盗作とは何か。事例を広範に狩猟した書。
筒井康隆の盗作事件について触れられている。私は何十年か前、筒井康隆の小説やエッセイが好きで読んだことがあり、 そのなかで自分の起こした盗作問題に触れたものがあったように記憶しているが、それがどこに載っているのかわからなかった。 この本ではそれが明らかになっている。
山崎豊子の作品に盗作の嫌疑がかけられている作品があるとは知らなかった。 (2017-07-01)
井伏鱒二の「黒い雨」についてが盗作かどうかについて、まとめられている。 この問題の検証で引用されている雑誌のうち「週刊金曜日」は私もずっと購読していて該当記事も読んでいるが、 本著者の栗原氏によれば、該当記事の信頼性は低いようである。やはり、本は読んでみるものだ。
私が見たところ、第3刷での誤植はみつからない。amazon のレビュー欄で指摘された p.355 の誤植は第3刷では直されている。
書 名 | 〈盗作〉の文学史 |
著 者 | 栗原 裕一郎 |
発行日 | 2008年6月30日(初版第1刷発行)、2009年5月15日(初版第3刷発行) |
発行元 | 新曜社 |
定 価 | 3800円(本体) |
サイズ | 492ページ、A4判 |
ISBN | 978-4-7885-1109-5 |
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