日本応用数理学会誌2003年12月号

作成日:2006-08-18
最終更新日:

論文誌のとびらの言葉

「ホワイトボックス型FEM」という記事である。

有限要素法 (Finite Element Method, FEM) に関して、 著者が希望していることがある。 それは、FEMの利用者に対する希望であり、 「解析理論から出発し、プログラムを作成し、 実験結果や理論解との比較まで通して自力でできるようになることが 順当であり望ましい」ということである。

著者は、「ソフトウェアのソースを積極的に公開するなどして、 計算アルゴリズムを利用者に見通せる仕組みが可能ならば, 数理工学の醍醐味をいっそう深めさせられるであろう」と述べている. 私も同感だ.

私自身,有限要素法をよく知らない。たまたま、 ある計算の仕事の話をお客さんとしていたら、 お客さんは有限要素法に興味を持っていた。 私は頷いて聞いていただけだったが、同席していた営業が私を叱咤した。 「今時、開発の人間が有限要素法も知らないの?、そんなのダメだよ」 その声が気になり、有限要素法のプログラムが載っている本を買った。 その後、お客さんから有限要素法の話は来なかった。 安心したのだが、本は押入の隅で眠ったままである。

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MARUYAMA Satosi