7/EL34とともに一世を風靡。
初期タイプに見られた、コントロ−ルグリッドの放熱器が、これにはない。ロゴは後期の三松葉マーク。
6BQ5/6CA7が名管と言われる理由は、歪や出力、外観ばかりではない。スクリーン電圧とプレート電流の相関がよく、5極仕様でもULでも設計上の自由度が高い。AB1クラスで球の実力を出し切っている緻密な計算がすばらしい。
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7189A(東芝) これもコントロ−ルグリッドに放熱器がない。おそらくかなり後期。USAなどの7189と違いビ−ム構造ではなくサプレッサがある。、東芝は類似品で6R−P15を出していた。 この後、スクリーン耐圧を375vに上げて、UL用に対策された7189Aを販売した。プレートは楕円形状。
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6BQ5/EL84 (SOVTEK)
コントロ−ルグリッドに放熱器が着けられている。オリジナルに忠実なロシア製。グリッドは金メッキで大変良質。★★★ 星三つ ^^v
これは購入してきてすぐ解体してみました。
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SV83(スベトラ−ナ) スベトラ−ナが、6BQ5類似管としているが、gmがやや大きく、スクリーンの耐圧が100Vも低い。おそらくこれ以上スクリーン電圧を高くとっても損失が増えるだけだからであろう。高gm管にしたため、球のバランスが崩れてしまった。
これもビ−ム構造ではなくサプレッサがある。
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6G−B8族
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6CA7などの高性能管に対抗して、東芝が開発 gm=20 前後
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6G−B8
6CA7などの高性能管に対抗し、東芝が水平出力管を改良して開発。
写真はHi−S管で8角形のプレートが黒化してある。
日本製では珍しく、縦長の美しい大型管である。ベースを金属環仕様にでもしていれば、ドイツ製と思えるほど。
ほかの高gm管もその傾向はあるが、gmが高すぎるのか、特性が低電流域で大きく波打つ。スクリーンがコントロールグリッドに近接している。6GB8はこのスクリ−ンの使い方がポイント。
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8417 USAで6G−B8のリプレース用途に販売されていることが多い。スクリーン損失が若干低いので差し替えるときは、定格に注意。プレート電極は近代管らしくキャビトラップ付きで、雲母板の巧みなスリットなど水平出力管の技術が随所に見られる。 左GE製。右は珍しいフィシャーブランド。GE製とはつくりが異なりプレ−ト側面にもゲッタ−があり計3箇所。
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6L6族
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オリジナルはRCA 1936
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6N3C(後のソブテック?)
ロシア版5881(6L6耐震管)
肉厚ガラス、ショートモールドベース
プレートはわずかに6角形をしている。
6〜7mmの放熱翼を持つ。
上部雲母板へも鳩目を打ち、ここへ各グリッドロッドをささえる延長ロッドを溶接している。
ソブテック製の6L6WGBなどの原型。
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6N3C
底面雲母上横に走る金属板は左右のビーム形成板を結線している。(上部も同じ)
ここへカソードを溶接して引き出している。
設計が古いせいか、雲母上には、マイグレーションを抑制し、耐圧を稼ぐスリットは見当たらない。
本来は5ピン・グリッドと4ピン・スクリーンのみ引き出しだが、1PINと6PINにあたるNCピンステムに、グリッドとスクリーンの反対側のロッドの引き出し線をも溶接し、耐震性を増している。
NCピンが外部ソケットピンへ引き出されていれば、若干、最大損失を増やせたかもしれない。
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6V6族
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6V6 東芝製
1937/39 RCA
6L6の約2分の1の容量。
6L6が拡大方向へ展開したのに対し、6V6は6AQ5等、小型化へ展開した。
透明な東芝製
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6AQ5 6V6とは、特性は同じで最大定格が異なる。
管名が消えかかっている。プレート中央部に切り欠きスリットがある。TV用垂直偏向管として開発された。
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42 41族
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42 マツダ (東芝)製
管体が大きく最大定格に対して余裕があり、丈夫な球として愛さる。AB2としても使われた。このサンプルはプレートが黒化してある。
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42 KVCと表記
42がST管で6F6は同特性のGT管
日本では42/6ZP1/6AR5がラジオ用として愛された。
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6AR5
41/6K6のMT版。
6AQ5/6V6と同様に、41と特性は同じで最大定格が小さい。以外に丈夫な球であり、250v程度であれば長期の使用に耐えた。
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6AR5
コントロールグリッド(G1)には、小さな放熱器が取り付けてある。アマチュア用C級(電信)10Wクラスの送信管としても使われた。
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30A5族
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蘭フィリップスがオリジナル。松下が提携
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30A5 松下
100V/110V系トランスレス5球スーパー用の出力管としてフィリップスが設計。高性能な為、OTL用15MP19と、TVやOTL用として6/8/15/30CW5など多品種展開された。
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6CW5(右 30A5)
電極は30A5と同じ構造で変わらない。ほぼ同一時期に開発されたものと推測。プレ−ト放熱翼が若干大きく、コントロ−ルグリッドに小さな放熱器がある。TV用垂直偏向管として開発された。バルブを9ピンとし損失を、また製造精度を上げて耐圧を拡大している。
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15MP19 松下
300mATV用やOTL用として30A5の最大定格を1割程度引き上げたもの。Epmax=165v
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直熱三極管からレギュレーター管まで
2. 3極電力増幅管
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2A3族
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オリジナルはRCA
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2A3(ソブテック)
1999にソブテックから1枚プレートの2A3が登場した。それまでの2A3は中国製以外、入手が困難だったが、現在は供給十分。ソブテックの2A3は300Bのプレートを10mmほど短くし、バルブが小振りなだけ。
本来の損失実力値は20W以上あるのでは?
