都留 重人(編):サムエルソン経済学講義 下 |
作成日: 2015-11-27 最終更新日: |
都留重人の弟子らが表題の有名な教科書を読み解く
華山はいう。現在の東京の住宅事情があまり貧困であるし、スプロールしてしまった都市の構造を修正するためには、
都市の内部において細切れの農業経営を許しておくほどの余裕はないと思うからです。
私の読むところ、東京都には農地や森林という土地が余っているのだから、 これらの土地に、市街化区域の宅地並み課税をかけて地主から土地を放出させれば、 貧弱な東京の住宅事情が解消する、と華山は説いているようだ。
ここで、自宅を思い浮かべた。越谷市は都心から20kmほどであり、
コンクリート長屋ではあるが家の南西方面には田畑が広がっていて見通しがいい。
このことを問い詰めるかように、次のことばが私を刺した。あるいは、
すでに住宅をもってしまっている人が自分のそばに優良な農地があるために、
アメニティを得ているということがあります。しかし、
そのすでに住宅をもってしまっている人たちのアメニティの高さが地価の上昇というメカニズムを通じて、
現在もっとも貧しい住宅条件のもとに置かれている人たちの住宅条件の改善を阻害しているとしたら、
それを是とするか非とするかについて政治的な価値判断が要求されることになるかと思います。
書 名 | サムエルソン経済学講義 下 |
著 者 | 都留 重人(編) |
発行日 | 1983 年 |
発売元 | 岩波書店 |
定 価 | 1800円(本体) |
サイズ | |
その他 | 岩波セミナーブックス 6 |
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