ショートカットキー

作成日: 2015-05-03
最終更新日:

便利なショートカットとその定義

ショートカットキーは便利なものだ。何かにつけて使ってしまう。 さて、Excel でよく使うショートカットキーに、選択セル(群)を含むアクティブセル領域を選択する、 というものがある。 ショートカットキーは、Ctrl-* である(Ctrl-Shift-:ともいえる)。

アクティブセル領域の定義

さて、アクティブセル領域とはどのように定義されるのだろうか。 https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/office/ff196678.aspx では、 アクティブ セル領域とは、空白行と空白列で囲まれたセル範囲です。値の取得のみ可能です。 と説明されている。この説明は正しいだろうか。

たとえば、次のような天体の表に対して、選択セルが B3 にあれば、 アクティブセル領域は B3:E6 となる。これは、空白行(第2行と第7行)と空白列(第A列と第F列)で囲まれたセル範囲、というにふさわしい。

表 1 天体の表
ABCDEF
1  天体の表       
2        
3 名称赤道面直径(km)質量(kg)衛星数  
4 地球6,3575.972*10241  
5 火星6,7946.419*10232  
6 木星142,9841.899*102767 
7       

では次の天体の名称で、太陽のある D4 セルのみが選択されている場合、アクティブセル領域はどうなるだろうか。

表 2 太陽系の恒星と惑星
ABCDEFF
1           
2    地球    
3 金星      
4   太陽    
5  水星        
6       火星  
7        

空白行と空白列で囲まれているのは B2:F6 であり、この領域がアクティブセル領域である、と答えられる方がいるだろう。 結果は正しいが、推論は必ずしも正しいとはいえない。私の観察では次のようにしてアクティブセル領域が決まるように見える。

  1. 該当領域から8連結のセルをたどっていき、不定形の領域を決定する。
  2. 不定形の領域に内接する長方形(バウンディングボックス)を仮のアクティブセル領域とする。
  3. 仮のアクティブセル領域に接する8連結のセルがなければこの領域の真のアクティブ領域と決定し、終了する。
  4. 仮のアクティブセル領域に接する8連結のセルがあればこの領域を新たな該当領域と定め、1 に戻る。

上記のプログラムに照らすと、次の通りである。

  1. まず、D4 セルと8連結となるC5セルが接するので、不定形領域をC4:D5 と決定する。
  2. C4:D5 領域に8連結となるB3セルが接するので、不定形領域をB3:D5 と決定する。
  3. B3:D5 領域に8連結となるE2セルが接するので、不定形領域をB2:E5 と決定する。
  4. B2:E5 領域に8連結となるF62セルが接するので、不定形領域をB2:F6 と決定する。
  5. B2:F6 領域に8連結となるセルがないので、アクティブセル領域は B2:F6 である。

そんなことなら、空列の第 A 列と第 F 列、空行の第 1 行と第 7 行に囲まれているから B2:F6 とすればいいのに、 と思っただろう。これでいいのだろうか。

図のC5 の水星を C6 に持って来よう。このときの空行は第 1 列のほか第 5 列と第 7 列となり、 空列は第 A 列と第 F 列だから、 アクティブセル領域は B2:F4 と思うだろう。 ところが実際は、アクティブセル領域は D4 のみである。 これは、セル D4 が8連結せずに孤立しているからである。

実際に表を作るときにこれほどまでにデータがバラバラで入ることはないだろうが、 一つの注意として掲げた次第である。

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MARUYAMA Satosi