ラグランジュ関数:日本応用数理学会誌2011年9月号

作成日:2011-07-04
最終更新日:

ラグランジュ関数

田邉國士氏による解説である。ラグランジュ関数自体の意味を同氏は問いかけていて、 この稿では次の主張がされている。

「制約条件 `g(x) = 0 in R^m` の目的関数 `f(x)` を最小化する `X in R^n` を求めよ」という最適化問題に 対して,ラグランジュ関数を`L(X, lambda) -= f(x) + lambda^t g(x) ` と定義するとラグランジュ乗数法により最適解の必要条件は,その微係数を用いて
`nabla_x L(x, lambda) = nabla f + [del_x g] {::}^t lambda = 0`
`nabla_lambda L(x, lambda) = g(x) = 0`
となります.ここで `[del_x g]` は `g` の Jacobi 行列です.
(中略)
登場する関数は十分なめらかであることを仮定して話を進めます. さらに必要条件を満たす対 `x^**, lambda^**` に対して `rank[del_x g(x^**)]=m `が成り立つと仮定すると, 許容集合 `V -= {x in R^n :g(x) = 0}` の `x^**` の近傍部分は可微分多様体となり, 局所座標 `xi` によって `g(x(xi)) -= 0` となります.このとき、 「ラグランジュ関数は多様体 `V` の点 `x^**` における 接空間において,目的関数の局所座標表現 `F(xi) -= f(x(xi))` を 2 次近似したものである。」 という特徴づけができます.

数式表現

表記は ASCIIMathML を用いている。

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