大学受験が行われている。科学やテクノロジーの話題を標榜しているこのブログとしては、理科の問題を取り上げてみたい。
2017 年東北大学入学試験物理(前期)の力学の問題である。問題文や図はざっくり省略して、いきなり設問を書いてみる。
T さんは,まず F = F0 の力で実験を行った。このとき箱 P は平面 L 上を運動し,箱 Q は平面 K 上を滑ることなく箱 P といっしょに運動した。
(a) 加速度の大きさa0と,「見かけの質量」M0を,
F0, μ, μ', m,M,g の中から必要なものを用いて表せ。
これには困った。必要なものを用いて、ということは、必要なものが混じっている「かもしれない」ということである。困ったといっても仕方がない。私の考えを示してみよう。
箱 Q は箱 P と一体なのだから、全体の質量は M + m として運動しているに違いない。そこで、
M
0 = M + m であろう。そして、加速度は a
0 = F
0 / (M + m) だろう。
これで予備校の解答例とは合っている。与えられた値のうち、μ, μ', g は使われなかった。
実生活でも同じだ。与えられた(既にわかっている)データは究明すべき問題に関係ないことは大いにある。つまり、一見ある事柄に関係していそうなのに実は関係無かった、ということが山ほどある。
世の中は厳しい。
posted by まりんきょ at 23:00|
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