小橋 淳一：～SEならこれだけは知っておきたい～経理・財務知識の再入門講座

概要

前半は経理・財務の基礎に充てられている。 後半は SAP R/3 の画面を交えつつ、実業務について説明する。

感想

立場による評価の違い

私は本書を必要に応じて参照している。私は SAP R/3 や周辺システムを使うことがあるので、 重宝する。 しかし、amazon レビューを見ていると、評価していない人もいる。

これは憶測なのだが、おそらく会計畑の方は本書をあまり評価しないのではないかと思われる。 一方で、システム屋の方（本書ではSEといっている）は本書をかなり評価するのではないだろうか。 なお、私はシステム屋である。

その理由は、著者がシステム屋であるからだと思われる。 一般に業務の内容がわからないシステム屋は苦労するものだ。 中でも会計業務は最も重要なものである。しかし、会計を学んだことのないシステム屋には会計用語がわからず、 途方に暮れてしまう。 本書は、そのようなシステム屋の苦労を和らげるために書かれたものと思われる。

そのように考えると、会計学としてみた場合にあいまいだったり誤っていたりする個所もあるに違いない。 だから、会計学を学ぶのであれば、日商簿記から始めるのがいいという意見も説得力がある。 しかし、システム屋は簿記から学ぶ余裕がないことが多い。だからこそ、本書ができたのだと思う。

ちなみに、本書の改訂新版が2006年10月に出版されている。私は本書を古本屋で2007年初頭に買ったが、 改定新版は買っていない。また、改定新版に対する amazon のレビューがないのは残念である。

書誌情報

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