日本応用数理学会誌1994年6月号

作成日:2006-09-18
最終更新日:

ニュートン・ラフソン法

ニュートン・ラフソン法(Newton-Raphson method)の収束について、 論文誌で掲載されているので、調べてみた。

通常のニュートン・ラフソン法は、1 変数関数 `f(x)` に適用する場合、 次のようになる。

`phi_(f)(x) = x - f(x) / (f'(x)) `
`x_(k + 1) = phi_x(x_k). (k = 0, 1, 2, cdots )`

上記 `phi_f` を、反復関数と呼ぶ。

ここで、`f(x)` に 関数 `g(x)` を乗算した `h(x) -= g(x)f(x)` の零点を 1 変数のニュートン・ラフソン法によって求めるアルゴリズムを 1 変数の関数乗算型ニュートン・ラフソン法という。

1 変数の場合、`g(x) != 0` と仮定し、 `f, g` がともに微分可能であるとすれば、反復関数は次のようになる。

`phi_(h)(x)`` = x - (h(x)) / (h'(x))`
` = x - (f(x)g(x)) / (f'(x)g(x) + f(x)g'(x))`

ここで、`g(x)` として、各種の取り方が考えられる。

例1.`g(x) = x ^-alpha,alpha = 1`
例2.`g(x) = exp(beta x),beta = -1`

多変数への拡張や, 非定常法(反復関数が反復ごとに変化する方法)への拡張もあるが, 省略する.

私は一時期,数値計算で, 方程式の零点を求めるときの初期値の選定に苦労していたので, 多少なりとも興味をもったのである.

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MARUYAMA Satosi