渡辺 洋三:法と社会の昭和史

作成日: 2015-05-03
最終更新日:

概要

昭和の時代を歴史として振り返る。

破防法

pp.161-162 では破防法について記載されている。 著者は次のように解説している。まず、破防法は国民的な猛反対にあったが法律は通ったこと、 しかし、この猛反対ゆえ事件への実際の適用は当局が慎重であったこと、 そして実際に適用されたのは左翼、右翼でそれぞれ数件しかなかったこと、 適用後も合憲か違憲かが裁判で激しく争われたことである。 そして、次のように締めくくっている。

このことは、ある法律ができるという場合、それが国民の支持と祝福のもとに成立するか、それとも国民の反対を押し切って成立するかによって、 その後の法の運用が違うということを示しています。 最近の若い諸君には、反対してもどうせ通るからむだだという考えが多いようですが、 決してそういうものではないということを知って貰いたいです。

あのオウム真理教でさえもこの破防法は適用されなかった、ということを考えると、非常に重みがあることばだ。

書誌情報

書 名法と社会の昭和史
著 者渡辺 洋三
発売日1988 年 3 月
発売元岩波書店
定 価2300円(税込)
サイズA5 ページ
ISBN4000048953
その他
NDC210.7(日本史)

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MARUYAMA Satosi