2013 年 8 月

翌日は八重洲の本番である。 練習をしたあとで、やはり飲みに行った。 チェロがいっこうにうまくならないのはきっと酒のせいだろう。

勤務先からの帰り、シルバーシートに座ってモーツァルトのピアノ協奏曲の譜面とにらめっこしていた。 すると池袋駅で電車が動かなくなってしまった。 先にある電車が駒込駅のホームドア故障で立ち往生しているためだという。 ２０分ほど座ったままでいたが復旧の見通しが立たないというアナウンスがあったので、列車から降りた。 結局池袋駅からは埼京線で赤羽駅へ行き、そこで乗り換え京浜東北線で日暮里駅へ行くという回り道をして帰った。

俺が池袋駅で降りてから１０分後には駒込駅のホームドア故障は復旧したらしい。 世の中には裏目に出ることがよくある。 今日のできごとは、あさっての演奏会の前の厄払いと思うことにしよう。

今度の日曜日がコンサートである。 ピアノを少しだけ練習したが、まだまだ足りない。 最善を尽くすといろいろなところで言っているが、ことばだけのような気がして恥ずかしくなってきた。

体重が減らない。 高止まりしている。 演奏会が終わったら減らそう。

鍵盤で練習することがなかなかできないので、通勤時間のさなかに、頭のなかで指使いや和声進行を思い出しながらピアノを練習している。 しかし、混雑していると暑かったり臭かったり痛かったりで、思い出すところまで気が回らない。

私の家では毎日新聞を購読している。 それも朝刊だけでなく、夕刊もである。 なぜ夕刊をとっているかというと、数独が毎日載っているからだ。
今まで夕飯を食べ終わってすぐに夕刊の数独を解いていたが、ある人から物言いがついた。 そのため、数独をする時間を変更した。 どの時間に変更したかは秘密だ。

きのうは飲み過ぎて疲れたので、今日は調子が悪い。 なんとか起きたが寝ぼけたままだ。 昼寝もして調子を元に戻そうとした。 なんとか明日は出勤できそうだ。

8月24日土曜日は、仙川の桐朋学園大学の教室を借りて、八重洲室内アンサンブルの練習を行った。 内容はここでは書かない。
そのあと、「くいもの屋　わん」という場所で大いに食べ、かつ飲んだ。 ぐるなびのリンクを張り付けておく。
http://r.gnavi.co.jp/p864009/

新大久保駅にホームドアが設置された。 正確には、ホームドアを開閉するための設備が設置された。 予告では、設置工事が行われるのは、内回り線に面した側が8月20日、外回り線が8月22日であった。 実際には、内回り線は予定通り、外回り線は１日遅れの本日設置された。 朝この駅で降りると設備がすでにできていて、始発前に作業をやったのだろう。 ありがたく思った。 なお、ホームドアの開閉が行われるのは9月の予定だ。

新大久保駅は、過去乗客転落事故があった。 2001年1月26日のことである。 10年を超えたが、やっと抜本的な対策が取られたと思うと感慨深い。

ドビュッシーという作曲家がいた。 今日が誕生日である。 人間は嫌いだが、曲は好きだ。 いくつか挙げてみよう。
・ピアノ曲なら、「組み合わされたアルペジオのための」練習曲。 私は素人だから、これを選ぶ。 玄人だったら「対比されたソノリティのための」練習曲を選ぶが、俺にはわからん。
・室内楽曲なら、「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」だ。
・オーケストラ曲なら「祭」かな。 ピアノと管弦楽のための幻想曲もいい。
・歌曲は未開拓。 未だに「美しき夕暮れ」止まりだ。
・ペレアスとメリザンドは聴いていない。 人生の汚点なので、９月になったら聴こう。

今日は久しぶりにラーメンを食べた。

今日も新しい店を開拓することにした。 少しこじゃれたレストランで、店の名前はサラダ○○○という。 ここでカレーハンバーグを注文した。 すると、カレーのかかったハンバーグライスと一緒に、キャベツが山盛りになった丼が出てきた。 さすがにサラダという名前がついているだけのことはある。 カレーはそれほど辛くなかったが、コクがあった。

この日の昼食は、初めての食堂で食べようと思い、少し職場から歩いて物色することにした。
十分ほど歩いたところで、ビルの奥まったところにインド料理屋があったので入った。
運よくすいていたので、少しぜいたくに、小さなチキンと２種類のカレーがついている定食を選んだ。
ここのカレーもうまかった。
どんなカレーをどこで食べてもうまい。 カレーは奥深い。
昔まずいカレーを食ったことがあるが、そんなことは夢のようだ。

