メンデルスゾーン 合唱曲 訳詩

作成日:2002-04-13
最終更新日:

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湖上にて ( Auf dem See )

	かくてあたらしい栄養、生きた血を
	わたしは解きはなされた世界から吸う、
	わたしをふところに抱く
	自然のやさしさ ここちよさ。
	波はわれらの小舟を
	櫂の拍子につれて揺りあげ
	雲をつんざく山々は
	行手にあってわれらを迎える。
	
	眼よ わが眼よ、なぜそううつむくのだ。
	黄金の夢よ、またやって来たのか。
	去れ、夢よ、たといおまえが黄金でも。
	ここにも愛と生命はあるのだ。
	
	波間にきらめく光は
	数しれぬただよう星、
	そそりたつ周囲の遠景は
	やわらかな霧に呑まれて行く。
	そして朝風は
	蔭なす入江を吹きめぐり、
	湖には影うつる
	熟しゆく果樹の実。

MARUYAMA Satosi