昔、「題名のない音楽会」の司会が黛敏郎だったころだと思う。なぜか、ジュディ・オングの「魅せられて」がヒットした理由について解説した番組が放映されたことを覚えている。3種類のアレンジが紹介されて、1つはあまりに歌謡曲ぽく、別の1つは逆に歌謡曲から離れていて、結局今の、歌謡曲の中にもエキゾチックな雰囲気が漂うイントロが採用されたことがヒットにつながった、とするものだった。
数年前、筒美京平の特集がNHKであった。このときに取り上げられた曲に「魅せられて」があった。当時、筒美はオーケストレーションは他の人に任せていたが、この「魅せられて」のオーケストレーションは自分が担当したということだった。あのアレンジは歌謡曲の中で随一のものではないかと思う。
ここで言いたいのは、アレンジ次第で曲はどうにでもなる、ということだ。