通常、データベースとは、ある種の正規化がされていることを前提として、データの操作、すなわち生成・更新・検索・削除が高速に行えるプログラムを意味していて、 独立したアプリケーションで実現するのが普通だ。
一方、表計算ソフトで使われるデータベースとは、表計算ソフトの中だけで完結する、シート上の特別な形のでデータ構造を指す。このデータベースは、 特別な関数や操作によって効率的に操作ができることを特徴とする(通常は検索に限られる)。このページでは、この表計算ソフトで使われるデータベースに限って説明する。
以下、LibreOffice のデータベース関数(help.libreoffice.org) に沿って説明する。
データベース関数とは、データベースを操作するための関数である。ここで、データベースとは列と行から構成される長方形のスプレッドシート領域であり、1レコードが1行に対応する。 各列の先頭セルは列の名前であり、その列の内容を説明するために使われる。
ここで、データベースの例を示そう。下記の表-データベース-では、ワタルの誕生日会に呼ぶ友達について、 名前のほか学年、年齢、家から学校までの距離(単位 m)、体重(単位 kg)が与えられている。
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 名前 | 学年 | 年齢 | 距離 | 体重 |
2 | アリス | 3 | 9 | 150 | 40 |
3 | カンタ | 4 | 10 | 1000 | 42 |
4 | サトル | 3 | 10 | 300 | 51 |
5 | タロウ | 5 | 11 | 1200 | 48 |
6 | ナナミ | 2 | 8 | 650 | 33 |
7 | ハナコ | 2 | 7 | 300 | 42 |
8 | マコト | 1 | 7 | 200 | 36 |
9 | ヤヨイ | 3 | 9 | 1200 | 44 |
10 | ラン | 2 | 8 | 1000 | 42 |
11 |
A | B | C | D | E | |
---|---|---|---|---|---|
12 | 名前 | 学年 | 年齢 | 距離 | 体重 |
13 | >600 | ||||
14 |
=DCOUNT(A1:E10;;A12:E14) を開いているセルに入れると、学校から 600 m 超の距離にある人の数 5 を返す(カンタ、タロウ、ナナミ、ヤヨイ、ラン)。
特定の列で、数値があるセルの平均を返す。A13:E13 のセルをすべて空白にしたあとで D13 セルだけを ">600" として、 =DAVERAGE(A1:E10; "Distance"; A12:E13) を空白セルに入れると、666.67 が得られる。
特定の列で、数値があるセルの数を返す。A13:E13 のセルをすべて空白にしたあとで D13 セルだけを ">600" として、 =DCOUNT(A1:E10;; A12:E13) を空白セルに入れると、5 が得られる。
(要追記)
(要追記)
最大値を返す
最小値を返す
(要追記)
不偏標準偏差を返す。=DSTDEV(A1:E10; "Weight"; A12:E13) を空白セルに入れると、5.5 が得られる。
標本標準偏差を返す。末尾の P は標本(population)を表す。=DSTDEVP(A1:E10; "Weight"; A12:E13) を空白セルに入れると、5.18545 が得られる。
総和を返す
不偏分散を返す。
標本分散を返す。末尾の P は標本(population)を表す。
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