スティーブ・サミット : CプログラミングFAQ

概要

C にはいろいろな落とし穴がある。これを、 よく尋ねられる質問と回答 (FAQ) としてまとめた。

感想

中級者から上級者にはいい本だろう。 また初級者も、ツボのわかる上級者から説明を受ければ理解できる内容の本である。 何がC言語の範囲内で、何がC言語の範囲からはずれるか、それをはっきり書いてあるのがいい。

たとえば、19.40 の質問はこうだ。 「どうやってソケットを使えばよいのか。ネットワークは。クライアント/サーバーの アプリケーションの書き方は。」 答は、「上のすべての質問は本書の守備範囲外（後略）」であり、はっきりしている。

情報源はインターネットのニューズグループである。 英語版(c-faq.com)がある。 日本語版(www.kouno.jp)は更新されていないと思われる。

ビットフィールド

同書の 2.26 にこのような質問がある「ビットフィールドを使わずに、 明示的なマスクを使ってビットをいじるコードをたくさん書く人がいるのはなぜか。」 （私が訳文を少し変えた）。 回答は、「移植性が低いためと考えられているためだが、実際にはビットフィールドの移植性はＣ言語の他の部分とたいして違いはない」 というものだ。俺は、移植性が低いという考えで、ビットフィールドは全く使わずマスクを使ってきた人なので、 最後の回答にはがっかりした。もっと早く言ってくれればよかったのに。

ビットフィールドを使った素直なコードは、 明示的にマスク操作を行うコードよりすっきりしていることは確かだ。 ビットフィールドがあまり使われないのは残念である。

まりんきょ学問所 ＞ 読んだ本の記録 ＞ スティーブ・サミット：C プログラミング FAQ