2000年のISO 9000

1. 2000年のISO 9000

世の中には、各種の 2000 年問題がある。コンピュータ西暦 2000 年問題はかたがついたが、他にもある。 たとえば、国際会計基準の 2000 年問題である。こちらはかなり報道されていて、聞いている方も多いだろう。 他に、地味だがなかなか大変なものに、ISO 9000 シリーズの 2000 年版改訂がある。

2. 質問と回答

q.測定と対になってモニタリング（監視）ということばが出てきています。両者はどのように違うのでしょうか。 測定の定義は ISO 9000 にありますが、モニタリングの定義はありません。

a.わたしは最初こう考えました。測定の定義には量を決定する、と書いてあるから、 モニタリングは質を決定するものだろう、と。ところが、別の意見が数多く出されました。

• 環境マネジメントシステム (ISO 14001) にはモニタリングということばがあるから、そのことだろう。
• モニタリングには、解釈が入る。
• モニタリングでは、あるべき姿が想定されている。
• 測定は点を測ることだが、モニタリングでは線、面を測ること。
• モニタリングでは、時系列的に多くの点を測定する。
• 測定の結果を複数集めて、集約・整理・解釈した結果がモニタリングである。

結局、上記の最後の意見が皆を納得させる解釈になりました。これを見ていると、データと情報との相似形、 といえそうです。

ところが、ISO 9001 の 8.2.3 には、「（前略）プロセスを監視し、可能な場合には測定すること」 という一文がある。測定をしなくとも、監視はできるのである。 この場合を込めて、測定と監視をどのように解釈すべきだろうか。 きっと、監視においては、こころの目で見ていて、測定と判断とが一体となっているのだろう。 そして、測定という行為で、定量的な尺度が導入されると考えるといいと思う。

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