八重洲室内アンサンブルの練習に行った。 場所は桐朋学園大学である。 練習室の気温が24℃と空調がよく効いていたが、指揮者の先生は熱を入めた練習をしたためか、われわれ団員にはあまり涼しさが感じられなかった。

今回は、２台ピアノの協奏曲をずっと練習していた。 初めは要領がつかめなかったが、練習するうちに少しずつではあるがうまくなってきていると思う。

練習後は例によって酒好きの仲間たちで飲んだ。 解散したあと、近くの書原という本屋に寄ってみたら、音楽書もさることながら、ほかの本も含めて恐るべき品揃えだった。 さすがは桐朋学園大学の近くにある本屋だ。 感心したことは、バックに音楽がかかっていなかったことだ。 当然のことながら、静かにできる本屋はなかなかない。

練習に行った。 この日は、本番９月１日に披露する予定の４曲のうち３曲を中心に稽古した。
一曲一曲は名作であり、ゆっくりとさらいたい。 だからそれらを同時に３曲も練習するとなると大変である。 ヘンデル、芥川、チャイコフスキーという三者三様の音楽をどう表現すればいいのか、戸惑う。

がしかし、戸惑いも練習が終わるまでだった。 その後の飲み会では単純にビールを飲んでつまみを食い、大いに騒いだ。

きのう、某所にてつれあいと昼食をとった。 久しぶりに別腹（デザート）を二人で頼むことにした。 私はピーチシャーベットとチーズケーキを、つれあいはピーチ・メルバ（Peach Melba）を頼んだ。

二人のデザートが運ばれて、つれあいもわたしもちびちびとデザートを食べ始めた。 俺のデザートも美味しかったのだが、つれあいのデザートを物欲しげについジロジロと見てしまった。 すると、つれあいは俺のことを情けない奴だと思ったのだろう、ありがたいことに少し分けてくれた。

ピーチ・メルバとは、桃を使ったデザートである。 メルバのなまえは、初めてこのデザートを食べた歌手、ネリー・メルバにちなんでいる。

暑い夏に、暑い小説を読み進めている。 夏には読み終わりたいのだが、体がだるかったり音楽の練習があったりでなかなか進まない。 読書の秋に読み終えられればいいのだが。

「緑の家」を読み進めている。 筒井康隆がこの本を絶賛したのはいつだったろうか。 筒井も、そして訳者の木村榮一も、独特の表現なので注意して読み進めるように、と忠告している。 俺もそれを受け入れているので、ふだんの読書より遅くなっている。 すると、筋を読み解くのが面白くなってくる。

最近、ボケている。 ボケを防止するために何かすべきなのだろうか。 頭を活性化させるのがいいのだろう。 それには、ふだんやらないことをすればよい。 たとえば、歴代天皇の名前を覚えるとかはどうだろう。 戦前の教育を受けた人は、「神武、綏靖、安寧、懿徳……」と言えたらしい。 私は右翼ではないけれど、覚えてみようか、と一瞬思った。 しかし、残念ながら歴代天皇の名前より覚えるべきことがたくさんある。 天皇の皆様方、少しの間お待ちください。

きのう、雑誌「将棋世界」9月号を読んでいたら、高橋道雄九段の話が紹介されていた。 その話の詳細は割愛するが、記事の書き方からすると、高橋九段は柏木由紀という女性が好きなようだ。 私は「柏木由紀子なら聞いたことがあるが」とつれあいに聞くと、「私も柏木由紀ってしらない」と言われてしまった。 ひょっとして、AKB48の一員なのではないかと思って調べてみたら、果たしてそうだった。
AKB48を知らない稀有な日本人という存在価値が俺にあるかと思っていたが、残念なことに一人知ってしまった。 もっとも他のメンバーは知らないから、稀有なことには変わりはないと信じている。

きのうは日航機の事故があった日だった。 この事故で亡くなった坂本九の夫人が柏木由紀子である。 何かの因縁だろう。

根津の書店で買ったまま積読となっていた、バルガス＝リョサの「緑の家」をやっと読み始めた。 どういうわけか、夏と冬にラテンアメリカの文学を読むのが恒例になっている。 ちょっと理由を考えてみた。 ラテンアメリカの文学には、暑さの描写がよく出てくる。 その暑さを味わうには、夏がふさわしい。 ちょっとこじつけである。 もっと単純な理由は、夏と冬には休みが取れるので読み始めやすい、ということなのだろう。

