内田 樹:女は何を欲望するか |
作成日: 2010-03-19 最終更新日: |
「フェミニズムは正しい、でも間違っている」など、さまざまな表現を駆使しながら、 フェミニズムが歴史的役割を終えた理由を説明し、 著者のフェミニズムに対する態度を明かす。
読むのに疲れたというのが正直な感想だ。理由の一つに、学術書によく見られる原語の引用がある。 たとえば、こんな感じだ。50ページで、ボーヴォワールから引用している個所だ。
男性―君主 (souverain) は女性―家臣 (vassal) を物質的に保護し、 その存在に正当性を与えるという任を引き受けるだろう。(後略)
いちいちフランス語を挙げているということは、ボーヴォワール、 あるいは上位のフランス思想家の重要なことばなのだろう。 そのような了解なくしては読みこなせない、という感じがする。
185 ページで、フロイトが示した有名な言い間違いが出てくる。北杜夫の本でも紹介されていたが、 自分の覚えのため、あえて記しておこう。
ある祝賀会の席で「それではみなさん、上司の健康を祝して乾杯 (anstoßen) しましょう」 と言うべきところで、 「げろを吐きましょう (aufstoßen)」といってしまった紳士の話をフロイトは『精神分析入門』の冒頭で紹介している。
書 名 | 女は何を欲望するか |
著 者 | 内田 樹 |
発行日 | 2010年1月20日(初版) |
発行元 | 角川oneテーマ21 |
定 価 | 705円(本体) |
サイズ | 新書判 |
ISBN | 978-4-04-710090-9 |
その他 | 越谷市立南越谷図書館で借りて読む。 |
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