ファクトチェック

週刊金曜日を読む 2018-10-26

作成日:2019-11-02
最終更新日:

ファクトチェックということば

「沖縄戦ファクトチェックの成果」という表題で、2018 年の沖縄知事選に出た候補者のうち、 2名についてのファクトチェックを実施した結果がある。その中に次の段落がある。

今回も「沖縄が米軍基地の 70 % を負担というのは基地反対派が作り出した数字のマジックだ」 という言説が流布された。日米共同利用の施設を含めると負担率はもっと低くなるという指摘だ。 これについては、どの範囲を「米軍基地」とみるかでいつも論争となる。 ファクトチェックという視点でいえば、実はどちらもデータを正確に引用していれば間違いとは言えない。 問題は「基地反対派が作り出した数字のマジック」という類の指摘にある。防衛省のホームページに 「国土面積の約 0.6 % しかない沖縄県内に、全国の約 70.3 %の在日米軍専用施設・区域が依然として集中しています」 と明記されている(中略)。これは防衛相などが公式に出しているデータと見解なので、 「数字のマジック」という指摘は事実に基づいていない、という検証記事が発表された。

防衛省のページで書かれていることとして私が気になるのは、 この在日米軍施設・区域がどのような単位で数えられるのか、ということだ。専有面積なのか、 それとも施設の数なのか。国土面積の、という書き出しだから面積のようにもとれるが、はっきりとはしない。 私が住んでいた相模原市は現在でも、キャンプ座間(座間市も含む)、相模総合補給廠、相模原住宅地区と三か所もある。 昔はさらに、キャンプ淵野辺、医療センター、座間小射撃場があった。

ファクトチェックと団体

このファクトチェックということばを目にしたこの記事の表題は、 「成否のカギはメディアと市民との協働」とある。 さて、この記事では FIJ (ファクトチェック・イニシアティブ)が出てくる。記事を書いているのは楊井人文氏で、 FIJ の事務局長でもある。ちなみに、FIJ はファクトチェックを行う団体ではない。 FIJ のホームページによれば、ファクトチェックの「普及」を目指す団体です。 ファクトチェックそのものを実施する団体ではありません。とある。 ファクトチェックそのものを実施する団体については、FIJ からたどることができる。

なお、記事には、楊井氏の紹介文がある。そこには、12 年、一般社団法人日本報道検証機構を設立とある。 この、ファクトチェックをしていた機構は今年(2019年)、残念なことに解散することになった。

まりんきょ学問所週刊金曜日を読む > 週刊金曜日を読む 2018-10-26


MARUYAMA Satosi