越谷のサンシティクラシック・ティータイムコンサートも第145回を迎える。この日は、横山幸雄のピアノを聴きにつれあいとともに出かけた。プログラムは次の通り。
ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番ニ短調 Op.31-2
横山幸雄:祈りのバラード
横山幸雄:アヴェ・マリア~バッハ=グノーの主題による即興
(休憩)
ショパン:ピアノソナタ第2番変ロ短調 Op.35
ショパン:ワルツ第5番変イ長調 Op.42
ショパン:前奏曲嬰ハ短調 Op.45
ショパン:バラード第3番変イ長調 Op.47
ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 Op.53
当初のプログラムではベートーヴェンはテンペストではなくロンドハ長調 Op.51-1 とロンド・ア・カプリッチョ ト長調 Op.129 の予定だったが、横山さんの強い希望により(解説者の岡部真一郎さんによる)同じベートーヴェンの上記のピアノソナタに変更された。
全体的に、肩の力の抜けた、気軽に楽しめる演奏だった。手を抜いている、ということではない。自分の持てる力を普通に出そう、という感じが伝わってくるのだった。ひょっとしたら、横山さんの服装でそう判断したのかもしれない。背広ではなく、上は白いシャツにベスト、下は黒い裾を絞ったパンツで、ジーパンにあるようなリベットが見えたので5ポケットなのだろうか。
私としては、演奏はやはりプロは違う、と思うのだった。もちろん、他のプロと比べるとどうか、ということもあるけれど、ここのコンサートはここ限りのものである。比べるのは野暮というものだろう。私が聴きたかったのは前奏曲嬰ハ短調Op.45で、私が好きなショパンの曲の5指に入るが、ほとんど誰からも顧みられないかわいそうな曲である。横山さんのしなやかな演奏に、来てよかったと感じた。
横山さんの自作は、リストやラフマニノフに影響された、そして今でも映画音楽などには受け継がれている、20世紀前半のロマン主義を思わせる語法満載の、興味深い曲であり演奏だった。
アンコールは3曲。いずれもショパンで、遺作のノクターン嬰ハ短調(レント・コン・エスプレッシオーネ)、練習曲 Op.25-1(エオリアンハープ)、ワルツ第6番変ニ長調Op.64-1(小犬のワルツ)。
posted by まりんきょ at 23:00|
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