数学セミナー 2019 年 2 月号

作成日:2019-01-20
最終更新日:

数学と AI 雑感

竹内郁夫氏が、数学と AI 雑感というタイトルで、リレー連載の記事を書いている。 ここに、「たらい回し関数」が紹介されている。この関数の名前は、どこかで聞いたことがある。 そうだ、奥村晴彦氏の「C 言語による最新アルゴリズム事典」で取り上げられていたのだった。 ここには冷たく「特に用途はない。」とまで言われていたのだが、 ではなぜ、この用途がないプログラムを掲載したのか。その理由が、竹内氏の記事を見てわかった。 この竹内氏の記事では次のように説明されている。 1970 年代、氏は Lisp の開発をしていた。当時、他の言語に比べ、AI 言語 Lisp は遅くて使い物にならない、と言われていた。 この Lisp が勝てる、あるいは肩を並べられるベンチメークテストを氏は欲していた。そのような状況で氏が思いついたのが、たらい回し関数だった、 というわけである。この関数は、日本の計算機科学者である野崎昭弘氏により、「竹内関数」と命名された。

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