選択的夫婦別姓

週刊金曜日を読む 2018-02-16

作成日:2019-11-13
最終更新日:

民法上の姓と戸籍法上の姓

pp.22-23 に、ある提訴の記事がある。夫婦別姓を認めない現行法制度は違憲という提訴だ。 この記事を読んで初めて知ったのは、民法上の姓と戸籍法上の姓が別にある、ということである。 インタビューされた語り手は、「戸籍法上で通称名を認定」してほしいと訴えている。 そして、戸籍法上での通称名が認定されないための不利益を実例を挙げて語っている。

そういえば最近、県か市の広報で 「住民票・個人番号カード(マイナンバーカード)などに旧姓(旧氏)を併記できるようになった」という知らせがあった。 しかし、今回の提訴は、戸籍への現在の姓の表記と理解している。 今回の語り手は、不利益として挙げた実例として、パスポートの姓が通称の姓と異なったために起きた事故を挙げている。 だから、住民票や個人番号カードに旧姓が併記できるようになったからといって、 戸籍法上の姓は変わらない。したがって、この提訴は変わらず有効だろう。

夫婦別姓に関してはいろいろな意見がある。私は、夫婦は別姓でも同姓でもいいと思っている。 なぜかというと、変えるのは面倒だから、ぐらいの意味でしかない。 私の危惧は、今回の話し手が今回の新しい夫婦別姓訴訟では、 民法上の氏は夫婦の氏にそろえるから「戸籍法上での通称名を認定」してほしい と訴えていることの中にある。私の考えでは、民法上の氏に関する夫婦別姓は「理念の別姓」といえる。 一方、戸籍法上の夫婦別姓は「実利の別姓」ではないかと考えている。 両者がいがみ合うことがなければよいが、と思っている。

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MARUYAMA Satosi