ラヴェル ピアノ名曲解説 |
作成日:2006-09-17 最終更新日: |
この曲は,何と言っても標題がよい.いわくありげで, 想像力をかき立てられる. 中身はゆっくりとした歌だ.もの悲しいけれど,さっぱりとしていて, 気分が落ち着く.オーケストラやハープへの編曲もある.
この曲は、ドビュッシーに先駆けて、印象派の曲の嚆矢とされる。 テンション、すなわち 9 の和音や 11 の和音を駆使した、 明るく輝かしいアルペジオと工夫した音階が、 今までにないピアノの響きの輝きを作り出している。 ラヴェルは、自作のピアノ曲をオーケストラに編曲しているが、 この曲は、オーケストラには編曲していない。
ラヴェルはときとして古典的なイメージに頼ることがある。古典的な形式の代表であるソナタを、 小さなソナタ、すなわちソナチネとして自身の書法で表現した作品である。
全部で3楽章からなる。第2楽章はメヌエットである。 音楽の形式としてはすたれた舞曲をあえて取り上げたことからも、懐古的な趣味がうかがわれる。