ITC Conference 2004 に参加して

作成日: 2004-08-27
最終更新日:

1. ITC Conference について

1年に1度、ITC Conference というものが ITコーディネータ協会主催で開かれる。 今年で3回めであり、3回とも、8月の終わり2日間、東京国際フォーラムで行なわれた。 私は今年初めて参加した(2004年8月27日)。

参加費は決して安いとはいえない。それで、なぜ参加したかというと、 ITC のポイントを稼ぐためである。ここで感想を記す。

プログラムは次の通りである。
10:30〜11:30 千葉県ゴルフ協会 専務理事 加藤 重正 氏
11:50〜12:50 建築家,マサチューセッツ工科大学 客員教授 堀池 秀人 氏
14:00〜15:00 国際未来科学研究所 代表 浜田 和幸 氏
15:20〜16:20 内閣官房 内閣参事官 藤 和彦 氏
16:40〜17:40 東海バネ工業株式会社 代表取締役社長 渡辺 良機 氏

以前の ITC Conference に参加した先輩の話では、社長の話が面白いのだそうだ。 そうかな、と思いながら今日の話を聞き通した。それぞれに興味を引かれる部分があったが、 私の印象も先輩と同じだった。つまり、最初と最後の講演が、一番面白かったということだ。

2. 個々の講演の印象

加藤氏は、現職の前は、千葉夷隅ゴルフクラブの総支配人であった。 この、総支配人として行なってきたことを、 豊富な実例と辛口のユーモアを交えて語った。 私自身はゴルフはやったこともないし好きでもないが、 このような総支配人が経営するゴルフクラブであればゴルフをやってもいい、 と一瞬思わせてしまうほど、説得力に満ちた講演であった。

渡辺氏は、自社の戦略を明解に語った。特に、 高度経済成長の時代の昭和50年台から少量多品種生産を手掛けていたというのには驚いた。 そのころの常識では、いかに安く大量に作るか、ということのはずだ。よく、 常識に逆らって経営してきたものだと感心した。

他の3氏の講演も、それぞれに味があった。
堀池氏は学者としての側面が今回の講演では多く出ていたように思う。 フォン・ノイマンがENIACを作るときに、 建築家(電脳の、ではなく建物の)をプロジェクトチームに入れていた、という話は興味深かった。 これを含め、ITと建築には類似点が多い、ということを指摘され、多くの発見があった。 浜田氏は、リスクをチャンスに変える企業の例を紹介していた。生き馬の目を抜く、 ということばがすぐに浮かぶぐらい、大変な企業があることを知った。 藤氏は、役人という立場から離れて、 私人としての立場で日本と経営に対する提言をしていた。 藤氏の名前をどこかで聞いたことがあると思ったら、 実は企業診断ニュースに藤氏の講演会の記録が載っていて、それを読んだことを思い出した。 記録を見ていろいろ面白いことをいう人だという印象をもったが、 実際の講演を聞いてその通りだった。また、日本の経営を思う熱意に溢れていた。 私はじいさんになっているので、もっと熱い心を持たないといけないと反省した。

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MARUYAMA Satosi