モーツァルトの２台ピアノを練習するために、某所に出かけた。 やっと相方の出す音が聞こえるようになったが、まだ音楽として聴けていないのが恥ずかしいことだ。

暑い中、実家に行って家族に顔を出しに行った。 昼飯を食ったら眠くなってゴロンと横になったら気が付いたら１時間はたっていた。 手先が器用で、家庭菜園でもマメな父から受け継いだものは横になるとすぐに眠ってしまうクセである。

長崎に原爆が投下されたのは８月９日である。 長崎は何回か訪れている。 あんな住みやすい都市が原爆の被害を受けるというのはなんと残酷なことだ、と思う。
長崎を最初に訪れたのは高校の修学旅行だった。 原爆資料館がコースに入っていたと思う。 ここのことは忘れられない。 まだその時は古い建物だったから、天井も通路も狭く、古い印象があった。 それと中に残された展示物の数々とがあいまって、何ともいえない重苦しさを味わった。
数年前に行った長崎は、明るかった。 おいしいものも食べ、親切な人にも出会った。 このときも印象に残っている。 ありがたいことだ。

戦争に行かないためにはどうするか、考えてみた。 まず、戦争をしなければよい。 しかし、将来何があるかはわからない。 どうすればよいか。 一つの手は、軍楽隊に入ることができないか、ということだった。
日本の作曲家、芥川也寸志は第二次世界大戦のとき東京音楽学校の学生だった。 芥川が兵隊にとられないよう、師は芥川を軍楽隊の指導の役につかせたという。
こんな話を思い出したのだが、今の俺には全く役に立たない。 まず、学生ではない。 それに、師もいない。 ゆえに、前線に送られる。 どうすればよいのだ。

戦争のことを思い出す、といっても私が戦争を体験したわけではない。 せいぜい、書かれたものや聞いたことなどで想像するだけである。
私は５０歳を超えた今でも、いつかは徴兵にとられるのではないかと気にすることがある。 今のところいくつかの不安材料を除けば健康だから、前線に連れて行かれるのだろう。 それはごめんだ。 戦争で死にたくはない。

８月６日は広島に原爆が落ちた日である。 そのときのことを広島にいた義父はこう語っている。 爆心地の東７キロのところにいたようだ。

夏休みだったが登校日で体操をしていたら、あたりでまぶしい光を感じ、振り返ろうとしたら先生が「見るな」と大声でどなった。 家に帰ると細かなガラスの破片が畳に突き刺さっていた

義母は山口にいた。

広島のほうで何か光ったものが見えた。 その後、何かの力に押されたかでみんなが同じ方向に動かされた。

暑くて何もできない。 できることは、帰りに家の近くのスーパーでビールを買って帰ることだけだ。

８月は戦争や事故を考える月だ。
８月６日　広島に原爆投下
８月９日　長崎に原爆投下
８月12日　御巣鷹山に日航機墜落
８月15日　終戦
たまたま、すべて日付が３の倍数である。

最近考えていることがある。 平和賛成、戦争反対というお題目を唱えるだけはなく、平和を築くことに役立つことをしなければいけないのではないか、ということだ。
でも、私にできることといえば、せいぜいチェロやピアノを弾いたりすることだけだ。 どうみても平和を生み出す行為とはいえない。 平和だから楽器が弾けるのはよくわかるが、その逆は成り立たないような気がする。

練習の帰り、渋谷から地下鉄にのるとこんなアナウンスが聞こえてきた。
「東武線事故のため半蔵門線は押上で折り返し運転となります」
しかたなく押上で降りて、旧業平橋駅まで歩いた。
昔はむやみに長いトンネルがあったが、今はない。 その代わりに東京ソラマチができた。
ソラマチを初めて歩いて、なぜか懐かしさを感じた。

午後はチェロを練習した。 その後の飲み会は永福町の白木屋で行う。 最近できた店だ。 もとは地場の中華料理屋があったところだ。 飲食店も厳しい時代なのだろう。

この日は某所にて２台ピアノを練習した。 モーツァルトとゴドフスキーである。
モーツァルトだけでも大変なのに、２台だしゴドフスキーもあるしで錯乱してしまいそうだ。

今、長岡で花火大会が行われている。 俺の親は新潟県長岡市近くの出身だったこともあり、一度だけ見に行ったことがある。 まだ小学校２年生のころだと思う。
花火がきれいというより、とにかく人が大勢で大変だった、という印象しかなかった。
ひょっとして帰りは長鉄（越後鉄道長岡線）に乗ったかもしれないが、はっきりとは思い出せない。

ちなみに、勤務先で長岡出身の２０歳代の若い衆に聞いてみたら「長鉄は知らないですねえ」と言われた。 やはり年が違うのだ。

昼は白身魚のフライを定食屋で食べた。 カロリーを減らさないといけないのだが、つい食べてしまう。