田中克彦:エスペラント |
作成日: 2008-01-05 最終更新日: |
エスペラントは、迫害と抗争を生き抜いた。 歴史から言語の本質を問う。
素直に書かれていて、さらりと読めた。私がなるほどと思ったのは、 エスペランティストの栗栖継氏の言葉の紹介で、 著者の田中氏に向かって言われた言葉である。 「田中さん、エスペラントって案外むつかしいでしょう」 田中氏は「まったく実感だ」とこの本で書いている。 そして、私も実感している。何がいいかというと、 肩の荷が降りたことである。
最後に、誤植を挙げる。 エスペラントが簡単なことを、フランス語の動詞変化と対照して示している 部分である。 つれあいが指摘したのだが、 62ページの être の人称変化が誤っている。tu に対する現在形 (直説法現在)は、 et ではなく、es である。 また、こちらは私が気付いたのだが、je に対する現在形は、 sui ではなく、suis である。 Wikipedia の該当ページを参照のこと。
この間違いによって、エスペラントがすっきりしていることが際立つような 誤植である。
書 名 | エスペラント−異端の言語 |
著 者 | 田中 克彦 |
発行日 | 年月日 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 740円(本体) |
サイズ | 新書判 |
ISBN | 978-4-00-431077-8 |
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