悪手の研究

作成日 : 2024-01-31
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実戦に出てきた、あるいは出てきそうになった悪手の局面を集めた。

候補手
    図 1 は開始局面

    図 1 は平手の開始局面である。ここから次のように進んだ。

    ☗7六歩☖3四歩☗2二角成☖8四歩☗2一馬

    先手の3手め角交換に、後手は当然☖同銀とするとところ、うっかり☖8四歩と指してしまい、 ☗2一馬と馬に逃げられてしまい、後手の角桂損となった。


    図 2 は☖6五歩まで

    図 2 はゴキゲン中飛車からの一局面。後手は☖6五歩と突いた局面。この☖6五歩は悪手だった。つらいようだが☖3四歩と打ち、☗2六角☖4二金と進めるのが相場だったようだ。 ☖6五歩をとがめる次の手は☗6四桂である。後手は金を逃げる場所に困る。☖6二金は先手の角の利きがあって取られるし、☖7一金は☗6二銀で、 ☖6三金は☗5二銀で、☖8三金は☗6二角成で困る。☖4四銀が最善だが、☗7二桂成☖同玉として☗5七角と手を戻せばいい。 実戦では☗4五桂と角取りに桂馬を打ってしまったが、これは後手の悪手をとがめていない、先手の悪手だった。


    図 3 は☖6七同歩まで

    図 3 は対抗形からの一局面(都合により先後逆)。後手の☖6七歩のタタキに先手が☗同歩と取った局面。 後手は☖5八香と打ち込んだが、これは悪手だった。☖5一香☗4六角の交換をして、☖7一金と我慢するのがよかった。 ☖5八香をとがめるには☗7九飛がよかった。後手は次の☗7四飛を防ぐ手段がなく、後手の歩や香も取られてしまいそうだ。 実戦では☗5七金と元の歩を取ったが☖5九香成と飛車を取られ、形勢を五分に戻されてしまった。私は☗6九飛と逃げる手を読んでいたが、これは☖7八成銀でダメだと思っていた。 ☗7九飛とここまで逃げる手は読んでいなかった。成銀や馬に近づくので最初から読みの手に入っていなかった、というのが情けない感想だ。


    図 4 は☖2三銀まで

    図 4 は角交換急戦からの一局面。以下は実戦の進行である。 ☖5八香と打ち込んだが、これは悪手だった。☖5一香☗4六角の交換をして、☖7一金と我慢するのがよかった。 ☖5八香をとがめるには☗7九飛がよかった。後手は次の☗7四飛を防ぐ手段がなく、後手の歩や香も取られてしまいそうだ。 実戦では☗5七金と元の歩を取ったが☖5九香成と飛車を取られ、形勢を五分に戻されてしまった。私は☗6九飛と逃げる手を読んでいたが、これは☖7八成銀でダメだと思っていた。 ☗7九飛とここまで逃げる手は読んでいなかった。成銀や馬に近づくので最初から読みの手に入っていなかった、というのが情けない感想だ。

    ☗3五飛 ☖5五角 ☗6六角 ☖同 角 ☗同 歩 ☖5五角打 ☗4七銀 ☖2四歩 ☗2五歩 ☖4四角

    ☗3五飛は疑問手。☗6四飛とさらに歩をとってよかった。☖6三歩には☗2四歩がある。銀が逃げれば☗3四飛と飛車が生還するので勢い☖6四歩と取るが、☗2三歩成☖同金☗2四歩で攻めがつながる。 ☖2四同金ならば☗2二角なので☖2二金と辛抱するが、☗2三銀☖1三金☗2二銀不成と進め、☖4四歩ならば☗1三銀不成☖同香☗2三歩成☖4四歩☗2二歩で以下攻めを続けることができる。

    ☗3五飛に対して後手は☖5五角と打ったが、これは悪手。先手が☗5三桂成とすれば☖同銀に☗5五飛として角桂交換の駒得で先手がよかった。 その後の手順は省略するが、あと何回も☗5三桂成からの素抜きの筋があったにもかかわらず先手は見逃してしまい、最後に☖4四角と備えられて素抜きの筋が消え、かつ飛車が捕まってしまった。


    図 5 は☖6六桂まで

    図 5 は対抗形からの一局面。以下は実戦の進行である。

    ☗5九香 ☖5八銀 ☗5三金 ☖5九銀不成 ☗同 角 ☖7八桂成 ☗同 銀 ☖4四飛 ☗6九歩 ☖6四銀

    ☗5九香はこの一手。これに対して☖5八銀と打った手は疑問で、これに対して☗同香とすれば☖同桂成に対し☗4六馬と出る手があった。☖同歩なら☗5五飛と馬を取れるのでそこで☖同馬とするが☗同歩と取り返せる。 その後も難しいが角がさばけるのは大きい。☖5八銀に☗5三銀は悪手だが、これに対して☖5九銀不成とした手も悪手のお返しだった。 ☖7八桂成 ☗同 銀 ☖4四飛 と進み、先手は☗6三金☖同金から☗5五桂とすすめて馬をいじめる方針で指すべきだった。☗6九歩が緩手で☖6四銀と備えられて振り飛車有利になった。