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頭頂部雲母板より四つのばねでフィラメントを保持し、下部雲母板からM字型に片側2往復ずつ折り返し両端部同士をショート
電極保持はステムタイプ
2個のゲッターリングはプレートへ結びゲッターそのものは下側ステムへ飛ばしている(白濁)
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レギュレータ
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6080
低μ、内部抵抗(μ=2、rp=300Ω)のユニットが2個内封。
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6080
通常のプレートと異なり、コの字型をした2枚のプレートが幅広なグリッドを両脇からはさみこむようになっている。
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6336
6080をさらに大型化。
Pd=30W。rp=200オーム
上はセトロンブランドの6336。おそらくChatham(チャトハム)製
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6336
電極全体を固定し支える金属製の板ばねがガラス内面に計4組8個。
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6336
プレ−トはカーボンプレ−ト(グラファイト ジルコニアコ−テッド? )。頑丈なグリッドスタッドに金メッキモリブデングリッドワイヤ−。超幅広のセラミックサポ−ト大型カソ−ド。
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現代管球の最終形・TVから送信機用途まで
3. TV用 偏向出力管
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B/W TV用
16〜19インチ
220V
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6/12DQ6(写真は日立製)
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12DQ6(頭頂部)
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25E5族
16〜19インチ
220V
114°偏向
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25E5 (英フィリプス) 英フィリプス製。バルブ頭頂部にブリテンと書かれている。KT88などど同様に、頭頂部にゲッタ−飛散防止兼用雲母板がある。トッププレートでなければ、6CA7?
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25E5 (SYLVANIA)
シルバニアブランドだが made in japan。
おそらくNEC製と思われる。頭頂部のゲッタ−飛散防止兼用雲母板の代わりにゲッター下側に放熱器兼用金属製の防止板を使用。
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カラーTV用
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水平出力管は管種が多いように見えますがメーカーの都合や、スニベッツ対策による改良でありTVインチサイズ別と電源電圧でシリーズ化されており、規格が酷似していて4〜5系統しかないようです。この中でも25E5系は国産品でも多数の系列があり最大のヒット作。
B/Wダブラ220v用: xDQ6・xBQ6〜
300/600mA用: 25E5・xBB14・xGB7〜
初期カラ−用: xCL5〜
中期カラ−用: xDQ5〜
大型カラ−用: xJS6・xKD6
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6CL5 (GE後期) 6JS6Aより10〜20%程度小振り、Ep=700V/25W、Sg2=200V/4W オクタルベースでgm=6500、rp=6K と使いやすい。このタイプの見分け方はグリッドではなく、スクリーンに放熱器があるのが特徴。日本製にはないタイプ。 6550Cや6GB8の原型になった6CB5A(gm=8800、rp=5K)より20%ほどgmが低め。6CD6は両者の中間。gmの違いで、選べるようにシリーズ化していたのか?外形は見分けがつかないほど。
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水平出力管やレギュレーター管をオーディオ用に転用するようになると、もう完全に”病気”
テクニカルな設計を好み、良好なDFを多極管で実現し、大出力を搾り出そうと日夜励むわけです。 ^^!
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マグノ−バル
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6JS6A (東芝)
Ep=990V/28W、Sg2=190V/5.5W マグノーバル gm=11300、rp=5.6K と ヘビ−。写真は八重洲FT101Sの終段管のもの。
6KD6/6JS6A・CタイプはHF終段やリニアに多用された。この為在庫が払底している。 6JS6Cはプレートに放熱翼を追加して、プレート損失を高めたもの。
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6JS6A (底面ステム)
雲母スリットや形状、電極材質は最終段階にきている。
6DQ5と特性がほぼ同じ、定格が少し大きい。
入れ物を変更した為のよう。
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カラーTV用
トランスレス用
垂直偏向管
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6LU8(GE) Pen Ep=400V/14W
Sg=300V/2.5W
rp=12k gm=9300
Tri Ep=400V/2.5W μ=58 rp=16K
USA トランスレスカラーTV用で6BM8を大型化した規格のよう。オーディオ用にはrp、μsgとも最適な値。5極PP、AB1固定バイアスで 20Wクラスか?
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送信機用
4. 送信管
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6146族
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6146(写真は東芝製) アマチュア用に多用されたS2001(松下)は6146の民生品。Pd=20W
のちに,6146Bのサフィクスがつけられ、損失の拡大が行われた。プレートへの電子流を均一化する改良などで形状はほとんど区別がつかない。 6146B Pd=27W
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6159(タングソル)
航空機用、6146Aの26.5V管
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6L6族
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1619
6L6系のメタル直熱(=即熱)仕様(2.5V)送信管。
移動用として、スタンバイ時にヒーターを落としバッテリの寿命に考慮したもの。
直熱管の場合数秒で立ち上がる。
JAN仕様RCAの文字が美しい。
CCSレートでPd=15W
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