羽生 善治、先崎 学:村山聖名局譜

作成日: 2010-06-05
最終更新日:

概要

夭逝の名棋士、村山聖(むらやま さとし)九段の熱い戦いから羽生善治と先崎学が10局を厳選し、 実況中継のように解説する。

感想

棋譜

これはもう、ものすごい。 谷川浩司との矢倉戦、羽生善治との空中戦など、どれをとっても迫力満載だ。 特に、丸山忠久との角換わり腰掛銀の対局は盤に並べて鑑賞すべし。これは私からの命令ではなく、 谷川浩司がそういっていたのだ。 この死闘のとき、村山は体調を崩していてとても対局ができる状態ではなかった。 にもかかわらず村山は対局を当然と考えていた。 そこで、村山の師匠である森信雄は、村山にもしものことが起こったときのために、対局室の襖を隔てた脇の部屋に看護師を待機させた。 このような状態で戦うことは、余人には想像がつかない。

惜しまれるのは、取り上げられた棋譜がわずか10局しかないことだ。 この本の出版にあたり、師匠の森は、村山の名局とされる棋譜を40近くまで絞り込んだ。 しかしこれらの棋譜には森にとってはどれも愛着がありすぎた。そして、出版社か著者の羽生や先崎に対して、 「わしはこれ以上どれも落とすことができん。そちらで選んでくれ」 ということを頼んだという。もし、シリーズものになっていれば、 残りの30近い名局を目にすることができたのに、と思うと残念である。

解説

羽生善治と先崎学の掛け合いは面白い。 たいてい、先崎はいろいろな思いつきを述べると、羽生の深い読みによって否定されたり、 新たな読み筋が生じたり、という展開である。また、その逆もある。 そして間に、村山に関する挿話が語られる。このタイミングが何ともよい。

書 名村山聖名局譜
著 者羽生 善治、先崎 学
発行日200?年??月??日
発行元日本将棋連盟
定 価??00 円(本体)
サイズ
ISBN4819702114

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MARUYAMA Satosi