ポール・ラファルグ:怠ける権利 |
作成日: 2010-01-07 最終更新日: |
われわれは、高貴で神聖な怠ける権利を宣言しなければならない、 と説く表題作、 資本主義は宗教である、と喝破した「資本教」、 資本主義のもとではすべてのサービスは買える、という思想で書かれた「売られた食欲」の3編を収める。
有名な本作は、どれだけ読まれているのだろうか。 また、どれだけ現代にひきつけて読まれているのだろうか。 しばし考えたい。
実は「怠ける権利」より私にとって面白いのが、この「資本教」である。 誰かが言っていたことだが、会社は一種の宗教である、と聞いて急に霧が晴れた気になったものだ。 ここで会社を資本に置き換えれば、そのままこの教義があてはまる。 様々な術を駆使して資本の側面を語っている。
更に面白かったのが、「売られた食欲」だった。筒井康隆の初期短編(例:「かゆみの限界」)を思い出させる、 本当にシュールな物語である。 資本主義反論の書、というよりSFである。
平凡社ライブラリーには、 ラッセルの「怠惰への讃歌」もある。 これとペアで買うことをお勧めする。
平凡社ライブラリーには、今度読みたいと思っている本がある。「日本残酷物語」全5巻である。 その後、運よく再刊時に手に入れることができた。
また面白いことに気付いたのだが、このライブラリーには、律儀に NDC が記載してある。
書 名 | 怠ける権利 |
著 者 | ポール・ラファルグ |
発行日 | 2008年8月8日 |
発行元 | 平凡社 |
定 価 | 1200円(本体) |
サイズ | B6変形版(16.0cm) 236ページ |
ISBN | 978-4-582-76647-9 |
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