スカルラッティ ピアノ名曲解説 |
作成日:2006-09-17 最終更新日: |
スカルラッティの鍵盤楽器の楽曲は、ソナタと称される。 ここでいうソナタとは、ソナタ形式で書かれた楽曲とは異なる。 むしろ、ソナタの原義である、鳴り響くもの、という意味にとればよい。 結局、スカルラッティのソナタ集とは、ピアノ曲、というほどの意味である。
スカルラッティのソナタは、短い。ほぼ3分前後である。 楽譜でも、2ページから4ページに収まる。せっかちな現代人に、 向いている音楽といえる。
中身は、すべて同じように聞こえるという人もいる。 全て異なり、輝いている、と主張する人もいる。 私は、かなりの曲が輝いていると断言する。
スカルラッティのソナタは555曲ある。これは、 スカルラッティのソナタを整理したカークパトリックが数えた結果である。 この他にもスカルラッティのソナタとされるものがあるが、 普通はカークパトリックの通し番号でソナタを区別する。
スカルラッティのソナタは、たいてい1枚か2枚のCDで収まっている。 その中でお気に入りのソナタがあれば、それでよい。
そんなこと言ったって、という人はいるから、おすすめの曲をあげておく。 まず、ホ長調 L.23 。メヌエット風の優雅な趣味のよい曲。たいていの選集に入っている。 そして、ト長調 L.286。Prestissimo (超速く)または Presto quanto sia possible (できるだけ速く)という指示がある唯一のソナタ。 細かな音形が続く中突然大砲が爆発する。 イ短調 L.241 。後半の冒頭がちょっとクリシェだが、全体を包む適度な甘さとさわやかさを、なんと表現すればいいのか。
お気に入りの曲を作った人がいる。
http://d.hatena.ne.jp/putchees/20060919
みなさんも試してみてはいかが。
もちろん、全 555 曲入ったスコット・ロス(チェンバロ)の演奏(34枚)や、
ピーター=ヤン・ベルダー(チェンバロ) (36枚)を買うのは大変だろう。
そんな方には、MIDI で聞けるサイトもある。
http://www.kunstderfuge.com/scarlatti.htm